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ソニーの中期経営計画は、松下電器に酷似

 日本の産業の復活には、かつての花形であるソニーの、負け組からの復活が望まれます。
 新経営陣に交代して、100日が経過するのですが、中期経営計画が発表されました。
 想定内とか、不採算事業から撤退し資源の集中化と言っているが具体策がないとか、かっての様にサプライズや劇場的発表もなく評価は今ひとつの様子ですが、「松下電器の「創生21計画」に酷似」との評価がありました。

 そういえば、最近の松下はめざましい復活振りで、例えば、ノートパソコンも来社される取引先の方も、自社内でも殆どが松下製に変わっている...。
 ダイエーの中内さんがお亡くなりになり、日本の一時代を築かれたことは尊敬に値するもので、冥福をお祈り申し上げますが、終盤では「消費者が見えなくなった」と語られていたそうです。松下のパソコンは、今、消費者を捕らえています。
 
ソニーの中期経営計画、すべては想定内に収まる - nikkeibp.jp - 注目のニュース

 ソニーは、今回の新方針において、エレクトロニクス事業の復活を目指し、三つの観点から改革に取り組む。

一つは、ストリンガーCEOが「サイロ」と呼ぶ、組織間の壁を取り壊すこと。これに、徹底して取り組んでいく姿勢を見せた。大きく評価できるポイントだ。

ソニー独自の組織形態であるネットワークカンパニー制を廃止し、事業本部制に再編。10月1日付けで、3ネットワークカンパニー8事業組織体制から、4事業本部+1部門体制へと移行する。新設するオーディオ事業本部では、これまで、パーソナル、ホーム、車載の3分野に分かれていた体制を一本化。同社が蓄積する音に関する技術を共有化することで、品質の高い製品を、短期間かつ低コストで開発する体制を整える。

二つめは、事業本部制の採用と並行して、全社横断機能を強化することだ。商品戦略、技術戦略、生産戦略、販売戦略、資材戦略を各執行役が担当し、それぞれの視点から四つの事業本部を横串にして管理する。全社一丸となって製品開発から販売戦略までを遂行できる体制をつくる。

「社内にできていた部門間の高い壁をなくす、あるいは壁に窓を作って、隣が見えるようにするといったことが必要」とストリンガーCEOは語る。部門間の壁の存在によって分散化していた技術、ノウハウを融合させることで、ここ数年、欠如していたと言われるソニーらしい製品の創出へとつなげたい考えだ。

そして、三つめが研究開発体制の強化である。ディスプレイデバイス開発本部を設立し、中鉢良治社長自らが本部長に就任。ソニー独自の有機ELディスプレイの研究開発に積極的に取り組んでいく。また、汎用ミドルウエア、DRM(デジタルライツマネジメント)およびコーデック関連ソフトを対象にしたソフト開発体制の強化や、半導体デバイスへの集中投資も重点分野として上げた。2006年度から2007年度にかけての研究開発投資額は3400億円に達する予定だという。

松下電器の「創生21計画」に酷似

改めて今回の中期計画をながめると、エレクトロニクス事業復活に向けた数々の施策は、松下電器の中村邦夫社長が2000年11月に打ち出した「創生21計画」に酷似している。

カンパニー制を廃止し、組織の壁を取り壊すのは、松下電器が取り組んだ事業部制の廃止、ドメイン別事業体制への移行と同じだ。また、横断機能の設置と強化は、松下電器復活の原動力となったパナソニック/ナショナルマーケティング本部の設置に酷似している。それを技術面からとらえれば、松下電器の半導体社の位置づけとダブらせてみることができるかもしれない。

さらに、研究開発部門の強化およびソニー独自技術への投資は、松下電器・中村社長がよく口にする「ブラックボックス化」と同じ意味に受け取ることができる。

赤字転落からの復活シナリオであること、目標とする連結営業利益率が5%というのも、創生21計画と同じだ。

松下電器に遅れること5年を経過して、ソニー版「破壊と創造」がようやく始まったと言っては言い過ぎだろうか。


 記事によると、中鉢社長はこの100日間、顧客、販売店、サプライヤー、投資家の声に耳を傾け、多くの社員の声を聞き吸い上げるなどされ計画を造られ、発表の隻では以前とは顔つきが変わっていたとか。
 今回の計画は、出井前グループCEOが打ち出したTR60の計画を取り下げ、営業利益率の目標をその半分に下方修正して打ち出した、夢物語ではない地に足のついた計画ということですので、ソニーの復活への基調変更を期待しましょう。

  
ソニーの中期経営計画は、松下電器に酷似_b0055292_19401520.jpg

by yuji_oga | 2005-09-24 19:39 | 企業改革
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