ウナギ完全養殖技術 政府が20年に実用化目標

 ニホンウナギが品薄・高騰で高嶺の花となってしまっていますね。そして、消費者だけでなく、販売する方も原価高の品薄で廃業が進んでいるとか。
 そこで対策に知恵が絞られているそうですが、二つの対策があげられています。
 ひとつは、抜本的対策で、完全養殖。もう一つが、ニホンウナギではなく、資源の余裕がある「ビカーラ」というフィリピンやインドネシアで取れる代替え品の輸入。
 完全養殖は、独立行政法人・水産総合研究センターが、研究開始からおよそ40年を経た平成14年、世界で初めてシラスウナギの人工生産に成功し、平成22年に 完全養殖を達成していたのだそうですね。
 そして、政府は6月にまとめた「科学技術イノベーション総合戦略」で、この技術を20年をめどに実用化する目標を掲げたのだそうです。



 農林水産省/特集1�養殖技術開発の最前線(5)

 
ウナギ養殖 新技術に活路 稚魚不足で価格高騰 卵から完全育成・外来種輸入 (7/15 読売・朝刊)

 ウナギの価格高騰が続く中、国内消費のほぼ全量を占めるウナギ養殖で新たな取り組みが進んでいる。天然の稚魚に頼らない養殖技術の開発に加え、これまで日本にはなじみのなかった東南アジア産の稚魚を輸入する動きも出てきた。ただ、需要を満たすだけの十分な量を確保するには時間がかかり、当面は価格高騰に歯止めをかけるのは難しそうだ。 (経済部 岩崎拓、池田晋一)

■量産化
 ウナギの量産化に向けた取り組みが、独立行政法人・水産総合研究センター(本部・横浜市)の三重県南伊勢町にある研究所で進められている。卵から成魚まで育てた上で産卵・孵化させ、稚魚を養殖場の中で作り出す
「完全養殖」だ。通常の養殖は天然の稚魚から育てるが、完全養殖ならば、安定的な量を生産することができる。
 同センターは2010年、ウナギの完全養殖に初めて成功し、
16年度には年間1万匹程度の稚魚を生産できる飼育方法の開発を目指している。政府は6月にまとめた「科学技術イノベーション総合戦略」で、この技術を20年をめどに実用化する目標を掲げた。
 ウナギは生態に不明な点が多く、卵から育てるのは難しいとされていた。このため、同センターでは、水が汚れない特別なエサを開発するなどの工夫を重ねている。同センターは「稚魚の安定供給という業界の要望に応えたい」としている。

■代替品
 国産や中国産を含めて、日本で主に食べられている「ニホンウナギ」の代替として、
フィリピンやインドネシアで取れる「ビカーラ」と呼ばれるウナギを輸入する業者も出てきた。ビカーラは、ニホンウナギに比べて資源に比較的余裕があり、稚魚の価格は10分の1程度。かば焼きにすれば、ニホンウナギと味の違いはほとんどないという。
 鹿児島県鹿屋市でウナギを養殖している松延一彦さん(68)は最近、
マレーシアの州政府から、同国産ビカーラの共同養殖の打診を受けた。今年はニホンウナギの稚魚を一匹も仕入れることができなかったため、「来年はビカーラの養殖に挑戦する」と話す。

■多難
 ただ、完全養殖や外来種輸入の取り組みは緒に就いたばかりで、ウナギ養殖の現場は厳しい状況が続いている。養殖ウナギ生産量で全国トップの鹿児島県が、県内の業者に聞き取り調査をしたところ、調査対象の46業者のうち9業者が稚魚を仕入れられなかった。
 ウナギの稚魚はピーク時の1960年代には200トン超も取れたが、今年は5トン程度にとどまり、中国や台湾などからの輸入分を加えても12.6トンしか確保できなかった。乱獲や河川開発、気候変動などの影響とみられている。09年に1キロ・グラムあたり38万円だった稚魚の価格が、今年は一時、300万円を超えた。
 環境省は今年2月、ニホンウナギを、ライチョウなどと同じ絶滅危惧1B類(近い将来に絶滅する危険性が高い種)に指定した。数年内にニホンウナギの国際取引が規制され、稚魚を輸入できなくなる可能性もあり、そうなればさらなる価格高騰も懸念される。



 ニホンウナギの絶滅危惧については、諸兄がご承知の様に、国際自然保護連合(IUCN)が今月 1日~5日の間レッドリストに載せるかどうかを検討する専門家会合を開きました。
 ウナギ絶滅の恐れ議論 IUCN、秋にも結果公表 :日本経済新聞

 「評価が確定するまで公表しない」として結論は秋まで持ち越されましたが、IUCNのレッドリストに「絶滅危惧種」として掲載されても法的な拘束力はないが、絶滅のおそれがある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約で規制の対象にするかどうか決める(次回は2016年開催)ための重要な参考資料になるのだそうで、大きな影響力があるのだそうです。

 水産庁が管轄なのでしょうか、独立行政法人水産総合研究センターでの量産化へ向けての取組が、できれば国際的に絶滅危惧種とされるまでに成功することを願います。
 でも、「完全養殖」がすでに研究段階で成功していたという話を聞いて、少し安堵するとともに、日本の技術はすごいなぁと改めて感心しました。シラスウナギの人工生産までに40年。「完全養殖」まで更に 8年。研究者の方々が世代をまたがって続けてこられた成果です。

 「ビカーラ」はかば焼きにすると味はニホンウナギと差がないとのこと。
 国際取引が制限されると、中国、台湾の業者さんは困ることになりますが、新たに東南アジアの国々との投資や取引が拡大します。即効性はありそうですから、こちらも期待できそうです。
 
 暑い夏はウナギが食べたくなるのは、歳のせいなのか、高嶺の花と騒がれるせいか。今夏が猛暑のせいか。いずれにしても、もう一度、お手頃価格でうなぎが食べられる時代が戻ってくることを願います。



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  春を待つモチツツジ

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by yuji_oga | 2013-07-15 20:59 | 気になる話 | Trackback
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