イトーヨーカドーなどが風評被害の農水畜産物に支援の手を差し伸べた

b0055292_2232667.jpg 風評被害で、安全な野菜や海産物、畜産物の流通が拒否され生産者が窮している報道が盛んにおこなわれています。
 世界に目を転じれば、近隣諸国をはじめ、安全に厳しい欧州など、多くの国々が日本製食品の輸入を禁止したり、規制を強めたりしています。
 外国の場合は、それぞれのお国に主権がありますから、残念ですがしかたない。しかし、国内の日本人同士で助け合わねばならない時に、過剰防衛に走り、困っている人々にさらに鞭打つ行為には、悲しみを感じてしまいます。
 一方では、アンテナショップを訪れて、被害地の産物を買い求め、少しでも応援したいという人々もいます。

 消費者の名のもとに、流通を遮断している流通業者が風評被害を拡幅していると考えていました。大手流通業のバイヤーや市場の仲買といった流通のパイプのバルブを握っている人たちの思惑が大きいのだと。消費者は、応援しよう思っているのにその人たちの思惑でミスマッチが生じているのだと考えていました。

 ところが、イトーヨーカドーが動きました。それも、全国規模です。
 
「大手スーパー各社が被災地野菜のセール実施」:イザ!

 東日本大震災で、大手スーパー各社が5日、被災した東北地方や茨城県の生鮮品を前面に押し出したセール実施などを相次いで発表した。売上金の一部を被災地に寄付にするほか、大手小売りの信用や情報発信力を生かし、過度の風評被害が拡大しないよう、地元農家を側面支援する狙いもある。
 イトーヨーカ堂は6日から5日間、全国の140店舗で「がんばろう東北」フェアを開催する。青森県産の活ホタテ(1枚98円)や茨城県産レタス(1個98円)、岩手県産ヨーグルト(150ミリリットル1個157円)など約60品目を販売する。
 被災地で収穫された生鮮食料品をめぐっては、一部地域のホウレンソウやカキナなどで、国の暫定基準値を超える濃度の放射性物質(放射能)を検出。国が出荷制限を続けているが、「出荷制限の対象外となっている野菜でも、市場で受け取りを拒否される例が出ている」(農林水産省)という。
 イトーヨーカ堂は民間の検査会社に依頼し、独自に放射能濃度を測定、販売するレタスで基準値を下回る“お墨付き”を獲得した。放射能がつきにくいハウス栽培であることを示す農場の写真も掲示する。「正確で丁寧な情報開示をすれば、お客さまは買っていただける」。担当者は自信を示す。
 首都圏で98店舗を展開するサミットも6~10日に「青果市場祭り」を全店で実施する。出荷制限されていない茨城県産のレタス(1個188円)やイチゴ(1パック298円)などの農産物をセール販売する。対象商品は店舗入り口近くの特設ブースに集め、のぼりを立てて「被災地産」をPRする。
 東急ストアは6~10日、96店で「茨城県農家応援セール」と銘打ち、県産レタスや水菜など8~15品目を通常価格の2~5割引で販売する。ダイエーも16、17日に千葉、神奈川県内の2店で、岩手、宮城、福島の生鮮品や特産品を集めた物産展を開催し、売上金の5%を寄付する予定。
 イオンは8日から全国で実施する復興応援セールの一環として、茨城県内の総合スーパー14店で、県産野菜を販売する予定。同社は3月28日から、東北地方の特産品をネットショップで販売している。村井正平専務執行役員は「生産はできても、物流が確保できないという生産者は多い。スーパーの物流インフラを活用できれば」と話している。


 猛暑や寒さでの野菜の高騰が続いていた時も、産地でばらつきがあるのに、値上げの風が吹き荒れました。今度はその逆で、しかも被害地域にさらに追い打ちをかけている悪質なもの。
 正直に言うと、内心では、莫大な権力を持つことで諸兄もご存じのIYのバイヤーなどもその典型ではと勝手に想像していました。ところが、全国140店舗の規模で「がんばろう東北」フェアを開催するというのです。疑ったことを、お詫びせねばなりません。
 私は、鈴木会長の経営戦略にいろいろ教示され、尊敬しているひとりです。この決断と実行には、さすがと改めて感心しました。

 農家では、東京圏の直売所に自前で運ぶことで、輸送コストや時間がかかるが、なんとかつないでいる。消費者も、ネットでその情報を知り集まっているとの報道(NHK ニュースウォッチ9)もありました。
 生産者と消費者が直結できれば、流通業界内の過剰な風評反応とは関係なく、助け合いのつながりが出来るのです。無駄な仲卸を経ず生産者と消費者の経路を近づけるのもスーパーの役目だったはず。

 上記の記事の中に、福島産が出てこないのは気がかりですが、ほかのスーパー各社にも限定された店ながらも広まりつつある様子です。
 イトーヨーカドーも、フェアの期限終了後も継続していただきたいし、ほかのスーパーも規模を拡大していただけることを願っています。
 流通業者も支援だとか、義捐金だとかいうのなら、裾野へのひろがりの影響の大きい流通本来の力で、同じ日本の中のことですから、助け合うという広い視野で考えていただきたいものです。


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by yuji_oga | 2011-04-07 22:12 | 食の安全保障 | Trackback
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