WSJが選んだ、2011年の最も優れた発明品ベスト7

 2012年が明けました。2011年に起きた、国内外の歴史的出来事が、重くのしかかり大きな転換機に立つ年となりますが、出口の明かりは見えてきていません。
 それはさておき、新年早々のここでは同じ2011年に話題を集めたものですが、WSJ(Wall Street Journal)が選んだ、2011年の最も優れた発明品ベスト7の話です。
 
WSJが選ぶ2011年の7つの発明 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com


 優れたアイデアを思い付く企業はアップルやフェイスブック、グーグルだけではない。
 最新の「iPhone(アイフォーン)」やフェイスブックのモデルチェンジが新聞の見出しを独占した2011年。しかし、他にも多くの企業がその創造力を見せつけた。ハイテク製品(優秀なコンピューターや自動操縦の飛行機)から、驚くほど単純なモノ(世界で最も厄介な病気を診断できる紙切れ)まで、さまざまな発明品が生まれた。
 アップルの共同創業者で、現代における最高のイノベーターの1人と言われるスティーブ・ジョブズ氏の死を多くの人が悼んだが、創造力と発明はなくなるどころか、この世に満ち溢れている。
 ここでは、2011年の最も優れた発明品のうち7つを紹介する。

IBMのワトソン・コンピューター
 2011年2月、現実がとうとう想像の世界に追い付いた。
IBMのワトソン・コンピューター・システムが米国の人気クイズ番組「ジョパディ(Jeopardy)!」に登場、2人の前チャンピオンを打ち負かしたのだ。ワトソンの勝利は人工知能の歴史に残る偉業だ。SF映画の名作「2001年宇宙の旅」に出てきた架空の人工知能「HAL9000」が思い出される。

 ワトソンは語彙や言語、人間の知識という複雑な領域を理解する目的で作られたが、単に優れた研究開発プロジェクト、というだけではない。医療保険会社ウェルポイントはワトソンを使って、医師向けに治療の選択肢や診断を提案することを計画している。IBMの幹部によると、ワトソンがコールセンターやエンジニアリングなど他分野に応用されれば、3年から5年後に10億ドル規模(約770億円)の事業に成長する可能性があるという。

 ワトソンと同様、アップルのアイフォーン向け音声認証ソフト「シリ」も注目を集めた。シリは、機能は限定されているものの、音声で操作する消費者製品の先駆けとなった。利用者の過去の行動や好みに基づいて、利用者に代わって決定を下す改良版ソフトが発売されるかもしれない。

ノースロップの「X-47B」無人攻撃機
 昨年2月、コウモリ型の翼を持つ無人戦闘機1機がロサンゼルス北部の砂漠地帯の上空で29分間の試験飛行を行い、海軍航空機は新たな時代に入った。X-47Bは、飛行経験が豊富な人間が遠隔から操縦かんで操作するような普通の無人飛行機ではない。X-47Bの
飛行任務を管理するのはコンピューターだ。オペレーターがマウスをクリックするだけで、エンジンがかかり、攻撃機が空に飛び立つ
 X-47Bはノースロップ・グラマンが開発した。機内にある2つの兵器倉には最大4500ポンド(約2トン)の兵器を搭載することができる。X-47Bは
空母の移動甲板から離発着できる初の無人飛行機でもある。
 無人飛行機の技術は過去10年間で大きく前進した。しかし、2011年末には、イランが米国の無人航空機RQ-170を撃墜したと主張し、その限界も明らかになった。X-47Bは敵のレーダーに探知されにくいとされ、2020年までの配備が予定されている。

ライトロの「生きている写真(Living Pictures)」
 画期的な技術の多くは大企業の実験室から生まれるが、写真撮影の世界に大旋風を巻き起こしたのは、シリコンバレーに拠点を置く新興企業ライトロだった。

 ライトロのスチルカメラが
デジタル写真技術における革命的な進歩、と言われるのは、撮影後にピントを合わせることができる「生きている写真」を撮影することができるからだ。写真をウェブブラウザに表示して、ピントを合わせたいところをクリックする。
 ライトロによると、100年前に発明された「ライト・フィールド・カメラ」に最新の技術を導入し、通常のデジタルカメラよりもはるかに多くの情報を記録できるようにした。昨年10月に1台399ドルから499ドルで受注がスタート、受け取りは今年初め以降となる。

レバレッジド・フリーダム・チェア(テコの原理を使った車椅子)
 スロープやエレベーターがないだけでも車椅子で町を動き回ることは難しい。発展途上国の道路は舗装されていないばかりか、石が転がり、泥にまみれている。これでは、車椅子での移動は不可能だ。
 マサチューセッツ工科大学(MIT)モビリティ・ラボで誕生した新型の車椅子は、発展途上国に住む幾多の障害者にとって解決策となるかもしれない。途上国の障害者の多くは田舎に住んでおり、学校や職場に行くにしても、家にいるにしても、2~3マイル(約3~5キロメートル)の坂を上って生活している。
 この「レバレッジド・フリーダム・チェア(テコの原理を使った車椅子)」は発展途上国に豊富に存在し、安く入手できる自転車の部品で作られている。従来のプッシュリム式の車椅子を作るには数千ドルかかるが、レバレッジド・フリーダム・チェアはたった100ドルほどで作ることができる。特別なレバーが装備されているため、起伏の多い地形を進んだり、急な丘を登ることができる。
 この車椅子は既に数年間にわたる試験が行われており、今年の早い時期にインドで生産が開始される。その後、他国での生産も期待される。

経カテーテル人工心臓弁「サピエン」
 目詰まりした動脈の治療にステントが使われるように、エドワーズ・ライフサイエンスが開発した「サピエン」は大動脈弁狭窄(きょうさく)症の治療に用いられる。ステントにもサピエンにも、開胸手術は不要だ。
 サピエンは牛の組織やポリエステルなどでできており、昨年11月2日に米食品医薬品局(FDA)の認可を受けた。同製品は開胸手術を行わずに、大腿動脈か胸部の小さな切開部からカテーテルを挿入して置換する初の人工心臓弁である。
 心臓内科医が担当するステントの利用が増加した結果、心臓外科医が扱う手術が著しく減少、心臓内科と心臓外科という2つの分野の間に溝が生じていた。サピエンはこの2つの分野の協力によって開発され、どちらの分野でも使用することができる。サピエンが広く採用されれば、2つの分野の関係修復にも役立つだろう。

「ダイアグノスティックス・フォー・オール(Diagnostics for All)」
 切手サイズの紙で世界中の悩ましい病気の一部を診断することができるかもしれない。しかも、かかる費用は1セント以下だ。
 「ダイアグノスティックス・フォー・オール」はボストンに拠点を置く非営利団体で、バイオテクノロジー企業の幹部であるウナ・ライアン氏が創設し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が資金を提供している。同団体は、特別処理された紙を使った血液検査の手法を開発した。血液や尿1滴を紙にたらし、問題が見つかれば、数分以内に紙の色が変化する。
 この製品はまず、結核に罹患しているアフリカのエイズ患者の検査に使用される。結核にかかったエイズ患者は非常に強い薬を服用しているため、肝不全で死亡することが多い。ダイアグノスティックス・フォー・オールによると、この検査紙を使えば、血液中の毒性を検出する肝機能検査は0.1セント以下で実施できる。外部の電源や機器は不要。

トライゲート・トランジスタ

 半導体チップが改良され続けなければ、パソコンも多機能携帯電話(スマートフォン)も「iPad(アイパッド)」も誕生しなかっただろう。インテルは3次元構造のトランジスタを開発、イノベーションを前進させようとしている。
 トライゲート・トランジスタはチップ上に構築するトランジスタに「フィン」のような立体的構造を採用し、1959年以来の半導体の設計を根本から変えた。インテルは、1つの町に多くのオフィスを詰め込むために高層建築物を開発した建築家、といえる。
 インテルによると、この3Dの設計は平面型のトランジスタとは一線を画しており、
現在の半導体と比較すると、パフォーマンスは37%、消費電力は50%改善する。電子機器のさらなる進化を後押しすることが期待される。



 どれも2012年以降に明るい未来を開いてくれそうな、期待が持てる発明ですね。
 個人の趣味の見地から言わせていただけるなら、「ライトロの「生きている写真(Living Pictures)」に最も期待します。
 写真の出来映えを決める要素にはいくつかありますが、ピントは死活的なポイントのひとつですね。
 「生きている写真」が撮れて、後でゆっくりピントを自在に調整できるのは、複数のピントポイントで撮影して後で選択している現状に比べると、わくわくしてくる画期的な発明です。庶民が入手できるまでにはどれくらい時間がかかるのか、速く使えるようになることを願います。

 世界の産業革命につながると言っても過言ではないと言えるのは、「ワトソン・コンピューター・システム」ですね。
 人工知能と言えば、1997年に、当時のチェス世界チャンピオンに勝利したIBMのコンピュータ・システムである「ディープ・ブルー」が思い起こされますが、今度はクイズ番組でチャンピオンを負かしたのだそうですね。
 医師向けに治療の選択肢や診断を提案したり、オンラインのヘルプデスクや、コールセンターでの顧客サービスなどに活用でき、3年から5年後に10億ドル規模(約770億円)の事業に成長する可能性があるとのことですが、人工知能の技術と活用は、ちょっぴり怖さが臭いますが、更なる発展と産業への影響をもたらす可能性を感じさせられます。

 その他、高齢化社会に向かい、医療や介護関連が多いのも、時代のニーズに応えるものとして、期待できますね。

 閉塞感に満ちた今年ですが、その闇を打ち破るこうした発明が新規産業を産み出し、明るい未来を切り開いてくれることを願います。


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  マムシグサの実  撮影場所;六甲高山植物園

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by yuji_oga | 2012-01-02 23:43 | 気になる話 | Trackback
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