中国でも雇用のミスマッチが進んでいる

 民主党政権下でデフレスパイラルが止まらない中、学生の就職率が悪化しました。しかし、大企業が狭き門であるのに対し、中小企業は人材確保が難しいというミスマッチも生じていました。
 改革開放経済を進める中国は、日本などの先進国が進んできた自由主義経済の道を、急速度で模倣・追随することで経済成長をとげてきました。
 しかし、そこには短時間に急速に変化を進めることで、先進国が時間をかけて欠点を修正しながら発展したのとは異なり、弊害を放置したまま発展を優先してきたため、その問題点が大きな社会問題化してきました。
 富裕層と貧困層の格差問題、環境汚染、バブル崩壊の危険性といずれも今後も成長を続けるためには、大きな足かせとなるものです。
 つぎはぎの応急処置というか、強引に蓋をすることで取り繕ってきましたが、問題の解決がされていませんから、人民の不満は拡大方向にありることは、衆知のこととなってきていますね。
 今回の全人代で、その解決の為の抜本策が打ち出されるかと注目されましたが、これといった策は観られませんでした。
 むしろ、軍事費の拡大での強兵策、理財商品のデフォルトの容認、為替変動幅枠の拡大、といった経済の自由主義化(=敗者救済の放任)策が目立ちます。

 バブル崩壊が危惧され、財政赤字も増えている中国経済のターニングポイントに差しかかろうとしているのか注意が必要です。
 そんななか、中国でも雇用のミスマッチが発生しているのだそうです。デフレスパイラルから抜け出せなかった民主党時代に、中国が追いつきそうになってきたのでしょうか。





 
経済 地球便 中国雇用新事情 就職難の大卒鱒労働力は不足 競争力低下招く恐れ (3/16 読売朝刊)

 中国で雇用間題が焦点となっている。大卒者は就職難の一方、製造業などでは労働力が足りない「ミスマッチ」が続く。中国経済の弱点になりかねず、政府も有効な対策を打ち出せていない。 (北京栗原守)

■内定35%
 3月1日に北京市内で開かれた就職説明会には地元の中小企業など約50社のブースが並んだ。6月の卒業を控え、英語を専攻する大学生、徐美棋さん(23)は「履歴書は10部以上も用意した。早く就職を決めたい」と焦りを隠さない。
 教育省によると、2014年の大卒者は前年比28万人増の727万人。これまでで最多で、2000年代初頭の約100万人から約7倍に増えた。中国は1999年から大学の入学枠を広げ、学生を増やした。若者の就業時期の分散と人材の育成、さらに教育支出の増加を促して経済を活気づける━━との狙いだった。
 
大卒者が増えたため、「受け皿」となる事務職などの雇用が現状では足りない。13年は、卒業2か月前に就職先が内定した大学生は35%にとどまり、前年より12ポイント下がった。「卒業までに就職が決まる大学生は7~8割」(労働問題の専門家)にとどまる。
 重慶市内の整形外科では、面接対策でまぶたを二重にするなど美容手術を受ける学生が多い。学生の毎月の平均生活費が約1000元(約1万7000円)なのに、手術代は3000~4万元。それでも、翌年の就活を控えた3年生を中心に、「夏休み中は『患者』の半数が女子学生」(美容外科医)という。

■生産ライン停止
 一方、
製造業を支えてきた低賃金の労働力は減っている。広州市では春節(旧正月)で帰郷した農民工が職場に戻らず、今年2月中旬に12万人の労働者不足に陥った。新華社通信によると、浙江省のある携帯電話工場では、16の生産ラインのうち13ラインが止まった。
 
中国では12年末時点で労働人口(15~59歳)が減少に転じた。人力資源社会保障省は、「農民工の供給は無限ではない」(楊志明次官)と指摘する。
 中国特有の戸籍制度も背景にある。調査研究機関・中国人力資源開発研究会によると、「農村に戸籍がある人は、都市では十分な社会保険や公共サービスを受けることができない」(劉福垣会長)。内陸部の開発が進み、沿海部の都市に出なくても仕事がみつかるようになったことも大きい。

■ミスマッチ
 大卒者の技術や知識を有効に活用できず、
製造業では労働力が足りない「ミスマッチ」は、社会不安や輸出競争力の低下を招きかねない
 就職難が続く事務職やサービス分野は賃金が抑えられ、
大卒者の4人に1人は、卒業半年後に受け取る月収が2500元(約4万2500円)以下にとどまる。一方で、出稼ぎ農民工の平均月収(13年)は2609元で人手不足のため、5年前の約2倍に増えた。
 政府は14年に都市部の新規雇用を1000万人以上増やす目標を掲げたが、新産業の育成には時間がかかる見通しだ。


 日本の大卒の2014年度の内定率は、86.4%で、前年の80.9%より 5.5ポイント改善されているのだそうですね。
 リクルート「2013年12月度 内定状況について」【速報】 -『大学生の就職内定状況調査( 2014年卒)』より-|就職みらい研究所

 中国では、13年は、卒業2か月前に就職先が内定した大学生は35%(卒業時には7~8割)で前年より12ポイント下がっているのだそうです。
 世界第 2位のGDPを誇り、成長率も7.5%を目標設定した中国が、日本より大卒の就職率が低くなってしまったのです。
 13億の人口を誇り、ロシアが中国からの人口流入に困っているほど人口が余っている中国で、製造業が人手不足で生産ラインの一部停止に追い込まれている企業も出ているのだそうです。そのため、大卒の月収が2500元で、出稼ぎ農民工の平均月収(13年)は2609元と、農民工の月収が学卒より高いのだそうですね。(集計の綾もありそうですが)

 長いデフレがようやく止まりかけたレベルの日本ですが、中国はその日本より雇用状況が悪いのですね。ここでも、日本に追いつき追い越したのでしょうか。
 記事でも指摘していますが、中国では12年末時点で労働人口(15~59歳)が減少に転じています。ここでもトレンドとして、日本に追いついているのです。

 コストアップと、労働力そのものの不足は、輸出競争力を削ぎます。中国の経済構造が先進老大国と同じ悩みを抱えているのです。
 世界の工場(日本などから部品を調達して組み立て加工が主力)という今日の中国経済のビジネスモデルが危機に面しているのです。世界一を誇る輸出で稼いでこその内需です。
 
 全人代の政策のなかでは、こうした問題への対策が観られませんでした。
 日本と似た悩みに追いついた中国経済。どちらが先に解決策をみつけ新しいモデルをつくりだせるのか、注目です。



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 この花の名前は、ゲンノショウコ   撮影場所;六甲高山植物園  (2013年 9月 撮影)


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by yuji_oga | 2014-03-17 01:26 | 気になる話 | Trackback
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