国産ジェット機生産へ、政府補助金拠出

 昨年(2006年)の 9 月末に、国産の名機YS-11が定期便から退役し、自衛隊などで使用されているものを除くと、国産機が姿を消していました。
 1965年に就航したプロペラ機のYS―11は、官民出資の特殊法人「日本航空機製造」が182機を生産し、日本の航空産業の優秀さを内外にアピールした名機と言われてきましたが、1973年の生産中止までの累積赤字は約360億円に上り、採算面は問題が多かったのだそうです。
 しかし、下請け専門となっている日本の航空産業の育成、発展のために国産機の上市を望む声は強く、国と三菱重工業などが官民共同で国産初のジェット旅客機(MRJ)の開発を進めてきました。

 一方、三菱重工は、ボーイング787の主翼を中心とする機体の35%(ボーイング自身の開発分担比率もコックピットや尾翼など35%)を、炭素繊維複合材の新しい技術を導入することで受注を獲得していました。
 この技術も、MRJに活かされることとなります。
 
国産ジェット 商業化へ前進 40年ぶり旅客機 (6/1 読売夕刊)

 三菱重工業が商業化を目指している国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェットの略称)」の機体の開発について、経済産業省は2008年度から、資金面で支援する事業を始める方針を固めた。開発は国の支援が前提となっており、「MRJ」の商業化へ向け大きく前進する。「MRJ」は12年に就航予定で、官民で開発した小型プロペラ機「YS―11」が1973年に生産中止に追い込まれて以来、約40年ぶりに「日の丸旅客機」の生産が復活する見通しが強まった。

機体の開発へ支援規模400億円 経産省方針
 経産省は08年度から11年度までの4年間をかけて、三菱重工が「MRJ」の機体を開発するための補助金を拠出する。「MRJ」は70~90席の小型航空機で、開発総額は約1200億円にのぼり、そのうち3割程度を国費で賄う見通しだ。
 経産省は、来年度概算要求で最大100億円程度を求める方向で調整中で、支援総額は400億円規模になる可能性がある。経産省は支援計画を6月中旬に決める政府の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」に盛り込みたい考えだ。

 経産省が事業を進めるのは、三菱重工からヒアリングを行った結果、
 ①国内外の航空会社からある程度の需要が見込める
 ②機体の製造費用を採算がとれるレベルに抑えられる
 ――と判断したためだ。

 三菱重工は03年度以降、「MRJ」の準備段階として、部品などについての研究開発を進め、これに対し、国も資金支援してきた。今回の措置で機体そのものへの補助金が出ることで、本体の開発を本格化する。三菱重工は、受注獲得活動を進め、来春までに商業化を最終決定する見通しだ。
 航空機の開発費は巨額になるため、民間企業が商業化のリスクをすべて背負い込むのは難しい。このため、欧州連合(EU)諸国がエアバス航空機の開発費の3分の1に公的助成を出すなど、諸外国でも、政府が航空機の開発や商業化を支援している。

 採算に乗せるには少なくとも350機、十分な利益を確保するには600機の生産が必要とされているのだそうですが、三菱重工では、JAL、ANAとの販売交渉には現時点で納入可能なライバルのブラジル・エンブラエルやカナダ・ボンバルディアなど海外の航空機メーカーの「リース代金一部肩代わり」案を提示するなどして、国内の百数十台の大口需要獲得に取り組んでいるのだそうです。

 国産機をとばすために、税金もつぎ込もうとしているわけですから、JAL(経営が苦しいのですが)とANAには、率先して協力して欲しいものです。
 2012年就航が目標とのことですが、自動車生産技術で世界をリードする日本が、航空機やロケットでも世界のトップレベルの技術開発競争に参加し、国内産業を発展させることが出来るよう願っています。

 # 600機買ってくれる先を探すのは、生産実績のない新機種だけにたいへんですね。
   需要が最も旺盛なのは中国なのですが...。


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by yuji_oga | 2007-06-03 18:42 | 気になる話 | Trackback(2)
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