チャイナプラスワン 期待のタイは親日か親中か

 習近平新政権の誕生で増すチャイナリスク。
 チャイナプラスワン or 脱中国に動き出した日本が期待するアジア市場。その中で注目される国は安倍首相が就任後初の海外訪問をしたベトナム、タイ、インドネシア、岸田外相が訪問したフィリピン他、麻生氏が訪問したミヤンマーやその他いくつかありますが、既に実績もあるタイは注目が必要です。






 対タイ直接投資、昨年は過去最高 日本企業がけん引 :日本経済新聞
 
アジアの「へそ」タイ 中国の反日で高まる価値  :日本経済新聞

 東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済が好調だ。ASEAN全体の昨年の成長率は5.2%と2011年の4.6%を上回った。タイ、ベトナム、インドネシアなど主要5カ国だけでみれば5.6%に達している。中国の昨年の成長率は7.8%で依然としてASEANを上回っているが、差はじりじりと狭まっている。何より中国の成長率は減速が続いており、中長期のトレンドを捉えれば「昇るASEAN、落ちる中国」という傾向が鮮明になりつつある。
 
 
勢いを増すASEANを先頭でけん引しているのはタイである。国内総生産(GDP)の規模ではインドネシアがASEANの40%を占め、圧倒的な存在感を示す。1人当たりGDPでは5万ドルを超えるシンガポールが先頭に立つ。だが、インドネシアは人口がタイの3.5倍もあり、シンガポールは人口500万人強の国にすぎず、他のASEAN諸国のモデルにはなりにくい。自動車、電機・電子、食品など輸出産業が高成長を続け、内需も好調。政治や社会など国内も安定してきたタイは今や「ASEANの心臓」になった。タイの成長がASEAN経済に成長のリズムや勢いを与え、各国の産業に必要な部品、素材、技術を供給する役割を果たしていくからだ。
<中略>

■中国の反日で価値高まる
 一方、昨年秋、中国で起きた「反日暴動」で日本企業は中国での事業リスクを痛切に感じた。
中国の指導部が国民の不満解消のカードとして反日を持ち続ける限り、日本企業は中国でいつでも反日にさらされる恐れがある。それが逆に「微笑みの国」タイの価値を高めた。タイでも賃上げなどを求める従業員のストライキは起きるが、日本企業を狙ったデモ、焼き討ち、不買運動が起きる可能性は低い。中国では多くの日本人は「生き馬の目を抜く」という言葉を思い出させられるが、タイではそこまでの緊張感や警戒心は不要だ。進出した製造業でいえば、中国はとにかく技術やモノを盗まれないように、従業員が辞めないように様々な工夫を日夜、繰り出さなければならない。だが、タイでは日本企業の技術や意匠を勝手に使った模倣品メーカーはわずかしか現れていない。日本企業が改めてタイに注目している大きな理由はそうした国民性からくる雰囲気と事業環境にあるだろう。

 もちろんタイはいいことずくめではない。この数年でみればタクシン元首相派と反タクシン派の激しい争いはバンコク中心部で内戦のような事態にまで発展した。一昨年の大洪水ではホンダはじめ多くの日本企業の工場が被害にあった。生産インフラや内需の規模でみれば今も中国がはるかに上だろう。だが、ASEANは域内の個人消費の膨張、インド、バングラデシュなど南アジアの成長の追い風をこれから本格的に受けるのは間違いない。共産党一党独裁の体制リスクが次第に目立ち始めた中国と違って、ASEANの大半の国は開発独裁の時期を終え、選挙で選ばれた政権が国を治めている。
日本企業のアジア展開は「中国の季節」から新たなステージに移行する時期を迎えており、タイは日本企業にとって次のアジア展開のベースキャンプになりつつある


 安倍首相も力を入れて、新幹線の売り込みをしました。
 首相、新幹線売り込み 日タイ首脳会談で :日本経済新聞

 一方中国は、中国とASEAN諸国が共同で中国・タイ・ラオス・ミャンマー・シンガポール・マレーシアを結ぶ鉄道を建設する計画を進めていて、タイは既にこの計画実現に向け積極的に動いています。
 中国とタイ・ラオスを結ぶ高速鉄道が来年着工へ

 そして、バンコクとチェンマイの間の工事の第一期分の入札が、9月に行われる見込みですが、工期の短さ、価格の安さなどからも中国が優勢だと、ジュラー運輸交通政策企画事務局長が語っています。
 タイの高速鉄道バンコク―ピッサヌローク、9月に入札か
 
 安倍首相も承知の上でプッシュしたのでしょうが、記事にも書かれていますが、タイの現政権は中国政府と関係が近いとされています。
 タイは海で中国との領有争いがなく、中国の札束攻勢外交には応じているのですね。
 ただ、一方では、TPP交渉参加も表明しています。

 「タイは親日か親中か」という狭小なタイトルをつけました。これは、メディア、特にテレビで橋下流にいえばバカコメンテータやMCが直ぐ口にする表現を引用したのです。
 ASEANの国々で、中国の覇権拡大に対し、日米安保を持つ日本に対抗勢力としての期待を持つ国が少なくありません。だからと言って、脱中国を進める日本に、アジアの国々も味方して中国と対抗するといった甘く単純で身勝手な発想は禁物です。
 どの国も立派な独立国です。それぞれの国が、自国の国益を基準に動きます。特に同盟関係など深いつながりがあれば別ですが、日本と同盟を結んでいる国はありません。
 日本の覇権拡大が強まった時期には反発したし、中国の覇権拡大が強まっている今回は、その牽制役を求めているのですね。

 タイに限らずどの国も、中国と日本の両方と交流し自国の国益を高める行動と決断をしているだけです。
 日本は、日本流の相互の利益をもたらす中長期の戦略で中国と競い合う覚悟と知恵があればよいのであって、相手国がどちらの見方かを気にすることはなく、戦略と知恵を磨けばよいのですね。
 つまらない念仏のおちになりましたが、タイや他の国々にたいして、楽観的に取り組むのではなく、互恵の知恵と戦略を練って、中国との競争に打ち勝てるよう、官民一体となって取り組むことを期待します。



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この花の名前は、福寿草


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by yuji_oga | 2013-02-18 00:46 | 気になる話 | Trackback
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