Web 2.0の劣等生、MSとYahoo

 Microsoftが、米Yahoo!に対し,446億ドルでの買収提案したとの発表には驚きましたが、多くの評論記事を読み進むうちに、IT技術の進化の速さと、その対応力での企業の消長の激しさを、改めて思い知りました。

 インターネット草創期に学生の手で世に出された、Netscapeと、Yahooは、インターネットの発展の起動者で、Windows の出現と共に世の中に革命を起こしました。
 Netscapeがひっそり幕を閉じたばかりでしたが、草創の双璧のYahooはネット産業を代表する優良企業とばかり思っていた(=不勉強で時代遅れを思い知りました)のですが、違っていた様です。
 
どうなる、ヤフー! (BusinessWeek):NBonline(日経ビジネス オンライン)


テリー・セメル前CEOの失敗


 大規模なメディア企業で経験を積んできたセメル氏の手腕は、最終的に裏目に出た。ヤフーとその企業文化を新たな方向へと導いたが、結局は失敗し、破滅的な状況に追い込んだ。2004年にはハリウッドに程近いカリフォルニア州サンタモニカに豪華なオフィスを構え、動画に重点を置いたウェブサイトなどの大規模なメディア事業に着手した。だが元幹部は、「サンタモニカのオフィスは、巨大で金のかかるお荷物に過ぎなかった。ほかにやるべきことがあったのに」と振り返る。

 セメル氏がシリコンバレーの技術文化に馴染まなかったことも見逃せない。イノベーションを生み出してきたのは、まさにこの独特の技術文化であり、お偉方がハッパをかければ出てくるようなものではなかったのである。

 有名な話だが、セメル氏は平日の夜はサンフランシスコのホテルのスイートルームに滞在し、週末になると南カリフォルニアの自宅に飛行機で帰ってしまっていた。会社に対して冷淡すぎるし、成長著しいグーグルや新興企業に後れを取らないために絶対必要なテクノロジーに全く関心がないと周囲からは見られていた。元幹部は言う。

 「セメル氏はテクノロジーの重要な部分を理解していない。これまでずっとね」


 「何も変えようとしないし、何も決断しようとしない。口先ばかりで行動が伴わない」という経営が、あっけなく業界の急流に足をすくわれ、驚くべき落差の凋落ぶりです。

 その技術とは、クラウドコンピューティングとか、web 2.0と言われるものです。
 IT用語辞典~Web 2.0特集:Web 2.0とは 意味・解説 - IT用語辞典バイナリ

 ウェブサービスくらいまでは、イメージとして意識していましたが、蜘蛛の巣からクラウド(cloud=雲)へと変遷し、しかもその新しい技術に乗り遅れたMicrosoftが、Googleに独走を許し同様に凋落しているYhooを買収して挽回しようという事なのですね。
 # 「はてなブックマーク」は、先日から試しに使ってみたりしてますが...。(^^;)

 【解説】Google,MS,Yahoo!のWeb企業買収レース,ついに最終コーナーへ:ITpro

 
  Yahoo!買収に打って出る,Microsoftの事情を分析:ITpro

Microsoftの時代遅れはいつものこと

 MicrosoftにはYahoo!のDNAが必要だ。Microsoftは頭の良い才能豊かな社員のいる巨大企業だ。しかし,Microsoftの成功は,すべて似たような時代遅れの経験に基づくものばかりだ。

 Microsoftがインターネットやクラウド・コンピューティングを理解できていないのは明らかである。悲しいことに,これはいつものことだ。 1990年代の半ば,テクノロジ産業がWorld Wide WebやNetscapeに夢中になっている時,当時のMicrosoftのCEOであるBill Gates氏は「The Road Ahead(ビル・ゲイツ未来を語る)」という本を出版した。

 しかし,その本でGates氏は,インターネットについて簡単に言及したのみだった。当時,Microsoftは旧式のオンラインサービスである「Microsoft Network(MSN)」の準備に多忙を極めていた。MSNは,CompuServeやGenieなどで使われていた時代遅れのモデルを流用したもので,インターネットへのリンクは皆無だった。

 それから10年経ち,Microsoftは,クラウド・コンピューティングに関する革新的なテクノロジを差し置いて,まだこの伝統的な製品を改良しようとしている。Microsoftはいまだにインターネットが分かっていないのだ。

 しかし,Yahoo!はインターネットを理解している(理解したのは最近ではあるが)。Yahoo!のエンジニア,経営幹部,社員は, Microsoftに必要な衝撃を与えられるだろう。そうでもしない限り,Microsoftは存続の危機に瀕するまで,このような衝撃とは無縁でいるに違いない(ラスベガスは今すぐに,どちらが勝つかを賭けたほうがいい。もし「古いMicrosoft」なら,すぐに死のカウントダウンを開始してもよい。死のカウントダウンは,間違いなく,1995年のWindows 95とMSNのリリースから始まったと言える)。

<中略>

Windowsとオンライン事業は切り離すべき

 次はなにが起こるだろうか。今後のコンピューティングは移動性の向上が主題となる。これは,有線の新しい機器同様,スマートフォンのようなモバイル機器が,これまでのように単なる電話やノートブック・コンピュータではなくなるということを意味する。

Microsoftの伝統的なプラットフォームは儲けが大きいが,世界は変化している。PCはいつでも身近にある。しかし(机に座ってマウスとキーボードを使う)従来のようなPCの使用は,オフィスで働いていない人々やその他の(熱烈なPCゲームマニアなど)ニッチ・マーケットにとって,どんどん一般的でなくなるだろう。

 いつでもどこでも使える無線接続とハードウエアの小型化のおかげで,コンピューティングはさらに普及し,その機動性も増していく。このテクノロジが使われる形式は問題ではない。Microsoftはこの移行の必要性をもっと危惧し,ユーザーが求めるソリューションを準備するべきだ。Yahoo!の買収提案は,正しい方向へ進む1つのステップだと思う。


 Yahooの設立者兼CEOのJerry Yang氏は2008年2月6日(米国時間),全従業員1万4000人にあてたメールで「米Microsoftによる乗っ取りを回避するため,当社の幹部はあらゆる手段を講じていく」と約束したそうです。
 今後の行方は余談を許しませんが、Microsoftでさえも、「古いMicrosoft」のままなら,すぐに死のカウントダウンを開始してもよいという、変化の激しい業界、世の中となっているのです。 今後の展開に眼が離せませんが、他人事では済まされません。

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by yuji_oga | 2008-02-11 20:00 | IT備忘録 | Trackback
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