日本&ADB アジアへのインフラ投資増強へ

 アジア開発銀行(ADB)の年次総会と関連会合が、アゼルバイジャンの首都バクーで開幕(2日)され、中尾武彦総裁は記者会見で、ADBの融資能力を現在の年間約130億ドルから、2017年に最大で1.5倍の約200億ドル(約2兆4千億円)に拡大すると発表しました。
 中尾総裁は「AIIBとは関係ない」としていますが、ADBは機能を強化し、融資手続きの迅速化するとのことで、AIIBを意識した変革と言えますね。
 一方、麻生太郎副総理・財務相は、日本からアジアへのインフラ投資を拡充するための包括策をつくる方針を表明(3日)しています。





 
アジア向けインフラ投資拡充へ包括策 財務相が表明 (5/3 日本経済新聞)

 【バクー(アゼルバイジャン東部)=中村亮】麻生太郎副総理・財務相は3日、日本からアジアへのインフラ投資を拡充するための包括策をつくる方針を表明した。国際協力機構(JICA)を活用してアジア開発銀行(ADB)と協力する枠組みを創設。新興国のインフラ整備事業を立案段階から支援し、官民一体で資金供給を増やす。

 アゼルバイジャンの首都バクーで開かれているADB年次総会のセミナーで麻生氏が表明した。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立作業を本格化させる中国がインフラ整備で求心力を増すなか、新たな枠組みで存在感の維持を狙う
 政府は大型連休明けから包括策の具体化を急ぐ。首相官邸に設置する「経協インフラ戦略会議」を5月中にも開き、とりまとめるとみられる。
 柱となるのがJICAとADBによる官民連携パートナーシップ(PPP)の促進だ。新興国の政府や国営企業がインフラ整備の事業計画をつくる際に、民間金融機関などと組んで企画や運営を助言する。資金の返済が円滑に進む事業計画づくりを促し、民間企業が参加しやすくする。
JICAは民間資金を活用したインフラ事業の調査などの経験が豊富だ。
 麻生氏は環境に優しく地元の意向に沿った「高品質のインフラ投資」を大幅に増やすと表明。こうした投資を国際基準として後押しする考えも示した。
高効率の石炭火力発電や新幹線など日本の優れた技術やノウハウの活用を通じて、アジアのインフラ整備に貢献する意欲を示した。

 AIIBの中国も、ADBの日米も、相互に補完関係を持ち連携させると言っていますが、競合するのは当然のことです。競合のなかで、独占的だったADBが、AIIBの出現で、資金調達能力も改善し融資枠を増やし、融資の迅速化など改善するとなると、アジア全体の投資が活性化され、成長を加速させることとなりますね。

 AIIBは、経済成長が低迷する中国が、余剰の在庫や生産設備能力の需要を海外に求めるために融資を促進しようとしているのと同様に、日米が、ADBの融資をテコに需要を喚起、輸出を増やすという構図が出来上がりますね。

 中国のバブル崩壊に伴うリスク分散も兼ねたAIIBは、アジア枠で投資額が大きくなる日本の加入は、格付けのアップと共に熱望(メルケル氏まで勧誘に回っている)されているのですが、日本の背負わされるリスクは大きく、ADBの資金調達力強化と融資条件の競争力改善と連動させる道の方が、安全で確実となります。
 目的は、成長するアジア諸国への投資を増やし、成長を促進し、投資する側も、受け入れる側も恩恵をうけることなのですから、AIIBに参加するとか、しないとかが主題ではありません。
 格付けが低く資金調達コストが高くなると指摘されているAIIBは、貸し出し金利を安くして競争に勝とうとしていますから、
ADBの改変で、よりリスクの大きい運用を迫られることとなります。

 今後も、中国主導(出資額で発言権が決まるなか、中国の出資額が40%を超える可能性が指摘されている
)のAIIBと、日米主導のADIとの主導権争いが注目されます。

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 この花の名前は、エンコウソウ

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by yuji_oga | 2015-05-04 01:50 | 気になる話 | Trackback
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