東京三菱とUFJの合併が延期

 東京三菱銀行とUFJ銀行は、10月に予定された合併を、1月に延期すると発表していました。
 延期に至った理由は、システム統合が主因とされていますが、どのような経緯が在ったのでしょう。
 両行のシステム幹部は、10月の切り替えは問題ないと主張してきたのですが、金融庁のテスト不足との指摘で、両行の経営層が統合延期を決め、システム部員のテストに落ち度があったかのように解釈できてしまう見方があります。
  
 東京三菱-UFJが合併延期を発表、「システム部員は分かってくれる」と畔柳頭取 : IT Pro ニュース
  今回のシステム統合を巡っては、両行のシステム幹部はこれまで一貫して、「システムは開発・テストともに完了している。10月の切り替えは問題ない」と主張してきた。にもかかわらず、金融庁が再三にわたりテスト不足を指摘してきた経緯がある。最終的に、両行の経営層が統合延期を決めたとなると、金融庁の指摘が正しく、システム部員のテストに落ち度があったかのように解釈できてしまう。

 こうした点について、「延期を決めた経緯をシステム部員にどう説明するのか」との質問に、畔柳頭取は、「システム部員が昼夜問わずがんばっていることは、十分認識している」とした上で、「だが、今回の統合プロジェクトでは、銀行には従来よりもさらに大きな責任がある。システム部員には、これまでよりも高いレベルのシステムを作り上げるため、いっそうレベルアップしてもらいたいと考えている。システム部員にはそう伝えたいし、システム部員も、分かってくれると信じている」と続けた。

 金融庁は、2002年4月のみずほのトラブルの再発を恐れていたのに対し、三菱東京には、1996年の東京銀行との合併後のシステム統合がうまくいった「成功体験」があり、両者の間に認識のズレがあったが、金融庁の指導が通ったとの記事も在ります。
  
検証 東京三菱・UFJ銀合併延期 : 金融ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
  両グループと金融庁が合併延期をめぐり、なぜここまでもめたのか。その原因は、両グループの中でも、とりわけ三菱東京の畔柳社長と金融庁との間のシステム統合をめぐる認識の差があった。

 4000万口座を抱える世界最大の銀行の誕生に、金融庁は、2002年4月のみずほフィナンシャルグループが起こしたシステム障害の「苦い教訓」を思い起こしていた。同じような障害が三菱東京、UFJの両グループのシステム統合で万が一、発生すれば、行政責任を問われかねないからだ。

 これに対して、三菱東京には、1996年の東京銀行との合併後のシステム統合がうまくいった「成功体験」があった。

 金融庁は、3月から6月にかけてシステム統合について立ち入り検査を実施したが、三菱東京は当初、「システム統合の準備作業としては常識」(大手都銀幹部)と言える、全店舗を対象としたテストに難色を示した。こうした認識のズレが金融庁の三菱東京に対する不信感の高まりとなって、ぎりぎりのタイミングで事実上の合併延期要請という事態に発展したわけだ。


 しかし、10月1日の合併を前提に、様々な準備を進めてきた顧客への対応は始まったばかりだ。出だしからつまずいた世界最大の銀行が信頼を回復するにはしばらく時間がかかりそうだ。


 ATMを停止した全国規模での本番テストを実施するのですが、更に慎重な準備を要求されている様です。
 みずほの事故当時は、多くの会社でシステムの準備の重要さが認識されていましたが、最近では、また、納期優先に戻る傾向もあるように感じていました。勿論、十分に時間をかける事を盛り込んだ計画を更に延期することが、奨励すべき事と言うわけではありません。
 金融庁では、この秋に指針を出すのだそうですが、安全を見極めたシステム移行が重要であることが、再認識される機会になったことは事実です。

  
b0055292_22562877.jpg

[PR]
by yuji_oga | 2005-08-21 22:21 | IT備忘録 | Trackback
トラックバックURL : http://yujioga.exblog.jp/tb/3339030
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 最終局面を迎えた電力線通信 拡大する3次元データの活用 >>