トルコ原発計画 日本の優先交渉権は消滅

 トルコの原発計画では、日本が優先権を得ていて福島第一の事故後もトルコは日本との交渉継続を表明し日本の姿勢を待っていました。
 日本側の受注チームに東電が入っていて、今後の対応が停滞する間に時間が経過したことと、韓国、中国の巻き返し攻勢が強いことなどもあり、日本の優先権は事実上消滅したのですね。
 原発増設を進めるトルコの側にたてば、原発への取り組み姿勢が曖昧な日本製の原発を、国家のエネルギーを左右する計画に採用するのに躊躇するのは当然ですし、日本側の企業も力が入らないでしょう。




 
トルコ原発計画、10基に拡大も 「有望市場」後手にまわる日本 (8/5 産経)

■トップセールス 中韓攻勢
 トルコの原子力発電所の建設計画をめぐる国際的な受注競争が激化している。国内に原発メーカー3社を誇る技術力を武器に日本は交渉をリードしてきた。しかし、東京電力福島第1原発事故後の間隙を突き、中韓などが国を挙げたトップセールスを展開。1基5千億円ともいわれる巨大ビジネスを取り逃す恐れも出ている。

◆武器は技術力
 欧州とアジアをつなぐ玄関口として知られるイスタンブール。トプカプ宮殿など歴史的建造物が集まる「旧市街」から、釣り人が並ぶガラタ橋で金角湾を渡って「新市街」に入ると沿道に金融機関が立ち並ぶ。多くの日本企業も進出し、2011年には8%台の成長を実現したトルコ最大の経済都市としての姿を映し出している。

 7月中旬、九州ニュービジネス協議会がトルコを視察。大成建設が参画するボスポラス海峡横断鉄道トンネルの建設現場などを訪問した。同協議会の松尾新吾会長(九州電力相談役)は「経済発展に伴って鉄道や電力、道路などインフラ整備の需要が高まれば、日本企業が協力できる余地は大きい」と語った。
 インフラ整備のなかで、日本が特に期待を寄せるのが原発だ。トルコ政府は20年までの電力需要の伸びを年率最大7・5%と予想しており、原発の有望市場の一つ。海外の原発プラントメーカーは米ゼネラル・エレクトリック(GE)や仏アレバ、韓国などの公営企業に限られ、「東芝、日立製作所、三菱重工業という民間メーカーが3社もあるのは、それだけ日本の技術力がある」(日本原子力産業協会)。
 その技術力を武器に、日本政府はイスタンブールから約500キロ離れたシノップの原発建設計画に東芝、東電と官民一体で受注活動を展開してきた。同じ地震国としての技術力をアピールし、10年末に優先交渉権を獲得し、受注への期待は一気に膨らんだ。

◆混乱の間隙突く
 だが、
原発事故後の日本の混乱が、中韓の巻き返しを許した。韓国は10年11月、トルコ側と条件面で折り合わず交渉を辞退。日本にリードを許していたが、今年2月には韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領がトルコを訪問。エルドアン首相との直接会談で交渉再開を決め、日本の優先交渉権が事実上消滅した。
 韓国は09年にアラブ首長国連邦(UAE)の原発受注競争で、異例の60年間の運転保証を提示して受注を獲得した実績があるだけに、経済産業省幹部は「価格面などで最大のライバル」と警戒心をあらわにする。さらに、4月には中国の温家宝首相が、エルドアン首相と原子力協定に調印し、シノップ原発受注競争に正式に参戦。トルコ政府はカナダとも交渉を始めている。
 これに対し、
日本は原発事故の影響が重くのしかかる。昨年8月、当時の菅政権は「これまで進められてきた各国との原子力協力は、培ってきた国家間の信頼を損なうことのないよう進める」と表明。政府は3月にトルコとの原子力協定で実質合意したものの、調印はいまだ実現していない
 野田政権は「脱原発依存」の姿勢を徐々に強めつつあり、メーカー側からは「まず政府が枠組みを決めてもらわないと」と不満が漏れる。トルコ政府は今秋にも受注相手国を決定する見通しだが、受注先に巨額の資金調達を求めるなど一筋縄ではいかない交渉相手だけに、官民を挙げた取り組みが不可欠だ。


 記事で書かれている通り、日本の原発技術は世界のトップレベルとされています。
 東電・福島第一の事故は、現時点では国会事故調が示した通り、人災が原因との見方が大勢です。現に、女川は被災者の避難所の役割を果たしたのですから。東北電力の女川を見習えば、教訓になるとPRすることが出来るとは、間違っているでしょうか。
 更に、事故の経験を素直に解析し、対策を構築すれば、世界に役立つ技術の貢献が出来ることになります。
 主要国では、10年後をめどに原発を廃止するとしたドイツ(多国から購入のバッファがある)と、イタリア、スイス以外の国々は、中断していた米国を含め原発増設で進んでいます。
 原発事故で故郷や職を失い、避難生活を余儀なくされ、人生設計が狂わされ、いまだに先が見えない生活を、何の罪もないのにある日突然強いられた多くの方々を産んでしまいました。
 そのようなことが、日本国内はもとより、世界中で維持や推進されている原発への技術貢献は、事故で地球を汚した日本の努めでしょう。

 「一筋縄ではいかない交渉相手」とは、国の基幹エネルギーを託すのですから、国益を追求するのは当然のことです。
 「エルトゥールル号」遭難での串本の町の方々への恩を今でも忘れていないで、テヘランで日本が救出出来ず取り残されそうになった日本人を救出していただいたトルコ航空。両国の震災へのそれぞれへの支援。両国の絆は歴史の中で脈々と受け継がれ、深まっています。
 トルコに限らず、ベトナム等、日本の原発への期待は、日本の技術なら事故を経て安全性対策が増すと続いています。
 
 地球レベルでの原発の安全のために、日本に蓄積されている技術を活かし貢献すべきでしょう。


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  この花の名前は、勿忘草


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by yuji_oga | 2012-08-06 00:35 | 気になる話 | Trackback
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