スバルが独自のニッチ市場戦略で好調

 アベノミクスの円安で輸出企業が好調で、その象徴としてスバルがよく取り上げられています。
 ラリーで好成績を収め、海外で人気が高い「インプレッサ」が、国内で盗難に遭うことがマスコミで取り上げられていましたが、国内生産が多く円安の恩恵を受けて為替変動での利益が出たのだろうと、中途半端で勝手な解釈をしていましたが、ちゃんとした企業戦略があり、それを実行されることで業績が伸びていたのですね。
 
「スバル」好調の秘密 米国好み「大型」戦略奏功 (9/15 産経 【底流 ニュースの裏側】)

 円高の是正で輸出採算が改善し、業績回復に沸く自動車業界。中でも好調なのが、「スバル」ブランドの富士重工業だ。米国市場での販売好調を背景に、平成25年4~6月期の営業利益率はトヨタ自動車の10・6%をしのぐ12・7%。今年度にも世界販売の半分が米国向けになる。

■目標前倒し達成確実
 「50万台までいける」。米国販売の先行きについて、富士重の吉永泰之社長は、産経新聞の取材に強気の姿勢を見せた。米調査会社オートデータなどによると、8月は前年同月比45・1%増の4万1061台を記録。21カ月連続で前年実績を上回り、3カ月連続で40%台の伸びが続く。トヨタの22・8%増、ホンダの26・7%増、日産自動車の22・3%増の伸び率に比べ、群を抜いている。
 富士重の今年度の米国販売計画は前年度比7・6%増の38万4900台だが、1~8月で28万1652台を売り上げ、進捗(しんちょく)率は73・2%。昨年5月に見直した中期経営計画の最終年度(27年度)の販売目標38万台の前倒し達成は確実だ。

■独自技術ファン獲得
 
富士重が米国で好調なのはなぜか。富士重は21年の主力車「レガシィ」の全面改良を機に、「インプレッサ」「フォレスター」など主力3車種の車体を米国市場に合わせた大きさに切り替えたことを挙げる。レガシィでいえば、セダンタイプの車幅を90ミリ、車高で80ミリ拡大。海外勢も含めた自動車大手各社が小型化(ダウンサイジング)を進める中、富士重は大型を好む米国市場向けに経営資源を特化した。
 米国仕様を重視する富士重の考えに、日本では「スバリスト(スバルファンの愛称)を捨てるのか」との陰口もたたかれたが、この戦略が実を結んだ。
 北米では、
富士重独自の技術も人気を呼んだ。低重心の水平対向エンジン、四輪駆動も注目され、「Subie(スービー)」と呼ばれる熱狂的ファンを獲得した。年内には、富士重初のハイブリッド車(HV)「スバルXVハイブリッド」の米国発売も控える。
 販売店からは、「『電気モーターが加速を補助するという他社にない新しい形のハイブリッドシステムが面白そう』と、顧客が大きな期待を寄せている」との声があるという。トヨタ、ホンダ、日産の国内
トップスリーに劣らぬ人気ぶりだ。吉永社長は「特に高いグレードが売れている」と分析する。
 富士重は現地での生産態勢の強化にも力を入れる。米インディアナ工場を増強し、生産規模を年27万台から28年末までに40万台まで引き上げる。

■次の狙いは中国生産
 ただ、
「規模を追う」戦略には消極的だ。年50万台以上の販売を毎年続けるとなると、ある程度の販売実績が期待できる小型車の展開が必要。「量が勝負を決める世界に突っ込むと、規模の小さいスバルでは負け戦になる」(吉永社長)
 吉永社長は「
他社と違うことをやることに、スバルの存在意義がある軽自動車、小型車はつくらない(中国、ロシアを除く)新興国に原則行かない米国で高い車しかつくらない。これを極めれば勝てる」とも話す。

 吉永社長は米国市場の次のターゲットを見据える。2年前に計画したものの、
いまだに認可が下りない中国での現地生産だ。
 「SUV(スポーツ用多目的車)などが主流のスバルは、
ニッチ分野が受け入れられる巨大市場でしか生き残れない。中国はそういう意味でも重要」(吉永社長)と、米インディアナ工場の増産準備が終了次第、人員を中国生産の立ち上げ要員として振り分けたいとの意向を示す。
 中国で認可が下りないのは、トヨタと富士重が資本提携関係にあり、
「中国進出はグループに1社で十分」との判断が中国当局に働いたとの指摘もある。
 中国で現地生産できれば、中国人の好みに合う車を製造・販売できる。中国進出は、米国向け一辺倒から脱却する重要なカギを握る。(飯田耕司))


 好調を呼んだ戦略とは、ドラエモンのポケットから出してもらう秘策ではなく、昔の日本の製造業が得意としていた顧客のニーズを追求し、それに応じるという基本でした。
 燃費競争で小型化がトレンドの中、逆に米国ではサイズを大きくして販売し、それがヒットしたのですね。
 昔、会社に外人の役員がいて、車で同行するときに、日本人の役員は後部座席に乗りますが外人は前の助手席に乘りました。米軍の将軍がジープで助手席に乗るシーンを映画などで良く観て、そういう慣習と聞いていましたが、本人に聞くと、それもあるが、実際は前の席の方が膝が伸ばせて楽だからだとの答えでした。スタンダードの安物でタクシー仕様並とは言え一応クラウンだったのですが...。
 小型のスバル車は、米国では車室が狭かったのですね。
 勿論、昔からの水平対向エンジンと四駆の独自技術が産み出す走りの人気が基盤にあることが前提ですし、大手メーカーとは一線を画す、そのオンリーワン技術と、ニッチ市場でのナンバーワンを目指すマーケット戦略もあります。
 いずれも奇をてらう戦略ではなく、TQCなんて言っていた過去からある基本戦略ですね。

 一寸気がかりなのは、次のマーケット戦略が中国だとのこと。
 日本車各社が反日デモ以降売り上げが低迷し、市場の伸びは回復しつつあるなかでも日本車だけは回復しないと言った状況で、何故中国なのか。何故、成長が見込める東南アジア諸国ではないのかがこの記事では未明な点です。
 大きな市場規模でないと、ニッチ市場の規模も商売になる規模にならないとのことですが、リスクのある中国が、東南アジア諸国より魅力があるのでしょうか。
 繰り返しますが、市場規模が大きくて成長していても、日本車は低迷して伸びていないのです。習近平政権が続く間は、反日が悪用されることはあっても、関係の安定した大幅改善は望み薄です。
 せっかくの投資なら、認可に勿体つけているバブルの不安もささやかれる中国ではなく、成長するアジア諸国が投資成果は見込みが高いと考えます。
 
 年金暮らしの退役老人の旧い観念で、現役の専門家の叡智を結集された結論なのでしょう。yuu2の懸念が外れて、成功されることを祈るばかりです。

 

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 この花の名前は、バイカイカリソウ

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by yuji_oga | 2013-09-16 01:10 | 企業改革 | Trackback
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