減反制度廃止

 政府は、1970年(昭和45年)に始まった減反政策を、約50年ぶりに廃止する大転換方針を立てました。来年度(1914年度)から低格補助金を、1/3の5,000円に減額し、5年後の2018年(平成30年)には廃止するのだそうです。
 世界規模で、限られた資源である農業用地の争奪戦が始まっているのに、国策策で耕作を止めさせる。農家は耕作しないことでお金が貰えるといったおかしな現象にピリオドをうつことになります。
 実施されれば、減反政策で約50年と言いますが、その前の1942年に始まった食管制度から数えると、76年振りの政府の市場介入操作大転換がなされることとなります。

 



 政府 減反廃止 自民に提示 コメ政策50年ぶり大転換 - MSN産経ニュース

 
減反補助金を3分の1に減額へ 政府・与党、来年度から実施も - MSN産経ニュース

 政府は8日、コメの生産調整(減反)に参加した全ての農家に、作付面積10アール当たり1万5千円を支給している定額補助金を、2014年度から3分の1の5千円に減額する方向で与党と調整に入った。17年度まで全農家を対象に続け、18年度に廃止する方針だ。
 政府は14年度から、農地を守ることを目的に農家に補助金を支払う
「日本型直接支払い」を始め、主食用米から飼料用米への転作を農家に促す補助金も増やす。こうした取り組みに必要なお金を、定額補助金の大幅な削減で確保する。
 定額補助金を5千円にすれば、14年度に1千億円前後のお金がひねり出せると政府はみている。ただ、与党内には、農家に支持されている補助金を大幅に減らすことに慎重な意見もあり、減額幅が1万円より小さくなる可能性もある。

 定額補助金は、減反に参加した農家の所得を補償するために配っている。政府、与党は、国が生産数量目標を決め、農家のコメ作りを制限する
減反を18年度に廃止する方針で、これに合わせて補助金の支給もやめる。
 一方、コメの販売価格が基準を下回った場合に農家に配る変動補助金は、14年度から廃止することが固まっている。

 これまで、農業改革は唱えられてはいましたが、専業で積極経営をする農家も、兼業農家や高齢化し小規模で後継者もなく当代かぎりで細々と営んでいる農家も一律に保護する、その場逃れの票獲得政策しか行われきませんでした。
 この過保護政策が続いた中で、積極経営や新規参入を阻む農基法、農地法などの規制も厳しく、農業の抜本的改革は行われてきませんでした。
 日本の食糧安全保障政策の根幹にかかわる重大な転換をすることになります。
 
 もちろん、yuu2としてもかねてより耕作地の荒廃を産み、積極経営の専業農家や新規参入を阻害する規制の改革を唱えていましたから、大賛成です。76年振りの大転換を英断した政府には拍手を贈ります。
 しかし、何故急に浮かび上がって、76年間出来なかったことが、急に法制化まで短時間で進んでいこうとしているのでしょう。これまでに、国をあげてさんざん議論が尽くされてきたからということではありませんね。
 話が急浮上してきたときは、TPPに抵抗する農家への牽制球ていどの声が多く、yuu2もそのような認識で推移を見守っていました。
 しかし、ここまで加速されている現状は、本気で実行しようとしていると考えられますね。
 TPPに反対している農業族議員の力が低下し、政府に抵抗しきれないからとの声も聞こえてきますが、真偽のほどは未明です。

 アベノミクスの第3の矢である成長戦略は、薬のネット販売が目玉と喧伝し、大きく信頼を損ないました。販売チャンネルが増えるだけで、薬の販売量が経済全体が成長する様に変わるわけではなく、楽天などのネット販売会社が新規参入で恩恵を被るだけの政策だからですね。

 しかし、農業改革は減反や関連規制を撤廃することで、大きく変化し経済を活性化させます。
 民主党の政権交代の原動力となった(1人区での農業者票を獲得)個別補償制度で、積極経営を目指す専業農家に逆行作用を働かせていましたが、存分に腕を振るえます。兼業農家や老齢化で耕作放棄した農家も、専業農家に耕作地を貸したり売ったりして、収入が得られます。あるいは、株主の様な形をとりながら、元気なら働いてもいいのです。企業の新規参入も進めば、若者の雇用も促進されます。
 里山の自然も保全され、生態系や自然の保護も促進されます。
 成長する農業に転じることが出来るのですね。安全な日本の生産物は、成長する新興国の富裕層(アジアの富裕層だけでも日本の全人口より多い)に輸出できるのです。少子化で需要が減る一方の国内市場ではなく、成長する市場と繋がることが出来れば、需要も拡大するのです。

 勿論、夢の実現には苦難はつきものです。でも、少子高齢化で縮小するだけの日本市場にしがみつき、後継の担い手がなく生産者もいなくなる国亡の道を歩むよりは希望がうまれます。
 是非、本気で進めていただきたい。

 ...のですが、気がかりがひとつ。
 『農地を守ることを目的に農家に補助金を支払う「日本型直接支払い」を始める』 『必要なお金を、定額補助金の大幅な削減で確保する。』とは、名前が変わっただけで、お金が流れる結果は同じ?主食用米から飼料用米への転作を農家に促すとのお題目ですが。。
 
 これまでの様な、まやかしではなく、真の改革がなされることを願っています。



b0055292_111483.jpg

 この花の名前は、マツバギク


↓よろしかったら、お願いします。

 
 



Fotolia

[PR]
by yuji_oga | 2013-11-11 01:11 | 食の安全保障 | Trackback
トラックバックURL : http://yujioga.exblog.jp/tb/21444439
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< JR各社 国内需要低を乗り越え... エビの値段が倍になる >>