ボーイング787 ようやく初飛行

 世界の最先端技術で分業・集約して生産する方式も新しいし、スピードや大型化での効率向上を競っていた流れを、中型で省燃費・長距離飛行を望むユーザーニーズに対応する開発方針に転換し、受注第一号の全日本空輸の50機を皮切りに、中国の57機を含め世界各地の航空会社55社、計840機を受注(予約)という最高記録をうちたてているのだそうです。

 
ボーイング「787」 初飛行に成功 延期、解約…夢の旅客機、視界は? (12/17 産経)

 【ニューヨーク=松尾理也】燃費効率を大幅に改善した「夢の旅客機」と世界中の期待を集める米航空大手ボーイングの次世代中型機「787」(通称ドリームライナー)が15日、初試験飛行に成功した。ボーイングはテスト飛行を重ね、来年にも「第1顧客」である全日本空輸への引き渡しを目指す。

 同機は15日午前10時(現地時間)過ぎ、シアトル近郊のボーイング工場に隣接する空港から飛び立った。地上では関係者や報道陣など約2万5千人が見守り、離陸の瞬間、大歓声がわき起こった。

 787は客席200~300席クラスの中型機で、機体の約50%(重量比)に炭素繊維複合材を使用することで大幅な軽量化に成功した。ボーイングでは燃料費の高騰、環境問題の配慮といった課題に対応できる「ゲーム・チェンジャー」(競争のルールそのものを書き換える存在)と自賛している。

 世界各地に部品製造のアウトソーシングを実施。完成した部品を専用運搬機で運んでワシントン州のボーイング工場に集約し、組み立てるシステムをとった。このうち、主翼部分は三菱重工業が担当し、炭素複合材は東レが供給するなど日本企業も重要な役割を果たしている。ボーイングのファンチャー787担当副社長は、「今後のテストを通じて最高の航空機を作り上げたい」などと語った。

 ただ、ボーイングに注がれる視線は厳しい。開発時期の遅れや従業員のストの影響で2007年秋の予定だった初飛行は延期が重なったほか、昨秋のリーマン・ショック後の世界経済の低迷もあり、今年以降の解約も83機に上っている。787が本当の“離陸”を迎えられるのか、関係者はかたずをのんで見守っている。


 世界の最先端技術での目玉は、「炭素繊維」でしょう。
 冒頭で述べた分業・集約=国際共同事業は、機体の70%近くを海外メーカーを含めた約70社(下請けを含めると900社)に開発分担され開発費の分散と、最高技術の結集が実現されています。日本企業の担当比率は合計で35%で、三菱重工業が主翼、川崎重工業が前方胴体・主翼固定後縁・主脚格納庫・中央翼部品、富士重工業が中央翼(総組立て)を担当しているのだそうで、エンジンでも、三菱(名誘)や、IHIが参加しているのだそうです。
 米国との競争に打ち勝って、独占受注した「炭素繊維」は、世界最大のPAN系炭素繊維メーカーである東レの製品が使用されており、1機あたり炭素繊維複合材料で35t以上、炭素繊維で23t以上が使用されるのだそうです。

 第 2生産ラインを米サウスカロライナ州に建設し、2011年 7月にも稼働させ、ワシントン州の第 1生産ラインと合わせて月10機の生産を目指すのだそうです。 ん? 予約の840機を生産するだけでも 7年かかる!

 ハブ空港を利用する航空機運航ネットワークが主流となっている現状の大量輸送形態を、ハブ空港を経由せずに直行便で世界の中堅空港を結べるボーイング787の出現は、世界中の経営悪化に悩む航空各社の救世主となるのか。ハブ空港化で大きく後れを取った日本の国際空港の体制に、新たな運航ビジネスモデルでの巻き返しの機会を得るチャンスとなるのか。採用された日本の先端技術とともに、00年代から01年代に代わる新しい時代に差す光明といえますね。


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by yuji_oga | 2009-12-22 17:50 | 気になる話 | Trackback
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