国産ジェット旅客機 「MRJ」 実物大客室模型を初めて展示

 国産ジェット旅客機 「MRJ」で久々の進展の話題です。
 JALのコスト削減再生策のひとつに、ジャンボ機は売却し、運行機種を乗客数に併せて変更選定する新運行方式が紹介されていました。格安航空会社(LCC)の普及もあり、航空機の低燃費化は時代のニーズとして注目されています。
 それに応えて話題を呼んだのが、日本の技術の炭素繊維をふんだんに使用し、軽量化による燃費性能を向上させた、ボーイング787の就航でした。
 これと並んで注目されていたのが、国産ジェット旅客機 「MRJ」でした。リージョナルジェット機では、炭素繊維を使用した主翼での軽量化がコスト削減に繋がらないとのことで素材変更され、開発が遅れていましたが、名古屋で開催された「国際航空宇宙展」に実物大の客室模型が初めて展示されたのだそうです。






 三菱航空機,新型ジェット機「MRJ」の胴体寸法や主翼素材を変更へ---席数増やした「ストレッチ型」の構想も発表 - 機械・産業機器 - Tech-On!

 
国産の翼 MRJ 燃費に商機 2割省エネ「1機1億円節約」 (10/10 読売朝刊)

 「YS111」以来半世紀ぶりとなる国産旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の売り込みが本格化してきた。2013年の初飛行に向け、名古屋市で9日開幕したアジア最大規模の「国際航空宇宙展」に実物大の客室模型が初めて展示された。航空機の需要増が見込める中、「日の丸旅客機」復活に産業界の期待が集まっている。(経済部 山岸肇、小野田潤)

 MRJは三菱重工業の子会社で2008年に設立された三菱航空機(名古屋市)が開発を進める70~90席のリージョナルジェット機だ。
 三菱航空機には、トヨタ自動車など民間10社が1000億円を出資。三菱重工が胴体など機体の大半を製造し、尾翼の炭素繊維複合材は東レ、車輪を支える脚部は住友精密工業などが担う。油圧制御系、金属加工、座席も日本企業が受け持つ。

■快適な客室
 展示会場には、MRJの実物大の客室模型が初めて披露された。直径3メートル弱で、座席や荷物入れ、窓も実機と同じだ。三菱航空機の営業マンがパンフレットを配る一方で、江川豪雄社長は、海外の来賓を笑顔で迎え入れ、「
窮屈というイメージが根強いリージョナルジェットにも、快適さが必要」と英語で説明した。
 座席に腰を下ろした航空会社幹部は「小型機とは思えないほどゆったりしている」と足を伸ばした。
 座席の背もたれや座面は、通常の飛行機の座席よりも薄く、クッションにウレタンなどを使う代わりに、
日本の織物技術を応用してハンモック状のネットで乗客の体重を支える構造にした。中型旅客機より胴体の直径が小さいものの、「圧迫感」はほとんどない。

■アルミ製
 MRJの
最大の特徴は、優れた燃費性能だ。機体のほとんどはアルミニウム製で、約1割は炭素繊維複合材を使った。低燃費エンジンを採用、燃費性能は競合機より約2割以上優れる
 年間の燃料コストは航空機の運航費の4割以上を占める。格安航空会社(LCC)が路線を拡大する中、燃料費の削減は航空会社の共通課題となっている。
 約1時間のフライトを1日あたり3往復し、これを1年間繰り返すと、「競合機と比べ年間の燃料費を1億円抑えられる。100機で毎年100億円節約できる」(江川社長)として、高い経済性を世界の航空会社にアピールする。

■「2強」に挑戦
 日本航空機開発協会の調べによると、リージョナルジェツト機市場の占有率(8月末時点、納入機数べース)は、カナダ・ボンバルディアの「CRJ」が64%、ブラジル・エンブラエルの「Eジェット」が35%で、2強が独占している。
 ボンバルディアのアンディ・ソレム北アジア営業副社長は「我々には世界中の空を飛んでいる豊富な実績がある」と自信満々だ。
 実績のないMRJは、現段階では「ペーパープレーン(書面の飛行機)」でしかない。MRJの採算ラインは400機とされるが、現在の受注は230機にとどまっている。「設計通りの性能が得られるか見極めたい」と、様子見を決め込む航空会社も多い。
 新たにMRJを導入して機種が増えると整備・点検に手間がかかり、コスト増につながりやすいことも新規参入組には逆風となる。
 
主翼を炭素繊維複合材からアルミに変更したことで、すでに納期を2度遅らせている。三菱重工の大宮英明社長は「生みの苦しみ」と表現するが、発売時期でロシアの競合機に先を越されるなど苦戦が続いている。

国際航空宇宙展 300兆円「第3の成長分野」

 すそ野の広い航空機産業は、自動車、電機に続く成長分野として期待される。1966年に始まった国際航空宇宙展は、近年は4年に1回のペースで国内で開催されており、今回は航空機関連の中小企業約180社が参加。国内外のメーカーとの商談会が5000回以上開かれる予定だ。
 中堅部品メーカーの東明工業(愛知県知多市)は、ブースを訪れる欧州の航空機メーカーに対し、「炭素繊維複合材を使った部品を安く作る技術があります」などと、アピールした。
 東明工業は、ボーイング787の主翼組み立てを三菱重工から請け負っている。今後は自ら部品の製作に乗り出したい考えだ。二ノ宮醗社長は「日本の市場は限られている。海外からの受注を目指す」と話す。
 世界では新興国を中心に航空機の需要が拡大し、
今後20年間で約3万1000機、約300兆円の新規需要が生まれるとの予測もある。日本の航空宇宙産業の2010年の売上高は約1.3兆円で米国の12分の1程度しかない。世界市場を直接取り込むことが成長のかぎを握っている。
 経済産業省は、
航空宇宙産業育成は「自動車に次ぐ産業創造につながる」とみている。大型旅客機の部品点数は自動車の100倍の約300万点とされ、大きな波及効果が期待できる。だが、低コストを売り物にする韓国など新興国との価格競争の激化も始まっている。(経済部 小嶋伸幸)


 ボンバルディアは実績をセールスポイントに掲げている様ですが、事故が連発して危険な機種の声があがったのは、多くの人々の記憶に残っていることです。
 ボンバルディア機専用 トラブルニュース記事まとめ

 炭素繊維を多用したボーイング787の就航で、炭素繊維素材への信頼は高まったのですが、アルミ素材に変更した、初の国産ジェット旅客機。YS-11の信頼はありましたが、初のジェット旅客機ですから、安全第一の航空各社が様子見で躊躇するのは無理もないところです。
 しかし、繰り返しになりますが、低燃費のリージョナルジェツト機のニーズは時代が求めているもので、実績がないことの躊躇を解くことが出来れば、2割以上も削減できる機能は魅力で、大幅受注が見込めます。
 市場が大きい中国へは、昨今の情勢では売り込みは難しいでしょうが、販売が増える事を期待します。
 また、新成長産業として、ロケット打ち上げ同様、政府と一体となった海外市場開拓が求められますね。久しぶりの明るい話題。成就することを願っています。



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  この花の名前は、クロユリ  撮影場所; 六甲高山植物園


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by yuji_oga | 2012-10-15 00:54 | 気になる話 | Trackback
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