広州トヨタで、「後工程引き取り」システムが、ほぼ完成

 ジャスト・イン・タイムとか、かんばんとか、「あんどん」とか、「人偏の付く自働化」など、トヨタ生産システムは、その根本的な考え方である「後工程引き取り」が、完全な形での実現が難しかったのだそうですが、広州トヨタでほぼ完全に実現出来たのだそうです。

 トヨタ生産システム、中国で大進化遂げる - 企業・経営 - nikkeibp.jp
 
 後工程引き取りを簡単に説明すると、素材加工に始まり最終組み立てまで何百という工程がある中で、普通は前から後ろに製品を流して作っていく。1つの工程が終わったら次の工程に回すわけだ。

 これをトヨタは逆に考える。後ろの工程の作業が終わったら、前の工程から次に加工や組み立てる製品を取りに行く。順調に生産が進んでいるのであれば、普通の方法もトヨタの方法もほとんど差がない。

 しかし、何百もある工程内にムラがあったり、何らかのミスで生産が滞ったりしている場合には大きな差が出てくる。普通の方法だと工程内にいくつも在庫の山ができてしまう。

 日本でも、また、トヨタが世界各国に展開しているどの工場でもできなかった「後工程引き取り」の実現に、広州トヨタは以下のような施策を実施したのです。

□部品メーカーを含めた工場のレイアウトを工夫
  広州トヨタのすぐ隣には、デンソーやアイシン精機、フタバ産業などの部品メーカー13社が公道を挟んで広州トヨタと向き合うように配置されているいているのですが、部品を運ぶ際の時間が最も短くなるように、物流を考えて部品メーカーの配置を決めたのだそうです。

□部品物流
 ・ 新開発の専用台車が部品メーカーと広州トヨタを往復して、必要な部品を必要な時にジャスト・イン・タイムで供給しているのですが、納入時にはプラットホームから直接ひとが台車を動かすことが出来、荷下ろしや、場内の物流から、フォークリフトをなくしたのです。
   このことで、場内の通路スペースや棚のスペースがコンパクトとなり、運搬時の部品落下などの事故の危険性も減ったのです。また、ラインがどこからでも見えるようになり、不具合が起きた時の原因究明と改善がやりやすくなったのだそうです。

 ・ 専用台車の運搬は、公道を走ることが出来ないため、部品メーカー群と広州トヨタの間に走る公道の下に地下トンネルを2つ掘って、全く公道を通らずに部品が供給されるのだそうです。
   このことで、渋滞や事故によるリスクがなくされています。

 ・ 台車やトラックが走る道路も片側 2斜線とし、速度の遅い台車が前にいても、トラックは簡単に追い越せるようにし、頻繁にはおきないそんな場面でも、もしもの時の時間的ロスを避けることができる様にしたのだそうです。(広大な敷地で、白紙の状態から設計できた、広州ならではの贅沢。)

 ・ 専用台車は広州トヨタが費用を出して運行しているのだそうです。
   後工程引き取りを徹底させるには、JITで納入される他に、組み立てラインで何らかの不具合が出てラインに部品が必要なくなれば、これを止めないと、ラインのどこかで在庫が増える危険性があるとの考えで、引き取り方式なら、引き取りに行かなければ止められるとのことなのです...。
   13社以外からの部品が、44%あるのだそうですが、これは、トラックを使用した「ミルクラン」方式で、「後工程引き取り」を徹底させているのだそうです。

□組み立てラインで作業者の組みつけ間違いを防ぐために数年前に日本で開発して世界のトヨタの工場で使われているセット・パーツ・サプライ(SPS)システムも大幅に進化させ、部品の組みつけ間違いや忘れを大幅に削減させたそうです。

  SPS=作業者が部品棚から自分で必要な部品を選ぶのではなく、あらかじめ別の作業者が組み立て作業者のために、1人1台分の部品を選んで供給するシステム。

□その他にも、新しい水溶性の塗装技術や、プレス機械など現在考えられる最先端の設備や仕組みが導入されているのだそうです。
 最新鋭の自動化工場である田原工場の、自動化しすぎない、人間と機械が共存するラインのノウハウなど、世界の工場の先端技術を集約されているのだそうです。

 日本では絶対にあり得ない環境を使って、トヨタ生産システムを進化させ、場面提供してくれる中国にも、日本の生産技術の進化にも貢献してしくとのことです。
 中国へノウハウが流出する懸念については、アジアの市民として、中国やアジアへの貢献が必用としながら、広州トヨタのように製販一体で取り組んでいるトヨタでも初めての大がかりなシステムを簡単にはマネできないとの自負もあるようです。


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by yuji_oga | 2006-10-01 11:38 | 企業改革 | Trackback
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