拡大する3次元データの活用

 設計開発のスピードと品質向上に、いまや3次元CADは重要な地位を占めています。そして、設計工程の3次元CADデータは、更に多岐にわたる分野での3次元モデルの活用にむけ、カタログや部品表がわりに3次元CGをネット上で顧客に公開するなど、用途に応じたデータ形式が開発され、活用され始めている様です。
 
日経ものづくり 8月号/ものづくり特報「CADから飛び出す3次元モデル」<抜粋>

 3次元モデルが開発プロセスを流通するデータの中核となった。
 しかし、多岐にわたる用途で3次元CADのすべての機能が必要なわけではない。逆に、設計工程向けツールである3次元CADの機能では不足する場面もある。
 データ形式にも、用途に応じた向き不向きがある。
 最適な3次元モデルの活用体制は、CADにこだわらない方が見つけやすい。

 3次元モデルの用途
  3次元モデルを中核とした設計情報は、設計部門だけでなく下流工程のさまざまな部門でも活用される。用途が異なれば必要な情報の内容も変わってくるため、全ての用途が同一の設計情報(3次元モデル)を必要としている訳ではない。

 用途に応じ情報を持てる
  
「JT(Jupiter Toolkit)」は、米UGS社が開発した軽量3次元データ形式。
  JTの内部構造は階層化されており、用途に応じて必要な情報を含むようになっている。CADデータとの違いは、履歴情報を持っているかどうか。
  JTの表示ツールは、無償ツールから高機能な有償ツールまで段階的にそろえている。

 サイズと速さを選べる3D XML
  
仏Dassault Systemes(DS)社が3次元CADの最新バージョン「CATIA V5R15」で導入したのが、XMLベースの軽量3次元データ形式「3D XML」だ。
  3D XMLの形状表現は2種類ある。一つは、XVLと同様に形状を数式で表現するExact形式で、ファイルサイズが小さくて済むのが特徴。もう一つのTessellated形式は
ポリゴンで近似する方法で、ファイルサイズがExact形式よりも大きくなるものの、表示が速いのが特徴だ。
 無償の「3D XML Viewer」があり、Webブラウザのプラグインとしても動作する。WordやPowerPointといったオフィス・アプリケーションで作成したドキュメントに、3D XMLファイルを貼り付けることも可能で、このファイルを媒体とすれば、3D XML Viewerをインストールしていないコンピュータであっても、3次元モデルをプレビュー出来る。


  XVL(eXtensible Virtual world description Language)ツールを3D XMLへ対応
  
3D XMLは登場したばかりのフォーマットで、DS社製品を除けば3D XMLをベースとしたアプリケーションの登場は今後のこととなる。
  その先陣を切りそうなのが、ラティス・テクノロジーだ。<中略>ラティスは、XVLを利用したドキュメント作成ツールやデザインレビュー・ツールを提供している。今後、これらのアプリケーションを3D XML対応にしていく予定だ。
  XVLも3D XMLも、XMLベースのフォーマットで形状情報だけでなく注記情報や属性情報などを含むことが出来る。オフィス・アプリケーション、特にExcelスプレッドシートとの連携では、単に3次元モデルを埋め込むだけでなく、属性情報を流用することで帳票の入力ミスを防げる。

  
# 更に高度なビュアー機能を含む、SolidWorks社のeDrawingsや、Adobe Acrobatの「U3D (Universal 3D」、Actify社のSpinFireなどの紹介もありました。

  標準化については、日本自動車工業界、欧米の自動車業界団体などが加盟する標準化組織「SASIG (Strategic Automotive productdata Standard Industry Group)」、米国の「AIAG (Automotive Industry Action Group)」と独自動車工業界(VDA)等で検討が進められている様です。

 世界を相手に活躍するトヨタの効率化にも、CGtが活用されているようです。
 
トヨタの効率化は、ITとCGで実現?/@IT:NewsInsight
  2005/8/2

 米ビジネス・ウィーク誌が7月に発表した2005年度の「世界企業ブランド番付」では、ソニーが前年の20位から 28位に後退し、韓国サムソンに抜かれて話題になった。日本企業の最高位はトヨタ自動車の9位(ブランドポイントは前年比10%増)。米国企業以外では、ノキアの6位に次ぐ2番目だった。日本企業は28位のソニー、50位の任天堂と続く。また、トヨタの2005年上半期の輸出が、前年同期比7.4%増の 101万7504台で上半期の過去最高を記録した。このように、“世界のトヨタ”は名実ともに世界に認められるトヨタになりつつある。その背景には、同社のお家芸ともいえる“効率化”があった。

 トヨタが“世界のトヨタ”を目指すのには理由がある。全世界の自動車市場は5937万台で、内訳は北米が1969 万台、欧州は1906万台、日本は全世界の約10%に当たる583万台だ。つまり、日本だけを相手にしていると、例えシェア100%を取っても世界シェアでは10%程度にしかならない。トヨタの現在の世界シェアは10%なので、日本市場だけだとこれ以上伸びる余地はない。そこで、同社は世界での販売を増やし、2010年までに世界シェアを15%まで伸ばすことを目標にした。

 この数値を達成するためには、「さらなる成長と効率がポイントとなる」(トヨタ自動車 常務役員天野吉和氏)だという。海外で成長するためには、その国や地域のニーズに合わせた車両開発が必須であり、現在よりも開発する車種が爆発的に増える。この開発需要を支えるためにはIT基盤の整備が必須とし、さまざまな改革を実施している。

 例えば、デザインや設計のDBを統一することで、従来のデザインから設計といった直列的な作業を並列化したり、作図をツールで自動化して時間を短縮する。設計で用いられたCADデータはXVLデータに変換され、そのデータを各部署がビューアを用いて閲覧・利用するなど、1つのデータを複数の用途で利用できるように改善した。また、3DCG技術の発達によって、設計図からCGの模型を作ったり、設計図の問題点をデジタル上で検討できる点が大きいという。

 CGやデジタルデータによる検討項目は、工場ラインにおける組み立て作業姿勢に無理があるかないかといった問題から、工場全体のレイアウトの効率化、ビジュアルマニュアルにまでおよび、すべてデジタル化することを目標に現在計画を進めている。そのほか、車両デザインやエンジン設計、振動実験、衝突実験などもデジタル化を進めている。

 直近では、同社のテレビCMにおける車両の一部や、LEXUSのWebサイトの見積りページやカタログページにも同社のデジタル技術が応用されているという。さらには、関連メーカーや海外拠点、海外パートナーまでデジタルデータのプラットフォームを統一することによって、データの有効活用を図る。2006年までには海外を含めた統一を目指す。このようにITを活用して効率化を進め、商売を進めるトヨタの姿勢は製造業以外にも役立つのではないだろうか。

(@IT 大津心)

 デジタルデータのプラットフォームを統一することが、社内外の有効活用(データ共有、協働)には欠かせない...。
 製造業の中でも(=我が社)学んで、3次元データの更なる有効活用を進めなくては...!

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by yuji_oga | 2005-08-15 00:58 | IT備忘録 | Trackback
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