ニホンウナギの産卵場所発見

 漁業資源の減少が懸念されるもののひとつに、シラスウナギの資源量激減があります。
 中国産が物議を醸すことも絶えませんし、飼育現場の状況の報道を観ると、安全性の懸念はぬぐえません。また一方で、台湾はシラスウナギの輸出禁止を決定していました。
 独立行政法人水産総合研究センター(養殖研究所)では、ウナギの人工ふ化仔魚を世界で初めてシラスウナギまで飼育させることに成功していましたが、実用化には至っていませんでした。
 生態を解明すべく、太平洋でのニホンウナギの産卵場所調査がすすめられ、マリアナ諸島沖に産卵場所を絞り込んでいたのだそうですが、受精卵31個が採取されたのだそうです。
 
史上初、ウナギ天然卵採取 東大など マリアナ諸島沖で 資源保全・養殖技術向上へ (2/2 産経)

 日本列島から南に約2千キロのマリアナ諸島沖で、ニホンウナギの卵を採取したと、東京大と水産総合研究センターの研究チームが1日付の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。人類が初めて目にした天然ウナギの卵だ。世界的に激減しているウナギ資源の保全や養殖技術向上への貢献が期待される。
 東大大気海洋研究所の塚本勝巳教授らは2009(平成21)年5月22日、グアム島の西のマリアナ海嶺(かいれい)南端の海山が並ぶ海域で、ニホンウナギの受精卵31個を採取した。卵は受精から1日半後には孵化(ふか)するので、船上で遺伝子解析を行い、ニホンウナギと確認。直径1・6ミリほどで、受精後約30時間。産卵水深は約200メートルと推定される。
 卵が採取されたのは新月の2日前。ニホンウナギは海山付近で新月のころに産卵するという塚本教授の「海山仮説」と「新月仮説」が完全に証明された。

 また、産卵期の親ウナギも捕獲され、ニホンウナギが複数回産卵を行うことや、オオウナギも同じ海域で産卵していることなどが分かった。
 水産総合研究センターは10年に、ウナギの完全養殖に成功しているが、稚魚(シラスウナギ)に育つ割合が低く実用化の壁になっている。天然ウナギの産卵生態や環境が分かると、最適な餌の開発などに生かせると期待される。

 古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは「ウナギは泥の中から自然発生する」と書き残した。卵を持った親ウナギや、生まれてまもない稚魚が見つからなかったからだ。ウナギの産卵場所は、20世紀初めまで知られていなかった。
 1920年代に、大西洋のバミューダ島の南にあるサルガッソー海がヨーロッパウナギの産卵場所だと分かり、60年代からは太平洋でニホンウナギの産卵場所調査が本格化。2005年には塚本教授らが孵化後2日目の仔魚(しぎょ)(プレレプトセファルス)を採取し、マリアナ諸島沖の産卵場所を絞り込んでいた。
 南の海で生まれた仔魚は、北赤道海流と黒潮に乗って日本や台湾、中国、韓国の近海にたどりつき、シラスウナギに姿を変えて河川を遡上(そじょう)する。塚本教授によると、仔魚が採取される海域が南下する傾向があり、こうした変化がシラスウナギの資源量激減に関与している可能性がある。



 天然ウナギの産卵生態や環境が分かると、最適な餌の開発などに生かせ、実用化が停滞している完全養殖の道が開かれる期待が募ります。

 減少するシラスウナギの安定供給と、さらには、中国や欧州などへの輸出産業化へと希望が膨らみますね。


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by yuji_oga | 2011-02-02 16:35 | 気になる話 | Trackback
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