トランプ政権が誕生したら 大手シンクタンク研究員の予測

 米・大統領選挙で、共和党のトランプ氏への支持が、失速するどころか勢いが止まりません。
 病める米国の姿が露呈されているのですが、この勢いで彼が大統領に選ばれてしまったらどうなるのか。ワシントンの民主党系大手シンクタンクのブルッキングス研究所上級研究員で米国政治研究が専門のフィリップ・ワラック氏が、三つのパターンを予測しています。





 
米国の悲劇?もしもトランプ政権が誕生したら 大手シンクタンク研究員が予測した3つのシナリオ | JBpress(日本ビジネスプレス)

 現在、大統領選挙予備選で共和党側候補の先頭を走り、旋風を巻き起こしているドナルド・トランプ氏がもしも大統領になったら、どんな政策をとり、どんな統治をするのか。その結果、アメリカの国政はどう変わるのか。
 その疑問の答えを、ワシントンの主要研究機関の政治学者がきわめて具体的に予測した。

 それによると
1期目の4年が終わる時点で3つのシナリオが考えられる。第1は、米国が混乱や摩擦を起こしながらも偉大な大国として前進するという展望だ。第2は、あまりにも横暴が目に余る大統領を、議会が弾劾し辞任を迫るという展望。第3はトランプ大統領が米国の民主主義も建国の理念も破壊してしまうという悲劇的な展望――だという。
<中略>

■【シナリオ1】米国が再び偉大に、トランプ氏は意外にも成功
 トランプ大統領は乱暴な言葉のわりに巧みな実行力を発揮し、議会にメキシコ国境の壁の建設や低学歴の移民の入国規制を承認させる。米国民は国民的連帯の意識を強め、当初トランプ大統領に抱いていた「人種差別主義者」の印象は薄らいでいく。
都市のエリートはトランプ大統領に失望するが、各地の平均的な労働者層のあらゆる人種の国民は「アメリカの偉大さ」を意識するようになる。
内政では混乱や摩擦を恐れずに超党派的な政策を推進する。まず医療保険の「オバマケア」を全廃して「トランプケア」を導入する。その過程では、貧困層のニーズを考慮しつつ市場経済信奉者のエコノミストを多数動員する。税制では現在の徴税制度を大幅に見直し簡素化を進める。財政赤字はさほど減らないが、失敗だとみなさない。

 
外交でも意外な手腕を発揮し、重大な危機や破綻を招くことはない。利害のぶつかる外国には非常に強硬な言葉で脅しをかける。すると相手がひるむので、実際の軍事力行使には至らない。また他の主要諸国が、「トランプ外交は常軌を逸している」との心配から、独自に安全保障体制の拡充やテロ対策を進めるようになるその結果、世界の平和と安定がなんとか守られる

■【シナリオ2】トランプ氏の横暴に議会が反撃
 トランプ氏の本選挙での勝利は
共和党を政党として無残に崩壊させる。トランプ大統領は調子づいて連邦議会全体を軽視し、その意思を踏みにじるようになる
 だが、
その暴挙が、共和党と民主党の垣根を超えた議会全体の団結を強めさせ、立法府の行政府に対する戦いへとつながる
 年来の党派間の争いをやめた
共和党、民主党の両党は議会の存在意義をかけて、トランプ大統領が支配する行政府と対決する。議会は大統領の拒否権や大統領令の権限を抑える新たな法律を成立させ、「背骨のある立法府」となる。議会はその過程で米国憲法の立法府重視の規定をフルに活用し、新たな法律で大統領の独裁権力を奪っていく。
 トランプ大統領が抵抗すると、議会は憲法に沿った大統領弾劾の措置をとる構えをみせる。トランプ大統領はその結果、傷ついた獣のようになり、勝手な措置がとれなくなる。
 後世の歴史学者は、トランプ大統領を歴代大統領のなかでも最悪とされたアンドリュー・ジャクソンやジョン・タイラーと同列に位置づけることだろう。だが、別な角度からみれば、
近年の米国の大統領府や議会が停滞し、本来の正当な機能を果たしていなかったことを証明し、警告を与えるという点で、トランプ氏は大きな役割を果たすことになるといえる。

■【シナリオ3】民主主義が危険な専横政治に
 トランプ大統領は就任後、
行政府の権限を大幅に強くする措置を次々にとって、大統領の力だけで政策を実行できる領域を広げていく。その結果、憲法に基づく統治の構造そのものを骨抜きにしていき、大統領の権限が王朝の権限に等しいような状態を作り出す
 トランプ大統領は、テレビなどに出演して巧みなショーマンシップのパフォーマンスで
米国民を催眠術にかけたような状態にして、政治を思うがままに変えていく
 大衆をあおって、大衆の怒りを特定のスケープゴート(身代わりのいけにえ)にぶつけさせる。いわば
米国の民主主義が持つ弱点を突いて、大統領の独裁的なパワーを強めるのだ。こうして民主主義は憎悪や暴力によって危険な専横政治に変えられていく
 トランプ大統領は、連邦捜査局(FBI)による取り締まりなどを強化し、米国民の政府を批判する権利も抑え込む。
米国は民主主義の危機という悪夢のような状態となる。

*  *  *  *

 ワラック氏は以上のような3つのシナリオを提示した。
 同氏はプリンストン大学で政治学の博士号を取得し、長年、ワシントンを拠点として米国の政治に関する研究や著述活動を続けてきた。3つのシナリオはもちろん予測にすぎないが、トランプ氏の指名獲得が現実味を帯びてきたいま、万が一の心の準備として知っておくのは有用だろう。

 「帯に短し、たすきに長し」と言うか、どのパターンにも納得する部分と、それは無いでしょうと言う部分が混在して、これだと飛びつきたくなるものはないですが、おもしくもありますね。

 [シナリオ 1]はかなり楽観的。
 内政では混乱や摩擦を恐れずに超党派的な政策を推進。外交では、利害のぶつかる外国には非常に強硬な言葉で脅しをかけて怯ませ、他の主要諸国には、「トランプ外交は常軌を逸している」との心配から、独自に安全保障体制の拡充やテロ対策を進めさせることで、世界の平和と安定が保たれるのだと。

 [シナリオ 2]は、暴走するトランプ氏に対し、共和党と民主党の垣根を超えて議会全体が団結を強めて、議会と政府が対立する政局が生じるというもの。
 国民が選んだ大統領と、国民が選んだ議員で構成される議会とが対立することになります。議会で野党が過半数を占めて、政府と議会が対立する構図は、日米共に経験していることですが、議会の与野党こぞって政府と対立し、抗争するとなると、何も決まらず空転する政治が続き、国家の衰退を招くことになってしまいますね。
 ただ、記事で指摘されている様に、近年の米国の大統領府や議会が停滞し本来の正当な機能を果たしていなかったことを証明することになる。つまり、病める米国の姿が深刻な事実として露呈することになります。
 世界の警察を止めた程度ででは済まされない米国の国力の衰退を招き、対立する国家や勢力が、ますます勢いをますことになりますね。

 [シナリオ 3]は、トランプ氏が行政府の権限を大幅に強くする措置を次々に実現させ、大統領の権限が王朝の権限に等しいような状態を作り出し、民主主義から専横政治に移行するというもの。米国民を催眠術にかけたような状態にして、政治を思うがままに変えていくというもので、まさに、今の共和党候補選に似た陶酔状態です。
 民主主義や、米国の良心に挑むものとなります。

 あえて 3者のうちからどれかを選ぶとすれば、[シナリオ 1]になって欲しいけど、[シナリオ 2]の可能性が高い様に思いますが、いかがでしょう。

 いずれにしても、トランプ大統領の誕生は、病める米国の病状が深刻であることの露呈であり、米国の国力の衰退を招くことになります。
 日本としては、トランプ氏とのパイプを急ぎ構築することもさることながら、自立を強める政策の強化と、他の自由主義国との連携強化促進が必要ですね。


b0055292_01044737.jpg

 この花の名前は、コンギク

↓よろしかったら、お願いします。


写真素材のピクスタ

Fotolia

 
[PR]
by yuji_oga | 2016-03-14 01:07 | 気になる話 | Trackback
トラックバックURL : http://yujioga.exblog.jp/tb/25505528
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 鴻海はシャープのホワイトナイトか 同一労働・同一賃金は、日本で導... >>