政府はTPP参加を先伸ばしすべきではない

 管政権は、「平成の開国」とぶちあげて前向きの取り組みをするのかとおもいきや、党内外の反発に逢うや、トーンダウンしていたところへ東日本大震災の勃発で、TPP参加問題の先送りを表明しています。
 これに対して、多くのマスコミは沈黙しています。
 未曽有の日本の危機で、大震災(含原発事故)の対応で余力がないどころか、対応も遅れている状況ではやむを得ないということでしょうか。
 はたしてそれでいいのでしょうか?菅政権の能力で大震災対応すら出来ていないのにと時計を止めても、世界中の時計を止めることは出来ません。
 それに、少子化=人口減で需要が減少する国内市場、高齢化が進む農水畜産業の改革による食糧安全保障といった日本の構造の危機対応も先延ばしが続いていて、大きな喫緊の転換が求められていました。議論が分かれてはいますが、TPPは海外市場への進出と国内の農水畜産業の構造改革のきっかけと期待されています。
 ここで、管政権の能力不足(大震災対応もさることながら、それがなくても国内をまとめきる能力に暗雲が見えていた)でTPPの各国の流れからの脱落していいのでしょうか?
 マスコミはもっと取り上げるべきと考えていましたが、読売が社説で取り上げていました。
 
平成の開国 TPP参加で復興に弾みを(5月15日 読売社説)

 自由貿易を拡大し、経済成長を実現することが東日本大震災の復興にも欠かせない。
 政府は、米国や豪州など9か国が交渉中の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を速やかに決断すべきだ。
 政府が近く決定する震災後の経済政策に関する指針は、TPPについて、「交渉参加の判断時期は総合的に検討する」とのあいまいな表現にとどめる見通しだ。
 菅首相は震災前、「平成の開国」を掲げ、6月をメドにTPP参加を判断すると国際的に公約していたが、決断時期を先送りするものと言えよう。
 これでは
日本経済の発展の芽を摘むことにならないか。政府は震災で中断したTPP参加の検討作業を再開し、国内の意見集約を急ぐ必要がある。
 米豪など9か国は、11月ごろの大筋合意を目指し、関税撤廃などのTPP交渉を加速している。
 6月の参加表明がギリギリのタイミングだ。
決断が遅れると交渉に参加できず、将来、日本に不利な貿易や投資のルールを押し付けられることになりかねない。
 政府内には、TPPどころでないとの守りの姿勢がみえるが、震災後もTPPの重要性は変わっていない。少子高齢化の進む日本が成長を続けるには、アジアなどの活力を取り込むことが大事だ。
 日本は貿易自由化に備えながら震災復興も後押しする経済活性化策を打ち出すべきだ。TPPへの参加がその軸になる。
 被災した
東北地方などは農業が盛んな地域である。ここをモデルにした大胆な農業改革を実施してはどうか。
 中核農家に農地を集約して大規模化すれば、生産性が大いに向上する。企業の農業参入を促す規制緩和や、高齢化が進む農業に若者を呼び込む施策も必要だ。
 それを全国規模に拡大し、貿易自由化に耐えられる強い農業に転換させていくべきだろう。
 TPPは、工業品の輸出を伸ばし、国内産業の空洞化を防ぐためにも極めて重要だ。
 産業界は、震災の影響に加えて、円高や電力不足にも直面している。トヨタ自動車の経営幹部は「一企業の努力の限界を超えている」と述べ、国内生産を縮小せざるを得ないとの考えを示唆した。
 日本でのモノ作りが不利にならないよう、TPPを活用して競争力を強化しなければならない。

 震災の復興には、単なる復旧ではなく、次世代の担い手を巻き込んで、高齢化している農水畜産業の改革を盛り込むとは、大筋の世論が認めるところです。復旧・復興には多額の資金が必要なことから、国有化、株式会社化などの資産(=土地)や設備(船など)の大規模化、共有化が必要と言われています。
 工業の復興は、インフラと設備投資と人材の流出防止で可能となりますが、零細な規模の農水畜産業では復旧すらもおぼつかない状況とのとです。
 
産業復興 明暗 製造業 再開前倒しも 漁業 資金の確保難航 (5月15日 読売朝刊)

<前略>
停滞
 「25年使った船だから愛着はあるが……」。宮城県石巻市で沿岸漁業を営んでいた須田政吉さん(57)は、津波で陸上に打ち上げられた持ち船「漁徳丸」の解体を余儀なくされる。
 市内の漁業者らは3月末、「水産復興会議」を設立し、早期の操業再開を誓った。しかし、漁業者にとって再建資金の確保は容易ではない。沿岸部にある加工施設や製氷場も津波で壊滅状態にある。須田さんは「何も進んでいない」とため息をつく。
 岩手県宮古市の重茂漁協は、漁船の修理や漁港のがれき撤去を進め、何とか天然物のワカメ漁を始めるめどをつけた。ただ、主力のワカメ・コンブ養殖事業は、期待している国の支援がいまだに得られず、再開のめどは立っていない。伊藤隆一組合長は「国が支援を急がなければ、来年も収穫が期待できない。仕事がなくなれば若い衆も去っていく」と危機感を募らせる。
 日本一のカツオ漁の基地として知られる宮城県気仙沼市では、6月の操業開始を目指すが、「操業開始直後の水揚げは1日50~100トンと、例年の8分の1以下にとどまる」(県の担当者)見通しだ。
 農林水産省によると、震災による漁業・農業の被害額は12日時点で計1兆4000億円に達した。農林中金総合研究所の南武志・主任研究員は「製造業は機械設備さえあれば復旧を進められるが、漁業では港湾設備が破壊され、漁船も流されている。震災前の状況に戻るには5~10年かかる可能性がある」と指摘する。




 非難を恐れずに言わせていただくと、禍を転じて福となすことが、永い将来に向けた懸案事項の解決の契機と考えて必要でしょう。
 もともと少子高齢化対策として抜本的改革が求められていたのですから、復興構想にTPPの備えとしての農水畜産業改革(期待された輸出日の本ブランドに原発の陰りが付きまといますが)を盛りこんでいけばよいのです。
 議論は始められていたのですから、内容を深めて、特区扱いで新たな日本のモデルを構築され、口で言うほど容易ではない障害(個人の意思など)の壁は高いとは考えますが、立派に復興がなされることを願っています。そして、そのことが日本の未来を拓くことになるのです。


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by yuji_oga | 2011-05-16 00:43 | 人口減少 | Trackback
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