G20財務相会議 反保護主義の根幹が崩壊

 「米国第一」を唱え、中国、日本、ドイツといった貿易赤字となっている国への攻勢を強めるトランプ大統領。
 トランプ政権誕生後初となる国際会議・G20財務相会議での米国の姿勢が注目されました。
 結果は、リーマンショック以降、反保護主義を重要な合意として掲げてきたG20でしたが、「米国第一」を唱えるトランプ米政権に振り回され、G20の結束は崩れ、世界経済を支える自由貿易が後退する不安が増してきたのだそうです。





 
G20 結束できず 財務相会議 各国、自由貿易堅持に不安 (3/19 読売 [スキャナー])

 ドイツで18日に閉幕した主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、「反保護主義」を明確に打ち出せなかった。「米国第一」を唱えるトランプ米政権に振り回され、共同声明の作成を巡る調整は最後までつかなかった。反保護主義を掲げてきたG20の結束は崩れ、世界経済を支える自由貿易が後退する不安が増している。(独バーデンバーデンで、山本貴徳、井口馨)

■「残念」
 議長国ドイツのショイブレ財務相は、閉幕後の記者会見で、反保護主義の明記を見送ったことについて、「貿易問題は財務相の所管ではない」と述べた上で、「困難に直面しているが、今後の議論を悲観しているわけではない」と説明した。
 しかし、フランスのサパン財務相が「今日の議論で、満足のいく結論に達することができなかったことを残念に思う」との談話を出すなど、
参加国には落胆が広がっている
 2008年9月のリーマン・ショックをきっかけに存在感を増した
G20にとって、反保護主義は重要な合意だった。自国の経済を守ろうとする保護主義が新興国を中心に広がりつつあった中、08年11月のG20首脳会議(サミット)で、「保護主義を拒否」するとした共同声明を出し、クギを刺した経緯がある
 反保護主義は議論の余地のない共通認識となっていただけに、影響は大きい。
保護主義の台頭に市場がおびえ、世界経済に悪影響を及ぼす懸念が高まりそうだ

 14年の豪州での会議でも、共同声明で反保護主義に触れていない。だが、この時は保護主義への懸念が薄れ、世界経済の成長策に議論の焦点が移っていたからで、今回とは事情が異なる。

■草案で文言削除
 
なぜ、今回の共同声明で反保護主義の明記が見送られたのか。会議を主導する米国が、従来のG20合意とは距離を置く姿勢をあらわにしたからだ。国際金融関係者によると、議長国ドイツが3月上旬にまとめた共同声明の草案で、すでに「保護主義に対抗」との文言が削られていたという。
 17日に
ワシントンでメルケル独首相との初会談を終えたトランプ米大統領は、記者会見で「私は公正な貿易の支持者だ。自由貿易は多くの悪い結果につながった」と述べた

 もっとも、
今回の会議で、米国の主張を各国が受け入れたわけではない。多くの参加国からは、会議で自由貿易の重要性を指摘する声が相次ぎ、麻生財務相も18日の閉幕後の記者会見で、「自由貿易が多くの国々で経済の繁栄に寄与してきた歴史があることを認識すべきだ」と述べた

■「公正な貿易」
 今後、世界の自由貿易体制を巡り、
各国が警戒しているのが、トランプ氏のいう「公正な貿易」だ。
 
トランプ氏は、日本や中国、ドイツなど貿易赤字の相手国を、「不公正だ」と攻撃してきた。それだけに、「公正な貿易」を実現させるとして、日本やドイツなどに米国製品が有利となるような関税引き下げを2国間交渉で迫る恐れがある。
 
欧州などでは自由貿易を敵視する排外的勢力が伸長している。米国のごり押しでG20の反保護主義が揺らいだことで、保護主義的な主張が勢いを増しかねない。
 7月にドイツで予定される
G20首脳会議では、米国の主張に歯止めをかけられるのかが焦点になる。

「為替 長期的に見る」 米財務長官、冷静な対応
 今回のG20で、
通商政策と並んで焦点となったのが、為替政策を巡る議論だ。対米国で貿易黒字額が大きい日本や中国、ドイツを名指しして、「通貨安誘導をしている」などと批判してきたトランプ米政権の出方が注目された。会議では、これまで通り、「為替の過度な変動は経済・金融の安定に悪影響を与える」との認識を共有し、自国の通貨を安く誘導して、輸出をしやすくする「通貨安競争」を回避することで各国が一致した。

 米財務長官に就任後、G20が初の国際会議への参加となった
ムニューシン氏は、G20に先立つ16日に行ったショイブレ独財務相との共同会見で、「自国の為替を操作しないことは重要だ」と述べた。会見では、さらに「短期的な為替の動きはコメントしない。『強いドル』は長期的に見れば良いことだ」とし、ドル高を一方的にけん制するトランプ大統領とは異なり、米大手金融機関出身者らしく、冷静な受け答えに終始した。 また、17日には麻生財務相とも初会談を行った。麻生氏は会談後、「ムニューシン氏は実務が分かっていて、仕事ができる人」と話し、為替政策について、日米間で緊密に連携することを確認した。
 ただ、貿易政策について、
ムニューシン氏は、「貿易関係の中には不公正なものもある。それには対処が必要だ」と、トランプ氏の主張に追従する姿勢をのぞかせた。トランプ大統領が為替や通商政策に関して「口先介入」を続けた際に、ムニューシン氏が各国の不安を払拭する役割を果たせるのかどうか、今後の対応も注目される。


 反発が懸念されていたメルケル首相とトランプ大統領。17日に会談したのですが、関係構築の目的が、逆に反発が顕在化する結果に終わった様ですね。
 トランプ大統領、メルケル首相と握手を促されるも完全無視 その一部始終をカメラは捉えた(動画)

 一時ギクシャクした、NATOを巡る話は、合意に達した様子ですね。
 米大統領、NATO防衛費「応分の負担を」 独首相と会談 (写真=ロイター) :日本経済新聞

 米国発で、世界経済を混乱におとしめたリーマンショック。
 「トランプ相場」で上昇していた株価も、ここへきて頭打ちの様相。そこへ、G20の根幹の「反保護主義」の結束の崩壊。
 自由主義貿易の後退と、「米国第一」を掲げ、力で二国間交渉を進めようというトランプ政権。「トランプ相場」転じて、「トランプショック」を産み、「リーマンショック」以来の、米国発の世界不況を発生させる懸念が生じています。

 欧州歴訪に出発した安倍首相。欧州各国首脳と連携を深め、「反保護主義」の結束の修復に、欧州と米国との懸け橋に日本が一肌脱いで貢献していただき、トランプ政権の暴走を止める環境造りを進めていただくのを期待するのは、高望みでしょうか。
 かく言う欧州も、自国第一の「保護主義」が台頭しているのですが。。

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by yuji_oga | 2017-03-20 03:12 | 気になる話 | Trackback
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