小売店の販売価格決定権をメーカーに

 小売店の販売価格について、価格競争を促すため、1991年に独占禁止法の運用指針で、小売店に対して優位な立場にあったメーカーが販売価格を指定することを禁止されていました。
 脱デフレを唱える安倍政権下の今日、メーカーと小売店の力関係が大きく変わったとし、メーカーが小売店に販売価格を指定できるように、経産省が提案報告書をまとめたのだそうです。




 
メーカーに価格決定権 経産省報告公取検討へ 小売店安価競争回避 (6/20 読売朝刊)

 経済産業省は19日、メーカーが小売店に販売価格を指定できるように、独占禁止法の運用指針を改正することを提案した報告書をまとめた。メーカーに価格を決める権利を与えることで、小売店の価格競争による収益の悪化を避ける狙いだ。経産省は公正取引委員会に報告書を提出し、同委で現在の指針を見直すかどうかを検討する。
 
現在の指針は1991年に施行された。価格競争を促すため小売店に対して優位な立場にあったメーカーが販売価格を指定することを禁止した。一方、米国ではメーカーによる価格指定は原則として認められており、欧州でも新製品などの販売価格は指定できる。
 経産省は報告書で、家電量販店や大規模小売店の成長に伴って、日本でもメーカーと小売店の力関係が大きく変わったと指摘。
メーカーが価格を決められないことが、収益力や商品開発力を損ねていると報告した。その上で、欧米並みの規制緩和に踏み切り、メーカーと小売り側が協議のうえ価格を決めることも認めるべきだと提言した。報告書は、有識者や電機メーカー幹部らで構成する懇談会での議論を基に経産省がまとめた。

 メーカーが価格を決められないことが、収益力や商品開発力を損ねているということが原因だそうです。
 日本の流通形態は、問屋経由と言う形態と大型のスーパーなどの流通業者経由が主流です。
 農産物や海産物は専門業者が市場のセリで価格が決定されますが、これも、専門業者の思惑で決められ、生産者や消費者の意思とは異なります。たとえば、物流や販売に適した大きさが要求され、規格外製品は流通ルートにのりません。さきの震災では、専門業者が風評を気にして産地で大幅に価格を下げたり取り扱いをしなかったりしました。
 大型スーパーでは、バイヤーが巨大な力を有しており、安値競争販売の為にメーカーに対する値下げを強要します。

 昔、小売業者がメーカー希望価格を下回って売り出しをすると、メーカーの社員が並んで買い占めて安値販売品の回収をして価格を維持させる攻防をしていたのを想い起します。

 消費税アップに際して、上げ幅の負担を小売業者が抑えて納入業者にしわ寄せをするのを防ごうと、政府が介入しました。気持ちはよく理解出来ますし、納入業者が泣かされてきた実績もあります。が、結局は名ばかりの形骸化したものになっています。
 自由経済の中で、政府がその取引実態にどれだけ関与できるかは、おのずと限界があります。
 しかし、過度な力をもった支配者が登場した場合に大局観を持った全体最適を見渡した一定の規制をし、歪んだ市場形勢がなされるのを防ぐことは、政治の役目だろうと思います。

 メーカーを規制し、小売りを有利にした独占禁止法の運用指針は、その時代には必要な規制だったのでしょうが、今日見直しされ利益の偏重の是正を計ろうとするのは支持します。
 どんな形でどこまで実現するのか。流通業界の変転の節目になるのか。成り行きが注目されます。



b0055292_0131665.jpg

  この花の名前は、アシズリノジギク

今日は何の日

↓よろしかったら、お願いします。





Fotolia

[PR]
by yuji_oga | 2013-06-21 00:21 | 雑その他 | Trackback
トラックバックURL : http://yujioga.exblog.jp/tb/20620376
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 頑張れ 国産パソコン 日本のテレビ番組を、アジアで毎日放送 >>