カテゴリ:人口減少( 28 )

食の自給率

 中国産餃子事件を機に、食の安全保障、支給率の議論が高まっています。
 日本の食料自給率は、39%と言う数字もすっかり覚えてしまいました。
 更に、輸入食品に占める中国産品の比率の高さは、中国なしに日本の食が成り立たなくなりつつある現実を、思い知らせてくれました。
 注目の餃子等の輸入冷凍食品の約6割が中国産で、輸入食品全体では、17%を占めるのだそうです。しいたけの様に、輸入品の100%が中国産というものもあるようです。
 中国産食品って、どのぐらい輸入されてる? - [よくわかる経済]All About
 中国製食品を食べずに生きていけるのか?対策を考えてみる・・・ | 食育プロデュース委員会
 食料自給率 - Wikipedia

 ところが、その中国も2004年に食料の輸入額が輸出額を上回る、食料の純輸入国になってしまっているのです。2006年の人口は、13.1億人で、2000年に比べ、4千万人も増えているのです。日本の総人口が 1億を切り、9千万人になると言われているのですから、数値の大きさには改めて考えさせられます。
 経済成長で豊かになった事による食の内容の変化、工業化による農地の減少といった、輸入依存率の上昇理由は、日本と同じですが、分母の規模が違う分、世界中への影響力の大きさも桁外れです。石油価格がそうであるように、食料品価格の世界的な上昇、資源の争奪競争は今後激しさを増していくことになります。

 「中国食品を食べずに生きられるか?」といった現状の心配は、木炭の様に、中国が輸出を突然停止する事態が増えてくる、「中国食品の輸入が途絶えても生きていけるか」ということに備える必要が出てきた時代になっているのです。
 食糧自給率の向上については、農水省が2005年に「食料・農業・農村基本計画」を策定し、15年度に自給率を45%に上げ、将来的には5割以上にする目標を定めています。しかしながら、昔から唱えられている自給率の向上が進まないのが現実でした。今回の議論の盛り上がりが、熱しやすく冷めやすいマスコミや国民性で冷めることなく継続されることを願います。

 <クローズアップ2008>日本の食料自給率、39% 輸入依存脱却遠く(毎日新聞) - goo ニュース

 イギリスの様な、農家の競争力有無による淘汰や、農業の株式会社化は、参議院選での自民党大敗に繋がったのですが、国家の長期政策のもと導入は避けられません。
 「食料・農業・農村基本計画」で掲げる、「地産地消」(CO2削減でも必須)や、国産品への回帰策に国民の意識の高まりがある今回は、有効な具体的政策を矢継ぎ早に打ち出すことで、効果を上げられると考えます。

 そのひとつが、「耕作放棄地」 への対策でしょう。
 1985年に13.5万ヘクタールだった耕作放棄地は、2005年には、38.5万ヘクタールと、20年で約3倍に増えています。米の自給率がほぼ100%であること(需要減によるもの)が示すように、減反政策によるものですが、草が生え放題で何も作られていない田んぼが増え続けています。(2/21 読売朝刊 食ショック)
 理由は高齢化などによる労働力不足が、45%だそうです。
 また、日本の気候では、米の代わりに同等の労力で同等の成果を得られる農作物が少ないのだそうです。
 小麦は、春から初夏の収穫期に雨に打たれると品質が低下するのだそうで、北海道や二毛作が可能な地域に限られるのだそうです。春先に麦、つゆには水が張られて田植えといった昔の日本の風景が想い出されますが...。品質が日本産より、輸入品の方が上なのだそうですね。
 大豆も種をまく5~7月の雨の影響が大きいなど栽培が難しい上に、価格が1/2という輸入品との競争があります。
 野菜や果物は、米よりも手間がかかり、高齢化の農家が手掛けるのは無理なのだそうです。

 自給率は、「熱量ベース自給率」で語られているのだそうで、「重量ベースの自給率」に「飼料自給率」をかけ算されています。
 タマゴや牛乳は、ほとんどが国内の鶏や乳牛からとれたものですが、自給率は飼料の自給率の影響で、タマゴ=重量(95.4) X 飼料(10.1) = 9.6%となってしまうそうです。同様に「飼料自給率が低いものでは、牛乳= 27.5%、牛肉=11%、鶏肉=7%、豚肉=5%と低くなっているのだそうです。
 逆に魚介類は、日本の漁業者が漁獲したものは全て自給となるのだそうで、遠洋の外国の近海で獲れたり、水揚げして輸出されたものも自給としてカウントされているのだそうです。

 外国の土地で、日本による農業を行って自給率を上げるというのはさておき、耕作放棄地で飼料自給率を高めることなら、着手・効果実現の可能性は高いと考えます。
 世界的な穀物価格の高騰も追い風となり、農水省は、減反して余った田で家畜のエサ(飼料)用の米を育てる農家に、07年度補正予算から補助金を出すそうです。
 80%を輸入に頼り、その80%を中国に依存していて、中国の輸出奨励撤廃・関税賦課で値上がりしている"蕎"も、耕作放棄地を利用した栽培がはじめられつつあるようです。
 高齢者が直接耕作できないものは、株式会社化するなどして、それぞれが可能な役割を果たせば良いし、食品会社も安易な人件費コスト削減で中国等外国に投資するばかりでなく、国内の耕作放棄地の活用に知恵と投資を行うべきです。

 食の自給率向上には、消費者の理解と、生産者の知恵の合致が必要です。
 官民一体となった、改革に着手する機会が到来しています。

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by yuji_oga | 2008-02-24 17:58 | 人口減少 | Trackback

少子化対策に内閣が総力を挙げて真剣に取り組むと...。

 政府は9日、少子化の進行に歯止めをかけるため、「子どもと家族を応援する日本重点戦略会議」(議長・塩崎官房長官)の初会合を開きました。
 初会合の冒頭、安倍晋三首相は「内閣の総力を挙げて真剣に取り組む」と語ったそうです。
 しかし、主要五紙(読売、日経、産経、毎日、朝日)のうち、社説に取り上げたのは、産経と読売だけでした。
 
 【主張】少子化戦略会議 対策の問題点を洗い直せ|主張|論説|Sankei WEB
 2月11日付・読売社説(1) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 今回の会議が設置された背景には、昨年末に公表された将来人口推計で「将来も合計特殊出生率は1.26」の見通しで、半世紀後には総人口が8,993万人と現在の 7割に減るとされ、政府が「年金制度だけでなく様々な社会システムが維持できなくなる」との危機感を募らせていることがあげられています。
 また、総人口の減少に伴う女性の労働力の担い手としての立場も求められ、「仕事と子育ての両立が困難な現在の構造では、少子化を加速させる悪循環に陥る」ことの懸念もされているそうです。

 これまでにも少子化担当相のもと、「少子化への対応を考える有識者会議」が設置され、対策が進められていましたが、出生率低下の歯止めがかかったとは言えず、高市新少子化相は、その理由について、「政策は間違っていないが効果が出ていないという意見があった。少子化対策がなぜ高価をあげていないのかデータに基づき分析し、何を重点化していくか考えたい」と述べるに留まっています。
 人の意向の問題を、データで分析し対策を立てることが不用とは言いませんが、これを第一に考えているから、厚生大臣のような発言が出るのですが、高市担当相もまだ解っていない様ですね。
 少子化の歯止めの原因が解らず、現状分析も出来ていないと言うことで、4つの分科会を設けて議論するのだそうです。これまでに時間とお金をかけて行われた施策は、どうなるのでしょう?

 
少子化戦略会議 対策の問題点を洗い直せ (2/11 産経 主張)

<前略>
 戦略会議の設置を決めたときの危機感を忘れることなく、施政方針演説に沿った少子化対策を着実に実行していくことが、何よりも重要だ。政府の手厚い子育て策が実を結び、欧州一の多産国となったフランスを見れば、それはよく分かる。

 前少子化担当相の下で進められていた対策推進会議は昨年、経済支援を柱とする40項目の少子化対策をまとめた。そのポイントは(1)子育て支援(2)働き方の改革(3)国民運動の推進-で、大半が平成19年度予算案に盛り込まれた。だが、有効性への批判が出ている。それに「エンゼルプラン」など過去の対策が効果を上げてこなかったからこそ、ここまで出生率が低下したという現実も否定できない。

 少子化戦略会議は6月にも基本的な考え方を示す。屋上屋を架すのでなく、これまでの対策を分析し、その問題点をよく洗い直し、より実効性のある対策を検討すべきだろう。


 
少子化対策 財源とセットで戦略を打ち出せ (2/11 読売 社説)

<前略>
 政府がこれまでに何度も設置してきた少子化対策会議とは、顔ぶれがやや異なる。関係閣僚に財務相と経済財政相が加わった。税財政に詳しい経済学者を中心メンバーにすえた。

 財源とセットで少子化対策を議論しよう、という布陣は注目できる。政府が過去に打ち出した少子化対策の総合プランには、財源の裏付けが欠けていた。


<中略>
 具体的な施策のアイデアは、数次にわたる過去の少子化対策プランで、ほとんど出尽くしている。戦略会議には、施策に優先順位をつけ、大胆な実行への道筋を示すことが求められよう。

 少子化の反転に成功したフランスは、出生率が2の大台を回復した。日本の4倍も手厚い児童・家族手当を支給している。税制、雇用など、あらゆる面にわたる施策を動員して、育児と仕事の両立支援に手だてを講じた結果だ。国家的な取り組み次第で、少子化の流れを変えることは可能である。


 出し尽くされているこれまでの施策をゼロリセットするのではなく、欠けていたものはなにか、効果を産む優先順位はなにかを見直し、添削する方法で、速い実行が何より望まれるということです。
 実行が遅れるほど人口減が進み、対策も難しくなり、日本国の存在も危ぶまれかねない事態をまねくことになります。

 高齢化と少子化での人口減の社会は、残念ながら日本が先頭を走っている状況です。
 最近、随所で取り上げられるフランスの対策は、総合的なものですし、企業に強い強制力で施策を成り立たせてもいます。
 一方で、移民の導入での社会問題も生んでいます。
 日本で何処までまねできるかは、国民性、文化の違いがあるので考慮が必用ですが、働く女性が多くても、出生率が伸びているのは、是非学んで導入すべき施策を採用すべきです。

 フランス、出生率2.005まで上昇 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 フランスとドイツの家庭生活調査☆ -フランスの出生率はなぜ高いのか-
 曲がり角の欧州福祉・人口政策  ―フランスからの報告

 安倍首相は、少子化対策の費用として「消費税を含む税体系の抜本的改革の実現」を施政方針演説で言及していたのですが、選挙を控えた中間報告では、少子化対策の問題点と指摘されてきた財源確保の消費税率引き上げが盛り込めるか、他の財源確保策があるのかが鍵となります。
 テレビで、企業に負担させれば税金は使わなくても、出来る施策(長期育児休暇の給与支援、保育施設他)があると言っている議員もいましたが、その場合の税制など総合的な、官民・個人をあげた施策が望まれます。
 個人的には、子供の数に応じた年金支給率なども、産みたくても埋めない人への配慮など検討課題はありますが、導入検討に値すると考えます。


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by yuji_oga | 2007-02-12 18:08 | 人口減少 | Trackback

中国の人口抑制策は今後も継続

 中国のひとりっこ政策は、農村の労働力の必要性から生じる産み分けによる男子の急増や、高齢化社会による若者への負担増といった不具合がじてくることから、見直しの要望が出ていました。
 ところが、男女比や高齢化問題以上に、人口増大による環境破壊や資源不足、教育水準劣化の方が深刻と判断され、中国政府は、現行の計画出産政策(一人っ子政策)を継続する事としたのだそうです。

 
中国人口「2033年 15億」に抑制 出生率は1.8前後に (1/13 産経朝刊)

 中国政府はこのほど国家人口発展戦略研究報告を発表し、中国人口を2033年をピークに15億人に抑制するとの戦略目標を設定。目標実現のため今後30年間、女性1人が妊娠可能期間に生む子供の数(特殊合計出生率)を1.8人前後に厳密に制御し、現行の計画出産政策(一人っ子政策)を継続する基本方針を確認した。

 中国では1973年以降、計画出産政策を導入、この30年の間に出生率を5.8から1.8に引き下げ、約 4億人の産児減少に成功した。しかし、産み分けによる男子の急増で男女比のバランスが崩れ、2020年に3,000万人の男性が結婚できない状況や、高齢化により2040年代に60歳以上の人口比が30%に達するといった状況が予測され、計画出産政策の見直しを求める声も多かった。

 報告では男女比や高齢化問題以上に、人口増大による環境破壊や資源不足、教育水準劣化の方が深刻と判断。計画出産によるマイナス影響は新しい発想とメカニズムで対処していかねばならないとした。


 少子高齢化社会の歩む道は、日本が世界の先陣をきって見本を露呈しています。
 このマイナス成長スパイラルが回り始めた日本を身近にみてもなを人口圧縮政策を続けざるをえない中国は、どんな問題を内包しているのでしょう...?

 テレビで公害から生じる癌死亡率が急増している村のレポート(よく取材出来て無事持ち出し出来たと感心しますが...。)を放映していました。同様の村が急増しているのだとか...。
 放映した村は、皮革業者が垂れ流す廃液による水の汚染が原因とされ、皮革業者の社長にインタビューしていましたが、工場の排煙や水質汚染の業界は他にもあり、しかたがないことだと答えていました。

 環境破壊は、環境対応技術に投資し設備を導入して抑えるべきですし、省エネ対策をして資源の有効活用を進めるべきです。
 100年、1000年の計を観る中国にしては、この30年の政策の結果がどうなるかは分かっているのに、不思議な選択です。
 ひとりっこ政策でも、公表値ほどは人口は減っていなくて、日本のような人口減にはならないとの計算があるのか、表に出てきている環境汚染や、エネルギー不足が、相当深刻な内情なのかと、憶測してしまいます。

 人口抑制もさることながら、環境保護、省エネには積極的な投資をお願いしたいものです。


 
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by yuji_oga | 2007-01-14 23:48 | 人口減少 | Trackback

日本の人口が 1億人を切る

 社会保障制度など国の施策の基礎データとなる新しい将来推計人口が公表されました。
 昨年から始まった我が国の人口減は、50年後には1億人を大きく割り込んで、8,993万人となるという、衝撃的数字です。(昨年は、1億2777万人ですから、30%減
 8月の日経のシミュレーションとほぼ同じ結果です。
 先進国の中で、トップの人口減現象を邁進している我が国ですが、希望的観測の出生率ではなく、現状維持の出生率で計算した結果だそうです。
 
人口減への警鐘を重く受け止めよ (12/22 日経社説)

 社会保障制度など国の施策の基礎データとなる新しい将来推計人口が公表された。このところの急激な未婚化、晩婚化が響いて2055年の総人口は中位推計で現在の3割減の約9000万人、合計特殊出生率は超少子化状態の今と同じ1.26だ。

 放置すれば年金、医療、介護制度などのほころびは目にみえており、労働力不足も技術革新だけではしのげなくなる。推計を最高レベルの警報と重く受け止め、少子化対策と諸制度の再設計を加速する時だ。
 推計結果の打撃をまず受けるのは現役時の所得の50%給付を約束する公的年金制度だろう。これまでも甘い推計のため5年ごとに大きく修正された年金制度だが、前回推計の出生率1.39が前提では「100年安心」の触れ込みも空文同然だ。

<中略>

 新推計が描く50年後の日本の風景は異様というほかない。15歳未満の割合は総人口の8.4%の750万人。前の推計から300万人も減った。対する65歳以上の比率は40.5%。医療や介護への影響も計り知れず、こちらも制度の大胆な組み替えは避けて通れまい。
 生産年齢人口も全体の半分程度に減るから、日本経済に陰りが出るのは必至だ。楽観的な前回推計による試算でさえ働き手の減少ぶりは惨たんたるもので、雇用や少子化対策が進まない場合、今より2000万人以上減る。新推計の厳しいシナリオでは、1人当たりの生産性を上げただけでは成長は難しいだろう。

 これほどの深刻さにもかかわらず、少子化対策への強い覚悟は官民ともに感じられない。児童手当の乳幼児加算を来年度予算案に盛り込む過程でも棚上げ論、縮小論が相次ぎ、政府内の議論は迷走した。産業界も企業内保育所の設置から不妊治療休暇まで人目を引く育児支援には一部、着手し出したが、働き方の見直しなど抜本策には消極的だ。

 政府は近く、結婚・出産への障害が除かれた場合の仮の人口試算も公表する。一定の参考にはなるが、期待値を前提に年金財政などの議論が進み、制度改革が遅れては困る。子どもを産みやすいしくみと、人口減に耐え得るしくみのどちらが欠けても明日の日本は立ちゆかない。いますぐ両面作戦へのトップギアに切り替えるべきだ。

 他の各紙も一斉に社説や記事で、危機感と早急な対策の必要性を唱えています。
 【主張】将来人口推計 子供は宝ではなかったか|主張|論説|Sankei WEB
 12月21日付・読売社説(2) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 新人口推計 少子化の深刻さが浮き彫りに
 MSN-Mainichi INTERACTIVE 社説 人口減少社会 未来へ知恵を出し合おう
 asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-社説 人口推計 今から本気で考えよう

 深刻な影響を受けるものとして、各紙とも一番に上げているのが社会保障制度、中でも年金制度の崩壊を上げています。1人の受給者を、1.3人で支えることは、子供の養育費に懸念があり出産にとまどっている状況からは、不可能と言って良いでしょう。
 人口減は、団塊世代という戦争の影響の得意な年代層がいなくなれば、普通の状態で安定休息する。日本の適正人口は、8,000万なのか、何人なのかという意見も耳にしますが、少子化の歯止めがかからない限り、現象のスパイラルは加速されるばかりとなります。
 合計特殊出生率を、現状維持とした今回の計算でも甘いとする意見もあります。

 もう一つの大きな影響は、働き手の減少と消費の減少による、国内経済の縮小です。
 世界の人口は増えているのですから、企業は海外へ進出することで生き延びて行けますが、国内では働く人の人数も働くところも減ってしまいます。
 ここでも、市場が縮小するのだから、ロボット化など合理化を進めれば、人手不足は回避出来るとする考えがありますが、それでは、国内市場の縮小化を加速させることはあっても、活性化による豊かな暮らしは望めず、増えない収入に合わせたデフレ生活を強いられてしまいます。

 華僑やユダヤの商人、はたまたジプシーの様な暮らしが出来ないで、国内で働き、国内で生活をする多くの日本人を、政府がまもる気があるのなら、早く手を打たないと国が滅んでしまいます。
 出産・育児への支援(休暇、職場復帰、育児と仕事の両立のための保育園など、子供を産んで育てる夫婦が安心して子供を産もうという気持ちになれる環境)、高齢者の雇用促進による労働力の確保と、消費の確保といったところがあげられますが、大きく改革される政策は出されていません。(定年延長も、年金制度の救済で、支給年齢を上げたことに対応する色彩のもので、労働力不足を補うというレベルまで踏み込んだものとは見えません。)

 このblogでも書いていました、移民の受入で国内の労働力と消費の維持拡大を図る国もあり、日本でも検討が必要な時が来ていると言えます。
 
 30年、50年後に、私は生きていませんが、減少の悪化が顕著になる30年後といえば、今の30台の人たちが60台になる時代で、実際に遭遇するのですね。
 日本の国の財政は、今でも夕張市より悪いのですが、海外に生活拠点を構えるか、座して国と共に滅亡するの道を進むか、声を大にして改革の政策を訴えて実現させるか...。

 答えは決まっていますね。急がないと、残された時間は少ない!


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by yuji_oga | 2006-12-24 17:33 | 人口減少 | Trackback(1)

世界各国の少子化対策は移民受入

 大前研一氏の「世界は少子化にどう向き合っているのか」という頁がありました。
 大前研一:世界は少子化にどう向き合っているのか - 企業・経営 - nikkeibp.jp

 シンガポールは、初代首相のリー・クアンユーの時代から、「中国が本格的に目覚めてしまったら、たいへんなことになる」と危機感をもって様々な対策を打ってきていたそうで、スイスを模して、金融機関に対する規制を大幅に緩め、世界中の金融機関やファンドを集めることに成功し、大きな経済発展を遂げました。
 現在の経済成長を続けるためには約400万人の人口を維持しなくてはならず、そのためには年間で5万人の新生児が必要になるのだそうですが、実際には3万8000人しか生まれていない。だからその不足分を移民に求める、という計算で、少子高齢化に対応するため、海外からの移住者を一層受け入れる計画を発表したのだそうです。
 ただし、その内容は独自のもので、入学・入社試験ではありませんが、「頭のいい人だけシンガポールに来てくれ」「ただし子どもを産んで家庭を営むことは考えないでほしい」という条件付きで、世界的には「どうか」と非難される話ですが、当のシンガポール政府は意に介さないのだそうで、いやなら来るな、来るならこの条件、というあくまで国家目標達成のための手段、と割り切っているのだそうです。
 米国等で移民が増えることによって社会問題が生じた前例に対処しようというものです。
 国内の出産についても、「子どもは頭のいい人だけつくってくれ」=大学を卒業した人間に子どもを生んでくれ、と露骨に言い、一時は優遇税制まで設定したのだそうで、世界から顰蹙を浴びせられているとか。

 欧州では、英国が、自国の成長のために外国人を使うという政策を積極的に進めています。
 英国の若者が、医師、会計士、弁護士などのプロフェッショナルの職業を、なかなか選びたがらないとのことで、これを補う政策から、この分野ではインド人が圧倒的に多いのだそうです。
 英国の外国人の中東欧出身労働者の数が42万7000人に達したそうで、少々やりすぎて、中近東の人が多くなるという現実から、社会が複雑にモザイク化し、ロンドンの地下鉄テロ、そして未遂に終わった航空機テロに象徴される難しい社会問題が発生しています。

 スペインの列車爆発事件も、アラブ系の移民の犯罪で、若年労働者の賃金を巡る一連のフランスにおける暴動もアルジェリア・アラブ系の移民の不満が爆発したものと言われています。

 日本では、今年上半期の出生者数が前年同期と比べると1万1618人増え、もし下半期もこの傾向が続けば6年ぶりに出生率が上昇することになると言われています。
 婚姻も同様に、前年同期と比べると1万936件増加しているようです。
 猪口邦子少子化担当相は、景気の回復と婚姻の増により、少子化に歯止めがかかったと、喜んでいます。

 大前氏の見解は、そうではないようです。
 特に出産が増えているのは30~33歳の層で、第二次ベビーブームで生まれた子どもたちが遅れて結婚し、やっと子どもを産み始めたということであり、一時的なものとの見解です。
 
 日本で人口が減少していくことは、もはや避けられないことだ。何しろ増える要因がない。だからこそ、わたしが以前から言っているように、年間39万人という途方もない大きな数字を念頭に入れて手遅れになる前に能力の高い移民を受け入れる万全の準備や体制を整えておくことが唯一の解決策なのだ。そうしなければ、介護者がいない、工場労働者がいない、清掃などに従事してくれる人がいない、人件費が高騰する、という予想通りの結果になる。デモグラフィー(人口統計学)だけは10~20年先が明確に読めるのだから。

 シンガポールにならって、日本で同じ計算をしてみると現在のGDPを維持し、かつ急増する高齢者に現在レベルの介護を提供するためには毎年39万人の若年移民を受け入れないといけないのだそうです。
 安部新総理も、経済成長を重要視していますが、少子高齢化で国内市場が縮小化するなかでは、国内経済の成長はかなり難しく、働き手や、消費の確保には、移民受入の選択肢は避けて通れず、長期的な視野での、移民受入政策の確立が望まれます。
 シンガポールの様な制限は、人権の問題がありますが、例えば日本語が話せるなど一定の条件の下、子孫の暮らしも考えて、計画的な人数での移民受入といった、受け入れる日本社会にも、移民をしてくる人たちにも幸せをもたらすものが必用です。

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by yuji_oga | 2006-09-24 14:57 | 人口減少 | Trackback

人口減 50年後の日本

 出生率が、2005年の速報値の1.25のままだと、50 年後の日本はどうなるのかをシミュレーションした特集が、8/3の日経朝刊に載っていました。
 日本人の数は、2038年には一億人を割り込み、'55年には約8千万人になるそうです。
 現在、約128百万人で世界10位のものが、20位以下となり、今日本の半分の人口のタイに追いつかれることになるそうです。
 
 同時に、人口構成も大きく変わり、65歳以上の高齢者が人口に占める比率が、'05年の21.2%から、'55年には36.9%になり、1/3以上、4割近くを占めるのだそうです。
 15~65歳の生産年齢人口は、53.7%に下がり、高齢者一人に対する人数では、'05年の3人から、1.5人に負担が倍増し、子供の扶養と合わせると、一人で一人を支えることになるそうです。

 住宅やオフィスビルは空室だらけになり、現在並みの空室率で単純に計算すると、4割が不用になるのだと。
 少子化は、学校などの教育機関や関連産業に深刻な影響を与え、遊園地、おもちゃ、子供服といった産業でも多くの企業はたちゆかなくなります。
 そのほか、人口の減は経済全般に影響を及ぼし、経済成長にもブレーキがかかります。
 高齢者人口増は、医療や介護の増加も必用とし、介護にかかわる働き手が働き手不足で大幅に不足し、費用の増額や、外国人の働き手の導入が必用となります。
 
8/2日経朝刊 日本の50年後 シミュレーション から抜粋
 浮かび上がるのは国民の負担感ばかりりが高まり、消費心理が冷え込む活力無き停滞社会の未来像だ。

 同 人口減と生きる から抜粋

 高度成長を遂げた日本は子どもが減る事実を甘く見てきた。その結果、日本は主要国の先頭をきって、人口減時代に突入した。
 「日本の社会も年をとったのだから」。そんなひとことで片づけて欲しくはない。

<中略>

たそがれを甘受する国などないはずだ。未来を想像し、危機をとらえ直す。人口は縮んでも、なお伸びる国にする。目の前にある方程式は入り組んでいる。けれども日本人が答えを探す問題だ。解きがいがある大問題である。

 なぜ出生率が減っているのでしょう。答えは見つかっていないのです。
 団塊ジュニアに期待をされていましたが、その女性の年齢も30歳を越えてしまいました。
 働く女性の増加で、未婚、晩婚の女性が増え、高齢出産が増えていることも上げられています。
 英国では、出生率が急回復しているのだそうです。
 Experiences in UK 急回復している英国の出生率

 フランスでも回復しているとの事でしたが、北欧各国も含めた推移が以下の頁に載っていました。
 図録▽少子化対策と出生率の推移(日本など6カ国)

 費用なのか、時間なのか、はたまた人生観なのか、政府は担当大臣を設置していますが、まだこれといった対策の実行がなされていないように見えます。
 費用、時間のせいで出産を控える危惧の、抜本的な対策が望まれます。

 王子製紙の北越製紙TOBが、ほりえもんや村上ファンドではなく、三菱商事、日本製紙といった老舗一流大手企業の間で敵対していますが、シュリンクする国内市場で生き残りをかけての業界をどうすすめるか、変化への対応に遅れた企業(この場合は王子)が、競争優位をどう挽回し保つか、人口減→市場縮小という基本の流れが速まるこれからは、他のどの業界にも起こりうる話です。
 今後の日本の産業の行方を見る、先例として行方が注目されます。


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by yuji_oga | 2006-08-06 22:38 | 人口減少 | Trackback(1)

少子化対策 政府与党案

 日本の国力にかかわる人口減にたいする、少子化対策の政府・与党案がまとまった(6/14)のだそうです。(6/15 日経朝刊)
少子化対策は、自民、公明両党の案と、政府の「少子化社会対策推進専門委員会」(主宰・猪口邦子少子化担当相)の報告書をたたき台として検討されていましたが、佐藤博樹東大教授(人事管理)ら民間有識者委員と、猪口担当相との間に提言内容に違いがあるとされていました。
 専門委員が猪口少子化担当相に抗議 - 社会ニュース : nikkansports.com
 asahi.com: 猪口氏の少子化対策案、6専門委員が抗議声明へ-教育

 5月15日に提出していた、少子化社会対策推進専門委員会報告書「これからの少子化対策について」では、「子育て支援の環境が整備されていない現状では経済的支援のみでは子育ての安心感にはつながらない」として、「働き方の見直し」と「地域と家庭の多様な子育て支援」を「まず取り組むべき課題」と位置づけ、「乳幼児手当」などはあえて盛り込んでいなかったのだそうですが、同氏が「政府や与党の検討会などで提案されている事項を再編成した」として諮問会議に示した案には、「出産無料化」や「乳幼児手当の創設」「不妊治療の公的助成拡大」など経済的支援が明記されたというものです。
 
少子化社会対策推進専門委員会報告(平成18年5月) これからの少子化対策について
はじめに
 2005年の我が国の総人口は、明治時代以降、第2次世界大戦の一時期を除き、初めて減少に転じる見込となった。従来の予想よりも2年早く「人口減少社会」に突入した。出生率は過去30年間にわたって低下傾向を続け、近年は、出生数も毎年過去最低を記録している。
 こうした少子化の急速な進行による人口減少と高齢化の進行は、経済成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力の低下等、経済社会全体に広範かつ深刻な大きな影響を及ぼすことが懸念されている。
 今こそ少子化の流れを変えなければならない。
<中略>
政府においては、本報告を基にして、少子化の流れを変えるため、国民に対してメッセージ性が強い新たな少子化対策を打ち出すことを期待する。

2 少子化対策の基本的考え方
(少子化対策のねらい)
 少子化対策の個々の施策がどのような効果があるかということについては、必ずしも明らかではないが、我が国よりも出生率が高い水準で推移したり、低下傾向から反転したりしている欧州諸国の取組をみると、保育サービスの充実や働き方の見直し、仕事と家庭・育児の両立支援、経済的負担の軽減など、施策相互の関連を十分考慮しつつ総合的にさまざまな施策を展開することにより、全体として、子どもを生み育てやすい社会とすることが、少子化対策として効果的
であると考えられる。
 欧州諸国の人口動向をみても、出生率の低下傾向の流れを変えることは決して不可能なことではない。第2次ベビーブーム世代やその後の世代といった、我が国にとって、まだ20代、30代の人口層が厚い時期に、インパクトがある少子化対策を講ずることが大切である。

(少子化対策の基本的な考え方)
 少子化・人口減は社会的に由々しき影響を及ぼすことが懸念されるが、結婚や子育ては個人の自発的かつ喜びを伴った選択となるべきことは言うまでもない。従って、少子化対策が目指すべきは、実際に持つ子ども数が理想の子ども数に近づくことができるような環境整備であり、それが結果的に少子化の流れを変えることにつながることが期待される。こうした観点から今後の少子化対策を考える視点として、以下の4点をあげる。
 (1)子どもの視点に立った対策が必要
 (2)子育て家庭を社会全体で支援する対策が必要
 (3)ワーク・ライフ・バランスの実現や男女共同参画の推進が必要
 (4)家族政策という観点から少子化対策を推進することが必要

 政府・与党案は、1.25まで落ち込んだ出生率を早期に反転させるため、幅広い支援策を盛り込んだのが特徴とされ、若年層がゆとりを持って出産や子育てに取り組めるよう、労働環境の改善や経済支援の拡充を打ち出したものだそうです。
 具体的には、育児を子どもの成長期に合わせ5段階に分けて対策を設定しています。
 ①妊娠・出産から乳幼児期まで
   ・乳幼児向け手当の増額
   ・出産育児一時金の手続き改善
   ・不妊治療への助成拡大
 ②小学校入学前まで
   ・育児休業や短時間勤務の普及
 ③小学生期
   ・全小学校で放課後の補習事業
   ・スクールバスの導入
 ④中学・高校・大学生期
   ・奨学金の充実
   ・学生ベビーシッターの推奨
 ⑤社会人期
   ・若者の就職支援
   ・育児後の再就職支援
   ・育児支援企業の入札時優遇

 専門委員会と担当相との対立、不明な財源確保調整を抱えた案ですが、幅広く、急いで対策を講じようとする姿勢は賛同できます。

 米国で2.07、仏で1.9と欧米主要国が少子化対策で一定の成果をあげているのは、政府の手厚い支援(仏=二子、三子で増えるほど養育手当を増やす)や、民間企業の対応(米)があるのだそうです。

 政府・与党案の対策⑥として、「子育て世代への優遇税制」「育児支援企業への優遇税制」「家族の日・家族の週間の制定」が上げられています。
 どの対策も実施された方が良いに決まっていますが、年をとった段階の対策ほど実現への壁が高く「⑤社会人期」の対策は、まさに女性の出産への障害となっている直接・最大の原因だと考えられます。

 また、これらの障害や生涯の不安を取り除くには、更にインパクトの強い対策が必要で、例えば、非難を承知で提案すれば、子供の人数で年金の受給額に差をつけるなどといったものを、更に取り入れていって欲しいと願っています。

 地方自治体でも対策を頑張って実施していて、おみあいや、住宅提供で成果を上げている事例を見聞きします。
 国よりも具体的でわかりやすい対策で、眼に見える定量的な成果があがっています。
 多くの自治体や、政府も、欧米の他に、国内の成功事例も見習うべきでしょう。


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by yuji_oga | 2006-06-18 18:53 | 人口減少 | Trackback(1)

人口減に克つ

 元旦の全国5紙の社説は、日経と読売が人口問題、産経はいろいろ触れてあるのですが、アジア外交と日米同盟、朝日は武士道という言葉を出して日中韓問題、毎日はぐだぐだと小泉首相の悪口といった内容ですね。
 # 日経と読売は本紙を読みましたが、他はネットで見ただけですので、間違っているかもしれません。
 NIKKEI NET:社説 人口減に克つ(1)成長力を高め魅力ある日本を創ろう(1/1)
 1月1日付・読売社説(前半) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 Sankei Web 産経朝刊 主張 新たに始まる未知の世界 アジア戦略の根幹は日米同盟(01/01 05:00)
 asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-社説/武士道をどう生かす 2006謹賀新年
 MSN-Mainichi INTERACTIVE 社説/ポストXの06年 壮大な破壊後の展望が大事

 日本の将来にとって、江戸末期以来初めて人口減に転じかつ、急速に進行し歯止めがきかない状況は、10年、20年後の亡国を予兆させるもので、真剣な対策を必要とする重大課題だと考えます。
 2004年のスタートも人口問題は重要な課題として取り上げられていましたが、1年が終わってみたら予測以上の人口減の急加速で、改めて警鐘を鳴らさねばならない状況です。

 人口減でガタガタ騒ぐな、縮小均衡させ、小さな幸せをじっくり味わう事が出来るとの意見がありますが、人口が減少の動向は止まらず、これといった解決策も見つからずダラダラと流されてはいけません。
 
 人口減に克つために、日本は創造的改革をてこに新たな成長をめざさなければならない。働きがい、生きがい、育てがいがあり、世界からヒト、モノ、カネを引き寄せる。そんな「魅力ある日本」は成長を土台にしてはじめて創(つく)れる。100年後の日本のために、われわれはいま何をすべきかが問われているのです。

 日中韓の外交は、中国の覇権主義に対し、アジアの平和の実現には重大な意味を持ちます。
 日本経済も底から脱して、デフレ経済から脱出し反転して成長に向かう転機の年でもあります。
 ピックコミックの一面広告で「癒しは終わった。真剣勝負だ。」とありましたが、強い日本へ向け、国民ひとりひとりが厳しさを要求される一年になりそうです。


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by yuji_oga | 2006-01-01 23:02 | 人口減少 | Trackback