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HDDが消える日

 iPodの登場は、音楽や映像の販売流通革命をおこす、新しい時代のラジオ放送の始まりとなる、CDやDVDといった記憶媒体を過去のレコードの様に一掃するなどと、多くの変革を予期させ注目されていました。
 これは、携帯が可能な小型化が、HDDを使用し大容量の記憶が実現されたことが、洗練されたデザインと相まって多くの消費者に受け入れられているからです。
 今度、「iPod mini(ミニ)」の生産を中止し、「iPod nano(ナノ)」が売り出されました。
 「iPod nano(ナノ)」は、HDDをやめ、高価なNAND型フラッシュメモリー(電気的に一括消去再書き込み可能な半導体メモリー)を採用し、更なる大容量記憶と小型・軽量化を実現したのだそうです。
 これは、CDやDVDどころか、HDDが消えてなくなることを予見させると言うのです。
 
 仕掛け人は、サムスン電子。
 フラッシュメモリは、2004年8月にくらべ、今年6月には6割を切る価格にまで値下がりしたとは言え、HDDの倍の価格で、2006年の第2四半期には1/3に迄値下がる見込みといわれているようですが、未だ高いのです。
 それでもアップルが、iPodナノに4ギガバイトのフラッシュメモリーを採用したのは、サムスン電子が相場より安い価格で提供したことによるものです。
 
フラッシュメモリー採用「iPodナノ」の衝撃、HDDが消える日 - nikkeibp.jp - 企業・経営

 進むフラッシュへの移行

 そもそもHDDの強みは、記録できる情報量当たりの単価が安いことだった。ところが、フラッシュメモリー市場の主導権を握るサムスンが需要喚起のために価格を引き下げてきたことで、HDDの需要がフラッシュメモリーに移行する可能性が出てきた。iPodナノは、その先駆けと言ってもいい。

 もともと、業界内では、「価格が半分に下がれば、小型記憶媒体の主流がフラッシュメモリーに移行すると見られている」(クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券の西範也シニアアナリスト)。これはHDDと比べた場合の最大の弱点が、価格の高さにあると考えられてきたからだ。「価格がHDD並みになれば、故障しにくくて寿命が長いフラッシュメモリーがいい」。電機メーカーの技術者たちも、こう口を揃える。

 HDDの需要がフラッシュメモリーに移行していくことで痛手を被るのは、HDDメーカーだ。

 既に日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)は、生産量の10%近くを占めていたiPodミニ向けHDDの需要を失った。ある日立GSTの幹部は、こう説明する。「別の取引先などに販売したことで業績への影響は少なくて済んだ。今後は20ギガバイトまで1インチHDDで実現できる見通しなので、フラッシュメモリーに対する優位性になるはずだ」。

 しかし、サムスンの攻勢は続いている。既にアップルに対して、「HDDのビット単価を下回る水準でフラッシュメモリーを供給する条件を提示したようだ」(業界関係者)。この取引によって、アップルは今後、より大容量のフラッシュメモリーを搭載したiPodを発売する公算が大きい。

 さらに、サムスンは9月12日、最大で32ギガバイトを記録できるフラッシュメモリーを発表した。2006年後半から量産する計画で、10ギガバイトを超える記憶媒体までが、フラッシュメモリーに置き換わる可能性が出てきた。

 携帯電話はもちろんのこと、フラッシュメモリーを記憶媒体としたノートパソコンの登場も視野に入る。

 小型化の強みが失われる

その時、何が起きるのか。

 フラッシュメモリーの採用が広がっていくことで、より簡単に小型で薄いモバイル機器を作れるようになる。つまり、日本企業が得意としてきた小型化の技術だけでは、製品の差別化が難しくなってくるわけだ。

 ソニーは新型ウォークマンで、本体のデザインもデザイナーに一任する異例の開発体制を取った。使いにくいことから不評だったソフトも、最初から作り直したうえで、音楽配信サービスとの連携を強化した。それらは不得手だった領域にまで踏み込まないと生き残れないという、決意の表れと言える。「ウォークマンのブランド力を再構築する」と力を込めたソニーの辻野氏は、iPodナノを手に取り、その思いを一層強くしたはずだ。

 かつて日本勢が世界を席巻した汎用DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)はサムスンを中心とした韓国勢の独壇場になり、日本が技術の先頭を走ってきた液晶も、韓国や台湾勢の価格攻勢を受けるようになった。iPodナノが見せた小ささと薄さ、軽さは、今後あらゆる製品分野で日本が立ち向かわなければならない競争の訪れを予見しているのかもしれない。(瀧本 大輔、大竹 剛)

 サムスン恐るべしとは、改めて震撼する思いです。
 同時に、日本の製造業も、高付加価値品はと安心していると、同じ土俵の競争ではなく、基本構造を変革させる発想と技術で、根底からいまの最先端技術が打ち砕かれて、無用の長物化することを知り、切磋琢磨し、新しいアイデア・知恵・発想を磨かねばなりません。

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by yuji_oga | 2005-09-25 23:20 | IT備忘録 | Trackback(1)

ソニーの中期経営計画は、松下電器に酷似

 日本の産業の復活には、かつての花形であるソニーの、負け組からの復活が望まれます。
 新経営陣に交代して、100日が経過するのですが、中期経営計画が発表されました。
 想定内とか、不採算事業から撤退し資源の集中化と言っているが具体策がないとか、かっての様にサプライズや劇場的発表もなく評価は今ひとつの様子ですが、「松下電器の「創生21計画」に酷似」との評価がありました。

 そういえば、最近の松下はめざましい復活振りで、例えば、ノートパソコンも来社される取引先の方も、自社内でも殆どが松下製に変わっている...。
 ダイエーの中内さんがお亡くなりになり、日本の一時代を築かれたことは尊敬に値するもので、冥福をお祈り申し上げますが、終盤では「消費者が見えなくなった」と語られていたそうです。松下のパソコンは、今、消費者を捕らえています。
 
ソニーの中期経営計画、すべては想定内に収まる - nikkeibp.jp - 注目のニュース

 ソニーは、今回の新方針において、エレクトロニクス事業の復活を目指し、三つの観点から改革に取り組む。

一つは、ストリンガーCEOが「サイロ」と呼ぶ、組織間の壁を取り壊すこと。これに、徹底して取り組んでいく姿勢を見せた。大きく評価できるポイントだ。

ソニー独自の組織形態であるネットワークカンパニー制を廃止し、事業本部制に再編。10月1日付けで、3ネットワークカンパニー8事業組織体制から、4事業本部+1部門体制へと移行する。新設するオーディオ事業本部では、これまで、パーソナル、ホーム、車載の3分野に分かれていた体制を一本化。同社が蓄積する音に関する技術を共有化することで、品質の高い製品を、短期間かつ低コストで開発する体制を整える。

二つめは、事業本部制の採用と並行して、全社横断機能を強化することだ。商品戦略、技術戦略、生産戦略、販売戦略、資材戦略を各執行役が担当し、それぞれの視点から四つの事業本部を横串にして管理する。全社一丸となって製品開発から販売戦略までを遂行できる体制をつくる。

「社内にできていた部門間の高い壁をなくす、あるいは壁に窓を作って、隣が見えるようにするといったことが必要」とストリンガーCEOは語る。部門間の壁の存在によって分散化していた技術、ノウハウを融合させることで、ここ数年、欠如していたと言われるソニーらしい製品の創出へとつなげたい考えだ。

そして、三つめが研究開発体制の強化である。ディスプレイデバイス開発本部を設立し、中鉢良治社長自らが本部長に就任。ソニー独自の有機ELディスプレイの研究開発に積極的に取り組んでいく。また、汎用ミドルウエア、DRM(デジタルライツマネジメント)およびコーデック関連ソフトを対象にしたソフト開発体制の強化や、半導体デバイスへの集中投資も重点分野として上げた。2006年度から2007年度にかけての研究開発投資額は3400億円に達する予定だという。

松下電器の「創生21計画」に酷似

改めて今回の中期計画をながめると、エレクトロニクス事業復活に向けた数々の施策は、松下電器の中村邦夫社長が2000年11月に打ち出した「創生21計画」に酷似している。

カンパニー制を廃止し、組織の壁を取り壊すのは、松下電器が取り組んだ事業部制の廃止、ドメイン別事業体制への移行と同じだ。また、横断機能の設置と強化は、松下電器復活の原動力となったパナソニック/ナショナルマーケティング本部の設置に酷似している。それを技術面からとらえれば、松下電器の半導体社の位置づけとダブらせてみることができるかもしれない。

さらに、研究開発部門の強化およびソニー独自技術への投資は、松下電器・中村社長がよく口にする「ブラックボックス化」と同じ意味に受け取ることができる。

赤字転落からの復活シナリオであること、目標とする連結営業利益率が5%というのも、創生21計画と同じだ。

松下電器に遅れること5年を経過して、ソニー版「破壊と創造」がようやく始まったと言っては言い過ぎだろうか。


 記事によると、中鉢社長はこの100日間、顧客、販売店、サプライヤー、投資家の声に耳を傾け、多くの社員の声を聞き吸い上げるなどされ計画を造られ、発表の隻では以前とは顔つきが変わっていたとか。
 今回の計画は、出井前グループCEOが打ち出したTR60の計画を取り下げ、営業利益率の目標をその半分に下方修正して打ち出した、夢物語ではない地に足のついた計画ということですので、ソニーの復活への基調変更を期待しましょう。

  
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by yuji_oga | 2005-09-24 19:39 | 企業改革 | Trackback

中国の携帯電話市場では、Nokiaが台頭

 世界の工場といわれた中国は、中国国内の経済成長が大きく、いまや世界の経済成長のリーダー役となり、米国の影響力を追い越すかと思われる勢いです。我が国の貿易も、米国を追い越して中国が一位となっていますね。
 
中国、日本の最大の貿易相手国に 米国抜く
  中国が日本にとって最大の貿易相手国になった。日本財務省が26日発表した2004年の貿易統計速報によると、日本の香港を含む対中国貿易総額は22兆2千億円(約2132億8千万ドル)に達し、初めて対米国貿易総額(20兆4800億円、約1967億5 千万ドル)を抜いた。

 対中貿易が増加した主な原因には、日本企業による生産拠点の中国シフトが加速すると同時に、日本企業の中国への部品輸出、中国からの製品輸入が激増したことがある。日本財務省の統計では、04年の貿易総額のうち、対中貿易の占める割合は20.1%で、対米貿易の18.6%を上回った。

 「人民網日本語版」2005年1月27日

 
日中貿易概況
 2004年日中貿易概況

(1)6年連続で過去最高額を更新: 財務省貿易統計(円ベース、輸出は確報値、輸入は速報値)を基にジェトロがドル建て換算したところ、2004年の日中貿易総額は1,680億4,794万ドル(前年比26.9%増)と99年以降6年連続で過去最高額を更新した。輸出入双方が高い伸びとなり、日中貿易は拡大基調を維持している。

(2)輸出は素材、部品を中心に好調を維持するも、建設機械、自動車など一部品目でマイナス: 輸出は738億3,295万ドル(前年比29.0%増)と、99年以降6年連続の増加となった。半導体等電子部品(12.2%増)、音響映像機器の部分品(同15.4%増)、液晶デバイスを主とする科学光学機器(同44.6%増)、自動車の部分品(同33.1%増)、自動車・家電向けの鉄鋼(同31.7%増)、化学製品(同38.5%増)など、現地調達が困難な素材や部品が輸出を牽引した。また金属加工機械(同68.2%増)、ポンプ遠心分離機(同 41.1%増)などの産業機械も高い伸びを維持した。一方、建設用機械(同14.8%減)、通信機(同45.7%減)、自動車(同14.2%減)はマイナスに転じた。

(3)生産拠点のシフトに伴う機械機器の輸入が大幅に増加、繊維製品、食料品も堅調に推移: 輸入は942億1,498万ドル(前年比25.3%増)と、99年以降6年連続の増加となった。日系企業の中国への生産拠点シフトに伴い、パソコンやプリンターなどの事務用機器(同31.2%増)、DVDプレーヤーなどの音響映像機器(同32.8%増)、携帯電話などの通信機(同58.2%増)が高い伸びとなり、汎用品を中心に半導体等電子部品(同82.1%増)、液晶デバイスなどの化学光学機器(同26.3%増)の輸入も伸びた。輸入の2割のシェアを占める繊維製品(同13.1%増)、食料品(同21.5%増)も堅調に推移した。

(4)実質的な貿易収支はほぼ均衡: 日本の対中貿易赤字は203億8,203万ドルと、2003年に比べ24億839万ドルの赤字拡大となった。しかし、香港経由分を勘案すると、中国のWTO加盟(2001年末)を境に、対中貿易赤字は急速に縮小、2004年はほぼ均衡となった。

(5)2005年の貿易総額は引き続き過去最高を更新、1900億ドルを突破する見込み: 2005 年の対中貿易は、輸出においては、パソコンや家電の世界需要の後退と耐久消費財の在庫調整の動きが長引く可能性があり、やや不透明感が残るものの、中国の内需向けの完成品、素材や部品など中間財の堅調な輸出増加が見込まれ、輸入においては、日系企業の生産拠点の中国シフトが続いていることから、完成品の一層の輸入増加が見込まれる。以上のことから、2005年の日中貿易は引き続き輸出入ともに拡大し、通年の貿易総額は7年連続で過去最高を更新すると思われる。

 中国国内で、成長の牽引車と言われる市場のひとつが携帯電話ですが、その勢力図に変化が出てきている様子です。
 ピーク時(2003年)には50%近かった中国メーカーの中国市場における販売台数シェアが,2005年7月に約40%まで下がってしまい、Nokiaがシェアを伸ばしているのだそうです。
 
中国の携帯電話機メーカーはNokiaにシェアを奪われジリ貧に - nikkeibp.jp - 製造
  中国の携帯電話機メーカーが2004年第3四半期に始まった不況の長いトンネルから抜け出せない。生産回復の兆しすら見えない状況だ。トップの中国 Ningbo Bird社でさえ,在庫問題は解決していない。同社はそれまでの月産60万台ペースから2005年4月,5月にいったん同100万台近くまで戻したが,6 月以降は再び月産50万~60万台まで生産を絞った。シェア拡大を狙って生産を増やしても,在庫を増やすだけに終わるからだ。中国TCL Mobile Communications社や中国Amoi Electronics社など2位以下のメーカーは,さらに厳しい状況だ。2003年のピーク時には50%近かった中国メーカーの中国市場における販売台数シェアは,2005年7月に約40%まで下がってしまった。

□最も売れている機種はモノクロ

 中国市場で中国メーカーがシェアを落としたのは,フィンランドNokia Corp.の攻勢によるものだ。この1年で同社のシェアは7ポイント上がって20%を超えた。Motorola, Inc.や韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.でさえシェアを維持するのがやっとの中,Nokia社の好調だけが目立つ。それは,中国市場の1/3を占める1000元以下の価格帯の市場を狙ったNokia社の戦略が功を奏したからだ。この市場で同社の販売台数シェアは30%近い。

 実は,2005年7月に中国で最も売れた機種は,Nokia社のモノクロ機(約500元)である。この影響をまともに受けたのが,これまでローエンド機市場でシェアを持っていた中国の携帯電話機メーカーだ。ハイエンド機は外資系メーカー,ローエンド機は中国メーカーという構図はもう当てはまらない。

□規制緩和と元切り上げで環境はさらに厳しく

 2004年末に中国政府が,中国で携帯電話機を販売するためのライセンス条件を緩和した。これにより参入する中国メーカーは後を絶たない。したがって, Nokia社のシェア拡大で小さくなったパイをさらに多くの企業で取り合う結果になった。こうなると中国メーカーは海外市場に活路を見出すくらいしか手がない。しかし,2005年7月の人民元の切り上げが重くのしかかる。中国メーカーを取り巻く環境は厳しくなるばかりだ。

 ジリ貧の中国メーカーから携帯電話機を開発できる技術者が離れ始め,開発力を失った中国メーカーはデザインハウスに設計を頼むしか方法がなくなってきた。中国メーカーの衰退とは対照的にTechfaith Holding社やLongcheer社などのデザインハウスが勢力を伸ばし始めている。

 高品質、高機能品は外国メーカーで、低価格の汎用品は中国製というこれまでの概念が崩れてきています!!!
 携帯電話の世界市場では、日本のメーカーはシェアは少なく、アジアでは韓国勢が健闘しているのですが、中国勢は早くも脱落といったところなのでしょうか...?

 2004年の世界シェアは、以下を参照下さい。
 韓国勢が躍進,2004年の携帯電話機市場 - 産業動向オブザーバ - Tech-On!


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by yuji_oga | 2005-09-19 17:51 | 気になる話 | Trackback

巷で話題の「業務用スーパー」

 近所(と言っても、車で20分くらいかかる)に、お肉を大きな固まりで売っている店が出来て、安くて品物もいいとの評判らしい。
 激安の倉庫販売のアメリカ流販売は、以前から見聞きすねが、肉は珍しい。どうやら、「業務用スーパー」というものが巷で話題になっていて、ググってみるとこの店もそのひとつ。

 巷で話題の「業務用スーパー」と題した、以下記事が解りやすくまとめてあったので、備忘録として引用、控えておくこととした。
 
NV-CLUB ONLINE/辰巳渚の「ニュースのツボ」:巷で話題の「業務用スーパー」から消費者を考える

 ▼「業務用」を名乗る食品スーパーが消費者の人気を集め、店舗数を増やしているという。もともと飲食店などプロ向けに冷凍食品や調味料などを扱う店で、数や量を一定以上まとめて低価格で売る形態。通常のスーパーより割安なため、利用者の3-8割が一般消費者だという(日本経済新聞、8月25日夕刊)。

▼「業務スーパー」の店名で全国に約330店を展開する神戸物産は、来年から年100店のペースで店舗網を拡大する。「肉のハナマサ」を首都圏で約60店展開するハナマサも、年20店の新規出店ペースを続けている。

▼一般スーパーも業務用食材の扱いに乗り出している。イオンは「ジャスコ」を中心に、業務用食材コーナーを設置、約100店で販売している。

 実は、このところ外資小売業の日本進出の動向を気にしていて、そのなかでも西友のウォルマート方式(エブリデー・ロー・プライス)が難航していること、会員制ホールセールクラブのコストコの業績がよいことに注目している。

 <中略>
 そんな状況なのに、コストコは評判がいい。コストコは、アメリカでウォルマートに次ぐ企業だ。もともとは事業者向けの卸売業で、個人も利用できる仕組みになっている。事業者も個人も、入会金を払って会員になることで利用できる。1999年に福岡市にオープン後、現在5店舗(店舗というより倉庫だが)を展開している。これが、人気なのである。郊外に出店していることから、典型的な利用客像としては次のようなイメージだ。

 子どもが2、3人いる若い家族で、郊外のマンションか一戸建てに住み、土日に車で家族揃って買出しに出かける。妻は冷凍食品をじょうずに食生活に生かしており、インターネットでの情報収集にも強い。家電やパソコンを買うときも、夫婦で相談していっしょに買いに来る。ほかにも、トイザらスや各種アウトレットモールをじょうずに使いこなしている。

 <中略>
 私は、当初、ビールやティッシュといった日用品のまとめ買い、そして同時にアメリカンな場を楽しむ娯楽としてのイメージを想像していたのだが、実際の利用者は、食品をまとめ買い(まとめ買いという言葉のイメージを超えた「どっさり」なのだ)して、しかも日常の行為としても、味としても満足しているらしい。

 なにか、ここには割り切れない思いがある。一般消費者向けに売られているものに対しては、消費期限の表示にしろ、生産者の表示やトレーサビリティにしろ安全性にしろ、非常にナーバスになっている。一方で「業務用」は「安い」というだけで支持されているのだろうか。少なくとも、私が見た町田市郊外は、東京に勤めるサラリーマンの多い地域だ。デパ地下でおいしい惣菜を買って帰ることもあるし、主婦は友だちとおいしいランチをしているだろう。食にお金をかけたくない、というよりは、食べることへの感心が高い層だと思えてならない。

 もちろん、「安い」だけで利用している層も多いには違いない。だが、確実に「業務用」に惹かれる意識的な層がいるのだとしたら?

 ここからは、いろいろなことが言えそうだ。小売業が「顧客志向」といいながら、ほんとうに買う人のほうを向いてこなかったのかもしれない、という視点。なにやら「プロ」的なものへの憧れやそれを使う自分への満足感を求める層がいる、という視点。ただ「安い」というだけではなく、「わけがあって安い」には確実に価値を認めるのだ、という視点。栄養成分がどうの、身体への効果がどうの、あるいはベルギー王室御用達がどうの、といった瑣末な関心で食が動いてきた昨今ではあるが、瑣末な部分が細かくなればなるほど、どこかでおおざっぱになりたがる心理があって「どーん」としたものに惹かれるのかもしれない、という視点。

 私としては、「食」に関わるニュース・現象で、久しぶりに「これは」と思うことなのである。

 安いという点では、ウォルマートの戦略と何処が違うのでしょう?
 倉庫販売で、まとめ買いというのは、目新しい手法ではない...。
 なのに、訪れる人には、既存のおみせとは違った魅力や満足感を与えている!!

 商品の質(業務用というマジックにつつまれた)と、価格なのでしょうか?
 日本でも古来(笑)、市場や問屋で一般消費者にも売ってくれる店や店の集まりはあり、魚・肉・野菜といった生鮮食品や衣類・食器をロット買いするとか、などは多い。これは、プロが売買するものだからとの、あらかじめの品質レベル保証を想像し、期待して買う。なんだか、これに似た感じに思える。
 記事に出てくるおみせは、いずれもそう遠くは無い距離にあるので、覗いてウォッチして、魅力を突き止めてみたい。

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by yuji_oga | 2005-09-19 01:09 | 気になる話 | Trackback

セブンイレブンが、清涼飲料を値下げ!

 コンビニのNB品の価格は定価が通念ですが、セブンイレブンでは「おーいお茶」など、7品目の清涼飲料の値下げを発表したそうです。(日経9/2朝刊
 コンビニ他社との競争というより、他の小売り業態のドラッグストア、100円ショップ、ディスカウントストアといったところへの対抗が理由だそうですが、NB品の定価販売を崩すという、コンビニの価格のあり方に変革をもたらすきっかけとなりそうです。
 
 セブンーイレブン・ジャパンは三日、清涼飲料の主力商品の店頭価格を全国約一万一千店で一斉に二十二円(一五%)引き下げる。大手コンビニェンスストアで清涼飲料を本格値下げするのは初めて。飲料などの安売りで集客するドラッグストアや百円ショップなどに対抗する狙い。他社の追随は必至で、コンビニ業界の価格政策の大きな転換点となりそうだ。
 ナショナルブランド品は原則メーカー希望小売価格で売るというコンビニの基本モデルの修正となる。大手飲料メーカーの商品開発計画などに大きな影響が出そうだ。
 <中略>
 セブンイレブンが値下げに踏み切る背景には、コンビニ他社を突き放す狙いよりも、ほかの小売り業態との競争激化がある。最近はドラッグストアや百円ショップが商店街や住宅街に相次ぎ出店し、飲料を安値販売している。九九プラスなど新手のディスカウンターも台頭し、コンビニの商圏を脅かしている。
 弁当などオリジナル商晶比率が高い分野では、なおセブンイレブンの優位性は高い。しかし、ナショナルブランドが九割以上を占めるペットボトル飲料では、ドラッグストアなどに比べて割高感が強く、コンビニの競争力低下を招いていた。
 セブンイレブンの既存店売上高は七月まで十ニカ月連続で前年同月比マイナスと低迷している。一日発足した持ち株会社、セブン&アイ・ホールディングスの中核企業として、セブンイレブンの売上高回復は急務。そこで聖域だった価格政策に手をつけざるを得なくなった側面が強い。

 当面は、仕入れ価格の変更はしないとの事ですが、IYなどグループの共同購入をすすめていて、値下げは必至とのこと。
 伊藤園の株価は下がり、セブン&アイ・ホールディングスの株価は上がっています。
 伊藤園が反落――「セブンイレブン飲料値下げ」で先行き警戒/Financial One
 ラジオNIKKEI;2日7&Iが続伸、飲料値下げにまずは前向きに反応

 今回の効果を見て、対象製品を増やしていく見込みとのことで、他社の追随も雪崩現象を起こしそうですが、一方では、IYとのグループ内での価格競合も発生し、新たな模索も必要になってきます。

 MSN-Mainichi INTERACTIVE 企業;セブン-イレブン:「脱定価」路線検討 飲料など値下げ

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by yuji_oga | 2005-09-04 00:48 | 企業改革 | Trackback

宅配時留守なら受取人にメールで連絡

 宅配便の配達には、留守をしていて再配達をお願いすることが多く、恐縮しています。
 地球に優しくないことなので、良い方法はないものかと思っていましたが、日経朝刊(9/1)に、ヤマト運輸で11月から事前登録メールで連絡するシステム稼働の記事が載っていました。
  
宅配時留守なら受取人にメール ヤマト運輸
再配達の手続き迅速に


 新たに始めるサービスは、まず受取人がヤマトに携帯電話などのメールアドレスを事前に登録。
ドライバーは受取人が留守であると分かると直ちにメールを送信し再配達の指示を求める手続きに入る。受取人はメールで希望の日時を返信するだけで、再配達の指定ができる仕組み。顧客のメールアドレスは本社を通じ管理し、漏洩(ろうえい)リスクを防ぐ。,
 ヤマトによると大都市圏を中心に配達時に不在の受取人が目立ち、その多くは「不在通知を受けた当日中に荷物を受け取りたい」という。新サービスにより単身者や共働き世帯などで荷物の受け取りがしやすくなるほか、ヤマトも配達の効率化でコストを抑制できる。
 宅配便の受取人が配達時に留守の場合、すぐに電子メールが手元に届き、再配達の指示が出せるサービスをヤマト運輸が十一月から始める。これにより不在のため翌日に再配達していた貨物約四十二万個の四割が当日に配達できる見込み。ヤマトは配送の効率性を高め、荷物の受け取りやすさを強調することで顧客獲得につなげる戦略だ。

 現状は、各社とも、留守の場合配達通知の紙片が差し込まれています。紙片に書かれたドライバーへの電話番号に電話をかけ、再配達を依頼します。運転中の電話が禁止され、器具をつければ可能とは言え、代替手段が必要だったはずです。
 メールなら走行中でなく読めますので、ドライバーも安全です。紙片に書かれた電話番号なら、違和感なく掛けられますが、メールアドレスとなると面倒です。事前登録したメールに連絡が入り、返信するかたちなら面倒ということはありません。ただし、各社に広まると、心当たりのある宅配業者全てに登録しておくこになり、国民背番号的規模での個人情報を各社が保有することにもなります...。

 ヤマト運輸のホームページでは、電話番号なら今でも事前登録が出来る様です。

ヤマト運輸、宅配時留守なら受取人にメール/NIKKEI NET:企業 ニュース

  
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by yuji_oga | 2005-09-04 00:15 | 企業改革 | Trackback