衆議院選 農業改革議論を深めよ

 衆議院選を後1週間に控え、テレビのワイドショー(自称報道番組と言っている)で盛んに各党の討論や、政策比較の放送がなされています。
 ところが、党数が多すぎて時間が足りない事情は理解しますが、テーマを「脱原発」「増税」「TPP」に絞って〇×で回答を求めて議論しようとすることで、メディアが政策争点を絞り込み、多くの山積する重要課題に対する各政党の姿勢を知る視聴者の権利を制限している結果を招いています。新聞でも傾向は同じです。
 国防のの安全保障、食糧安全保障、エネルギー安全保障、社会の安心保障(医療、年金、子育て)といった、国家を運営する国会&政府の基幹の政策を、各党がどう考えるかは、「脱原発」「増税」「TPP」に絞っては危険です。
 更に、多くの世論調査で、国民の関心は、経済政策が一番て゜次が社会保障(老後、子育て、雇用、医療)です。
 メディアは、自分たちで政策争点を勝手にコントロールするのではなく、国の先行きを託す政党や政治家の重点主張は何かを、候補者側にも、選ぶ国民にも選択肢が広く ( 広く政策を持たない党には国政を託せない ) なる様工夫していただきたい。民主党を政権交代の風をふかせ、国民を惑わせて政権の座に就かせたメディアの責任は大きかった反省がなされず、今回も政策を絞り込み、穴倉に国の方向をおしこめようとしています。
 
 前置きが長くなりました。ここでは、食糧の安全保障に関連して、農業(含 林水畜産業)改革について触れます。





  TPPのついでに農業改革の話が取り上げられますが、逆です。というか、元々、TPPとは関係なく高齢化で後継者難のこの産業の改革は、日本の財政危機以上と言っても過言ではないくらい危機に直面していることは、いまさら申し上げるまでもないことですね。
 農業改革が打ち出されれば、TPPでも、FTA、EPAでも、きちんと交渉に臨めます。
 その、農業改革論が、今の小選挙区制度では過去の実績が示す様に、1人区の勝敗が大勢を決してしまうことから、どの党も腰が引けたり、党内分列を起したりしています。
 質問が、TPPをキーにして聞くからそうなると言っていいでしょう。食糧安全保障の大枠の中から、農業改革政策を聞き、その時TPP交渉参加にも触れない党があれば聞くという、大局観を示させることが大切です。
 そうして、基本政策の農業改革に政策議論の高まりを導くのが、メディアの役割でしょう。TPPを争点にしたい政党、脱原発を争点にしたい政党、反増税を争点にしたい政党の為に(それにその中には、その政党として国会議員にえらばれたのではない人達の党が少なくない)番組や記事を造っているとは考えたくありませんが。
 
農業政策 バラマキいつまで続けるのか : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 貿易自由化をにらんで農業の体質強化は待ったなしである。
 ところが、衆院選の政権公約では、「農村票」を目当てにしたばらまき路線が目立つ。強い日本農業を実現する政策こそを競うべきだ。
 
農業政策の焦点は、戸別所得補償制度の見直しである。
 民主党が2009年衆院選の政権公約に掲げ、10年度から導入した。コメ農家などに補助金を一律に支払う仕組みだ。
民主党は今回、所得補償を法律に基づく制度に格上げすると公約している。
 所得補償制度の11年度の予算規模は5400億円に膨らみ、
農業予算の4分の1を占める
 巨費を投じたにもかかわらず、規模拡大や経営改善につながったとは言い難い。
 それどころか、
生産性の低い零細農家が補助金目当てに農業を続ける現状を招く結果となった。費用対効果が極めて乏しい政策は見直さなくてはならない
 
自民党の公約にも問題が多い。所得補償制度は全面的に見直すというが、農地の維持を条件に、コメだけでなく果樹や野菜、畜産農家にまで対象を広げ、補助金を支給する新法を制定する方針だ。
 
所得補償の拡大以外の何物でもない。農地を持っていれば補助金がもらえる政策が、果たして生産性向上につながるだろうか。
 
意欲的な専業農家に支援を集中してこそ、農業が産業として自立でき、税負担する消費者の理解も得られよう。
 自民党は、民主党政権が大幅に削減した土地改良事業費を復活させる方針も掲げた。これでは二重のばらまきだ。公約で示した
「競争力のある攻めの農業」など到底、実現できまい
 収益が上がらないから、後継者が減り、高齢化が進む――。悪循環を断ち切るには、農業再生への将来展望を示す必要がある。
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加へ、国際競争力を高めねばならない。1戸当たり平均2ヘクタールの水田面積を5年間で10倍超にする政府目標も掛け声倒れだ。
 
生産・加工・販売を一体化した体制の整備、生産意欲をそぐ減反の段階的廃止若者や異業種参入組の積極的育成など、進むべき方向は明らかだろう。
 TPP反対を応援条件に
候補者に踏み絵を迫るJAグループも、「水田」を「票田」としか見ない政治家と同様、農業の自立を自ら妨げている
 補助金漬け農政からの脱却が、農業再生への第一歩だ。


 民主党は、ハワイでのAPEC前夜に交渉参加の是非で大騒ぎし、以降は党内融和優先で放置しておきながら、今回の選挙で自民党との対比政争の具にしようと、唐突にTPPを持ち出しました。食糧安全保障などと言った大局の諸策の一環とはとても思えない、日常の無為無策で放置しならの取り上げ方です。TPP交渉参加を支援するYUU2でもあきれて開いた口がふさがりません。
 やる気のある専業農家が、飛び地もありながら駆り集めた農地が、兼業農家や零細 or 高齢化規模農家に戻されてしまう、時代を逆行させたうそつき民主党マニフェストの柱悪政策ですが、今度は法制化を掲げているのだそうですね。

 口先だけで、何も決めず、何も実行できない民主党。たつ鳥跡を濁さず。静かに退場してください。
 自民党は、せっかく「経済成長」を掲げても、民主党に輪をかけたような、効果の無いばら撒き政策ではなく、食糧安全保障の見地から、堂々と農業改革政策を公表していただきたいものです。
 読売・社説が言うように、「生産・加工・販売を一体化した体制の整備、生産意欲をそぐ減反の段階的廃止、若者や異業種参入組の積極的育成など、進むべき方向は明らか」なのですから。



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  この花の名前は、アサザ

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by yuji_oga | 2012-12-09 21:04 | 食の安全保障 | Trackback
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