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最終局面を迎えた電力線通信

 総務省「高速電力線搬送通信に関する研究会」(座長は東北大学電気通信研究所の杉浦行教授)では、2005年1月から、電力線通信の実用化の可否を検討して来ましたが、9月中に実用化可否の結論を出すのだそうです。
 しかし、推進派と反対派が互いに譲らず、議長提案が出されているのですが、双方でこの提案にも反対しているのだそうです。
  
【最終局面を迎えた電力線通信・実用化「再」論争の真実】(5)注目の結論まで残り一ヶ月,今後の電波行政の試金石に : IT Pro ニュース
 
 遂に座長が「中間案」を提案する

 議論に残された時間が刻一刻と無くなっていく中,8月18日の研究会では遂に,座長の杉浦行・東北大学教授から折衷案とでも呼ぶべき新たな提案が出された。その提案とは「コンピュータの電源ケーブルから漏えいする雑音レベルをたたき台に値を検討する」というもの。だが,この値は,推進派,反対派のいずれの陣営も受け入れに難色を示す。コンピュータの電源ケーブルから漏えいする雑音レベルをそのまま規制値にすれば,推進派にとっては,悲願であった高速化はおろか「実用的な通信はできない」(推進派)ことになる。また反対派にとっても,主張していた保護基準値とはほど遠く「飲める話ではない」(反対派)。

 電源ケーブルからの雑音については,漏えい電磁波の測定方法と規制値を規定する「CISPR」で国際的に規定済み。杉浦座長は「推進派と反対派の折り合いがつかないのなら,既存の国際規格を規制値に据える以外にない」(杉浦教授)と説明する。また,研究会を取りまとめる総務省電波環境課の富永昌彦課長も,「折り合いが付かないときは中間点を落としどころにするのは国際的にも筋の通った考え方だ」と座長の提案に理解を示す。

 電波行政では、規制緩和には推進派と反対派が対立するのは良くあることのようで、最近ではUHF(ultra high frequency)帯を利用する無線IC(RFID:radio frequency identification)タグの例があります。
 ただ、これらは総務省の免許局同士の利害調整範囲内であり、総務局の調整で、最終的には双方が折り合うかたちで決着していたのだそうです。
 ところが今回は、利害関係者が多方面に渡っていて、調整が出来る範囲を超えているようで、こういった新しい技術が目白押しの今後の展開の事例となるケースとしても注目をされています。

 電力線通信が、屋内外を通じて実現されると、大きな変革が想定されますが、早期実現されることが望まれます。
 既得権、既存の技術にしがみつく抵抗勢力は、何処の世界にもいるようですが、進歩の邪魔をしないで欲しいものです。
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by yuji_oga | 2005-08-28 23:51 | IT備忘録 | Trackback

東京三菱とUFJの合併が延期

 東京三菱銀行とUFJ銀行は、10月に予定された合併を、1月に延期すると発表していました。
 延期に至った理由は、システム統合が主因とされていますが、どのような経緯が在ったのでしょう。
 両行のシステム幹部は、10月の切り替えは問題ないと主張してきたのですが、金融庁のテスト不足との指摘で、両行の経営層が統合延期を決め、システム部員のテストに落ち度があったかのように解釈できてしまう見方があります。
  
 東京三菱-UFJが合併延期を発表、「システム部員は分かってくれる」と畔柳頭取 : IT Pro ニュース
  今回のシステム統合を巡っては、両行のシステム幹部はこれまで一貫して、「システムは開発・テストともに完了している。10月の切り替えは問題ない」と主張してきた。にもかかわらず、金融庁が再三にわたりテスト不足を指摘してきた経緯がある。最終的に、両行の経営層が統合延期を決めたとなると、金融庁の指摘が正しく、システム部員のテストに落ち度があったかのように解釈できてしまう。

 こうした点について、「延期を決めた経緯をシステム部員にどう説明するのか」との質問に、畔柳頭取は、「システム部員が昼夜問わずがんばっていることは、十分認識している」とした上で、「だが、今回の統合プロジェクトでは、銀行には従来よりもさらに大きな責任がある。システム部員には、これまでよりも高いレベルのシステムを作り上げるため、いっそうレベルアップしてもらいたいと考えている。システム部員にはそう伝えたいし、システム部員も、分かってくれると信じている」と続けた。

 金融庁は、2002年4月のみずほのトラブルの再発を恐れていたのに対し、三菱東京には、1996年の東京銀行との合併後のシステム統合がうまくいった「成功体験」があり、両者の間に認識のズレがあったが、金融庁の指導が通ったとの記事も在ります。
  
検証 東京三菱・UFJ銀合併延期 : 金融ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
  両グループと金融庁が合併延期をめぐり、なぜここまでもめたのか。その原因は、両グループの中でも、とりわけ三菱東京の畔柳社長と金融庁との間のシステム統合をめぐる認識の差があった。

 4000万口座を抱える世界最大の銀行の誕生に、金融庁は、2002年4月のみずほフィナンシャルグループが起こしたシステム障害の「苦い教訓」を思い起こしていた。同じような障害が三菱東京、UFJの両グループのシステム統合で万が一、発生すれば、行政責任を問われかねないからだ。

 これに対して、三菱東京には、1996年の東京銀行との合併後のシステム統合がうまくいった「成功体験」があった。

 金融庁は、3月から6月にかけてシステム統合について立ち入り検査を実施したが、三菱東京は当初、「システム統合の準備作業としては常識」(大手都銀幹部)と言える、全店舗を対象としたテストに難色を示した。こうした認識のズレが金融庁の三菱東京に対する不信感の高まりとなって、ぎりぎりのタイミングで事実上の合併延期要請という事態に発展したわけだ。


 しかし、10月1日の合併を前提に、様々な準備を進めてきた顧客への対応は始まったばかりだ。出だしからつまずいた世界最大の銀行が信頼を回復するにはしばらく時間がかかりそうだ。


 ATMを停止した全国規模での本番テストを実施するのですが、更に慎重な準備を要求されている様です。
 みずほの事故当時は、多くの会社でシステムの準備の重要さが認識されていましたが、最近では、また、納期優先に戻る傾向もあるように感じていました。勿論、十分に時間をかける事を盛り込んだ計画を更に延期することが、奨励すべき事と言うわけではありません。
 金融庁では、この秋に指針を出すのだそうですが、安全を見極めたシステム移行が重要であることが、再認識される機会になったことは事実です。

  
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by yuji_oga | 2005-08-21 22:21 | IT備忘録 | Trackback

拡大する3次元データの活用

 設計開発のスピードと品質向上に、いまや3次元CADは重要な地位を占めています。そして、設計工程の3次元CADデータは、更に多岐にわたる分野での3次元モデルの活用にむけ、カタログや部品表がわりに3次元CGをネット上で顧客に公開するなど、用途に応じたデータ形式が開発され、活用され始めている様です。
 
日経ものづくり 8月号/ものづくり特報「CADから飛び出す3次元モデル」<抜粋>

 3次元モデルが開発プロセスを流通するデータの中核となった。
 しかし、多岐にわたる用途で3次元CADのすべての機能が必要なわけではない。逆に、設計工程向けツールである3次元CADの機能では不足する場面もある。
 データ形式にも、用途に応じた向き不向きがある。
 最適な3次元モデルの活用体制は、CADにこだわらない方が見つけやすい。

 3次元モデルの用途
  3次元モデルを中核とした設計情報は、設計部門だけでなく下流工程のさまざまな部門でも活用される。用途が異なれば必要な情報の内容も変わってくるため、全ての用途が同一の設計情報(3次元モデル)を必要としている訳ではない。

 用途に応じ情報を持てる
  
「JT(Jupiter Toolkit)」は、米UGS社が開発した軽量3次元データ形式。
  JTの内部構造は階層化されており、用途に応じて必要な情報を含むようになっている。CADデータとの違いは、履歴情報を持っているかどうか。
  JTの表示ツールは、無償ツールから高機能な有償ツールまで段階的にそろえている。

 サイズと速さを選べる3D XML
  
仏Dassault Systemes(DS)社が3次元CADの最新バージョン「CATIA V5R15」で導入したのが、XMLベースの軽量3次元データ形式「3D XML」だ。
  3D XMLの形状表現は2種類ある。一つは、XVLと同様に形状を数式で表現するExact形式で、ファイルサイズが小さくて済むのが特徴。もう一つのTessellated形式は
ポリゴンで近似する方法で、ファイルサイズがExact形式よりも大きくなるものの、表示が速いのが特徴だ。
 無償の「3D XML Viewer」があり、Webブラウザのプラグインとしても動作する。WordやPowerPointといったオフィス・アプリケーションで作成したドキュメントに、3D XMLファイルを貼り付けることも可能で、このファイルを媒体とすれば、3D XML Viewerをインストールしていないコンピュータであっても、3次元モデルをプレビュー出来る。


  XVL(eXtensible Virtual world description Language)ツールを3D XMLへ対応
  
3D XMLは登場したばかりのフォーマットで、DS社製品を除けば3D XMLをベースとしたアプリケーションの登場は今後のこととなる。
  その先陣を切りそうなのが、ラティス・テクノロジーだ。<中略>ラティスは、XVLを利用したドキュメント作成ツールやデザインレビュー・ツールを提供している。今後、これらのアプリケーションを3D XML対応にしていく予定だ。
  XVLも3D XMLも、XMLベースのフォーマットで形状情報だけでなく注記情報や属性情報などを含むことが出来る。オフィス・アプリケーション、特にExcelスプレッドシートとの連携では、単に3次元モデルを埋め込むだけでなく、属性情報を流用することで帳票の入力ミスを防げる。

  
# 更に高度なビュアー機能を含む、SolidWorks社のeDrawingsや、Adobe Acrobatの「U3D (Universal 3D」、Actify社のSpinFireなどの紹介もありました。

  標準化については、日本自動車工業界、欧米の自動車業界団体などが加盟する標準化組織「SASIG (Strategic Automotive productdata Standard Industry Group)」、米国の「AIAG (Automotive Industry Action Group)」と独自動車工業界(VDA)等で検討が進められている様です。

 世界を相手に活躍するトヨタの効率化にも、CGtが活用されているようです。
 
トヨタの効率化は、ITとCGで実現?/@IT:NewsInsight
  2005/8/2

 米ビジネス・ウィーク誌が7月に発表した2005年度の「世界企業ブランド番付」では、ソニーが前年の20位から 28位に後退し、韓国サムソンに抜かれて話題になった。日本企業の最高位はトヨタ自動車の9位(ブランドポイントは前年比10%増)。米国企業以外では、ノキアの6位に次ぐ2番目だった。日本企業は28位のソニー、50位の任天堂と続く。また、トヨタの2005年上半期の輸出が、前年同期比7.4%増の 101万7504台で上半期の過去最高を記録した。このように、“世界のトヨタ”は名実ともに世界に認められるトヨタになりつつある。その背景には、同社のお家芸ともいえる“効率化”があった。

 トヨタが“世界のトヨタ”を目指すのには理由がある。全世界の自動車市場は5937万台で、内訳は北米が1969 万台、欧州は1906万台、日本は全世界の約10%に当たる583万台だ。つまり、日本だけを相手にしていると、例えシェア100%を取っても世界シェアでは10%程度にしかならない。トヨタの現在の世界シェアは10%なので、日本市場だけだとこれ以上伸びる余地はない。そこで、同社は世界での販売を増やし、2010年までに世界シェアを15%まで伸ばすことを目標にした。

 この数値を達成するためには、「さらなる成長と効率がポイントとなる」(トヨタ自動車 常務役員天野吉和氏)だという。海外で成長するためには、その国や地域のニーズに合わせた車両開発が必須であり、現在よりも開発する車種が爆発的に増える。この開発需要を支えるためにはIT基盤の整備が必須とし、さまざまな改革を実施している。

 例えば、デザインや設計のDBを統一することで、従来のデザインから設計といった直列的な作業を並列化したり、作図をツールで自動化して時間を短縮する。設計で用いられたCADデータはXVLデータに変換され、そのデータを各部署がビューアを用いて閲覧・利用するなど、1つのデータを複数の用途で利用できるように改善した。また、3DCG技術の発達によって、設計図からCGの模型を作ったり、設計図の問題点をデジタル上で検討できる点が大きいという。

 CGやデジタルデータによる検討項目は、工場ラインにおける組み立て作業姿勢に無理があるかないかといった問題から、工場全体のレイアウトの効率化、ビジュアルマニュアルにまでおよび、すべてデジタル化することを目標に現在計画を進めている。そのほか、車両デザインやエンジン設計、振動実験、衝突実験などもデジタル化を進めている。

 直近では、同社のテレビCMにおける車両の一部や、LEXUSのWebサイトの見積りページやカタログページにも同社のデジタル技術が応用されているという。さらには、関連メーカーや海外拠点、海外パートナーまでデジタルデータのプラットフォームを統一することによって、データの有効活用を図る。2006年までには海外を含めた統一を目指す。このようにITを活用して効率化を進め、商売を進めるトヨタの姿勢は製造業以外にも役立つのではないだろうか。

(@IT 大津心)

 デジタルデータのプラットフォームを統一することが、社内外の有効活用(データ共有、協働)には欠かせない...。
 製造業の中でも(=我が社)学んで、3次元データの更なる有効活用を進めなくては...!

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by yuji_oga | 2005-08-15 00:58 | IT備忘録 | Trackback

Windows Vistaに、RSS搭載の危惧

 次期Windows「Windows Vista」にRSS技術を組み込むというMicrosoftの発表とともに,セキュリティに関する小さな懸念がわき起こっているのだそうです。

 
 RSSにまつわるセキュリティの懸念 - nikkeibp.jp - IT

 侵入者がRSSに目をつけた
 RSSはコンテンツの配送車だ。そのコンテンツを読んだり,見たり,聞いたり,またはそのほかの処理をするには,いくつかのタイプのヘルパー・アプリケーションが必要である。例えば,RSSでMP3のオーディオ・ファイルを受け取るなら,同時にそのファイルを聞くためにMP3プレーヤを起動することになる。HTMLやビデオ,文書などでも同じことがあてはまる。RSS関連のデータを扱うために使われるアプリケーションにセキュリティ上のぜい弱性があれば,当然,侵入者は罠を配信する方法をいつか必ず見つけるだろう。

 RSSは広く使われており,RSSフィードは通常,自動的に更新されるので,多数のシステムをだれかが非常に素早く攻撃できるようになる可能性は高い。例えば,もしあなたのWebブラウザやメディア・プレーヤ・ソフトに問題があれば,特別に作ったコンテンツを配信することで悪用される可能性がある。
 <中略>

  結論として,RSSはそれ自体は大きなセキュリティのリスクにはならず,何か問題があったり,問題を起こしたりしても大したことはない。私が考える限り,本当のリスクは,RSSフィードがほかの問題のあるソフトウエア,例えばWebブラウザやメディア・プレーヤ・ソフト,ワープロなどのようなものと連携するということだ。

 ユーザーを守るためには,そういったアプリケーションができる限り安全になるように開発される必要がある。それが実現できていなければ,今私たちが享受している素晴らしいRSS技術は,広く普及しないであろう。

 RSSはあらゆる種類のコンテンツを運ぶために使え、RSSフィードに添付ファイルを含める方法があり、オーディオ・ファイルを配信する方法であるpodcasting、ビデオやソフトウエアの差分,文書/表ファイル,そのほか,あらゆるデータを配信するために使えるのだそうで、その可能性はほぼ無限と言われています。
 それだけ可能性がある故に、危惧もあるようです。
 
 結論は上記に書かれていますが、素人のわたしには、無限の可能性故の懸念を払拭は出来ません。「Windows Vista」や、IE 7の開発者に、安心してこの素晴らしい技術が使えるような開発を期待しています。
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by yuji_oga | 2005-08-14 00:40 | IT備忘録 | Trackback

中国海洋石油、ユノカル買収断念

 中国海洋石油が、資源確保で世界各地の資源関連の買い取り確保を進めていますが、米国のユノカル買収では、米議会の国家の安全保障を背景とした強い反発のもとに、買収の断念を、2日発表したそうです。
 「国際的石油会社の買収を軸に、エネルギーの安定確保を目指す中国政府の戦略は、見直しを迫られる。」(日経)ことになるようです。

 胡錦涛主席の9月訪米を控える中国としては、7月の人民元改革に続き、対米関係の安定を重視して決定的対立を避ける姿勢が目立つという見方もあるようです。
 asahi.com: 政治と商売、溝埋まらず 中国海洋石油、ユノカル買収断念-経済を読む - ビジネス
  
 米石油会社ユノカルをめぐる買収合戦は、中国海洋石油が断念することで幕を閉じた。もともと米国内で巨額の対中貿易赤字を背景に中国への警戒と不満が強まっていたところへ、安全保障にかかわるエネルギー分野とあって政治問題化し、純粋なビジネスと主張する中国との溝は埋まらなかった。今後も米中摩擦の火種は尽きないが、胡錦涛主席の9月訪米を控える中国としては、7月の人民元改革に続き、対米関係の安定を重視して決定的対立を避ける姿勢が目立つ。
 <中略>
  中国海洋石油の株式の7割は国有石油会社が握るだけに、米議会は国家戦略の担い手とみた。中国への売却を一時は真剣に検討したユノカル経営陣も、米国内の反発の大きさや売却手続きの煩雑さを考えると、得策でないと判断したようだ。

 だが、中国は今後も官民一体で資源外交を進め、欧米からの権益買収に摩擦覚悟で動かざるをえない。2020年の経済規模を00年の4倍にするという政府目標を達成するには、石油が2倍以上必要とされるからだ。
 <中略>
全米アジア研究所でエネルギー安全保障を担当するマイク・ハーバーグ氏は「中国政府は今回の騒動の結果、台湾海峡での緊張時には、米国は中国へのエネルギー供給を遮断すると判断するだろう。エネルギー確保競争が激化し、アジア全体が敗者になる。米国が中心となり、アジアのエネルギー安保で協力関係を築くべきだ」と指摘する。


 国際化を目指す中国企業のM&Aのことは、前に少し書きましたが、今回で多少の停滞や米中間の火種はあるものの、上記の記事では以下のように続き、今後も続きそうです。
  
●中国の買収分野、多岐に

 中国企業が外国企業を買収する動きは、エネルギー分野以外でも加速している。ブランド力や技術力、海外販売網で劣る中国企業は、海外進出では既存会社を買収したほうが近道と考え始めた。ユノカル同様に断念したが、中国家電大手ハイアールによる米メイタグの買収提案もその一つだ。

 米国は、中国による米企業買収すべてに反対しているわけではない。中国のレノボによるIBMのパソコン事業買収では、議会の一部から「安全保障上の懸念」が示されたが、結局は認められた。メイタグ買収は政治問題にならなかった。

 ただ、米企業買収は今後も摩擦に発展しかねない。ヘリテージ財団のジョン・タシク上級研究員は「民主党と共和党がことごとく対立している米議会で現在、唯一合意できるテーマが反中国だ」と指摘する。人民元改革など火種は尽きない。

 米中両政府は、北京で2日まで、政治・経済など幅広い分野を話し合う初の定期高官協議を開いた。摩擦拡大を避けて共通利益を追求する総論では一致しており、今後も米議会などの強硬論に配慮しつつ落としどころを探る状況が続きそうだ。

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by yuji_oga | 2005-08-07 23:35 | 気になる話 | Trackback