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今年は貿易赤字の月が半分 トータルでは赤字 その時なにがおきるのか

 かつて、貿易黒字額の多さで、貿易立国国家として高い評価を得ていた日本ですが、このところ月次で貿易赤字の報道を頻繁に見聞きするようになりました。そして、財務省の発表で、10月も赤字で、10月としては1979年の現行統計開始以来、過去2番目の赤字幅となったのだそうです。
 財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan
 
 2か月ぶり貿易赤字…円高で輸出減、原油高も : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 財務省が21日発表した10月の貿易統計によると、輸出額から輸入額を引いた貿易収支は2738億円の赤字となり、2か月ぶりに貿易赤字となった。
 10月としては1979年の現行統計開始以来、過去2番目の赤字幅となった。円高と世界経済の減速で輸出額が減った一方、原油高などで輸入額が増えたためだ。
 輸出は特に、財政・金融危機が広がる欧州向けが落ち込んだ。欧州連合(EU)諸国に対する貿易黒字は前年同月比47・1%減の1002億円で、10月として過去最低。全体の輸出額は3・7%減の5兆5128億円で3か月ぶりに減少した。
 輸入額は17・9%増の5兆7866億円で、22か月連続で増えた。原油、液化天然ガス(LNG)の輸入が増えた。原油高に加え、原子力発電に代わる火力発電の燃料としてLNGの需要が増えて輸入額を押し上げた。




 リンク先の記事に、輸出と輸入と差額のグラフがありますので、それぞれの推移が一目で解りますが、震災でサプライチェーンが麻痺し輸出が大きく減った 3,4,5月。その後持ち直したものの円高で低迷する様子。欧州の金融不安で低迷する世界経済の影響で一旦持ち直していたものが減速する 9,10月の様子がみてとれますね。
 一方輸入は、原発停止での火力電力増産に伴うLNGの輸入増を主因として、円高のメリットがあるにもかかわらず、大きく伸びています。円高を利用した買い物も増えている。
 1~10月の貿易収支の累計は、1兆5,897億円の赤字です。

 ギリシャ、イタリアを遙かにしのぐ日本の財政赤字。発行国債の引き受けが国内で賄われていて、その国力の裏打ちの一つの指標に貿易黒字がありましたが、今年の現状では、日本は貿易収支赤字国なのです。そして、原発停止に伴うLNG輸入は増加継続しますから、原発再稼働が見込めない現状では赤字解消の見込みはありません。
 イタリアからスペインへ、更にはフランスへと飛び火するマーケットの攻撃。GDPの200%超の財政赤字をかかえ、さらに貿易収支が赤字転落の日本。国債を国内で引き受ける限界が見えてきたときが、高騰する国債の金利支払い不能に陥り、第二のギリシャ・イタリアになる時です。

 原発の再稼働停止は、CO2発生増加による地球環境汚染増加のほかに、こんな影響もはらんでいるのです。
 女川や、福島第二は、あの大震災と津波を凌いだのです。福島第一だけがこれだけの大災害を生じました。
 その差がなにかは今更申し上げるまでもない人的ミス(安全対策の手抜き)ですね。そのことにより1年足らずで議論の如何にかかわらず、日本の原発を全て停止させ(急先鋒のドイツでも10年かけて停止)、日本の経済=日本の存立を脅かすことになっています。
 大震災と大津波を凌いだ原発の方が多いのです。女川は、近隣住民の避難所にもなりました。
 大震災を凌いだ日本の原発技術ということで、ベトナム、トルコ他の国々は日本からの原発導入を継続交渉しています。
 安全点検がなされたものの再稼働については、急激な停止ではなく長い広い目で見た考察が必要だと考えます。



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  この花の名前は、ツリガネニンジン (撮影場所; 六甲高山植物園)

今日は何の日

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by yuji_oga | 2011-11-21 18:00 | 気になる話
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