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『日はまた昇る』 日本経済に明るい見通し

 日本のバブル経済絶頂期に「日はまた沈む」という著作を発表し、その後の日本経済の低迷を予言した、英経済誌「エコノミスト」のビル・エモット編集長が来日し、日本経済について「今後15年間の日本経済は、過去15年間に比べて良い時期を迎える」と楽観的な先行き見込みを述べたそうです。
 日本経済、先行き明るい…英エコノミスト誌編集長 (読売新聞) - goo ニュース

 日経 10/6 朝刊に、インタビュー記事が掲載されていましたが、ポイントは以下の通り。
 ●日本の評価を変えたことについて
   「日本の時代は終わった」と思っていたのだそうですが、今年夏に三週間かけて日本を取材して回り、多くの明るい材料を目にし、その結果を『日はまた昇る』という特集記事にまとめたのだそうです。
   「短期的にはまだ問題を抱えるが、長期的.には日本の活力は再生すると今は考えている」とのこと。

 ●楽観する理由
   労働力の逓減が指摘されるなか、日本の場合は生産性が向上する効果の方が大きい。つまり、労働力不足によって、逆にロボットなど新たな生産技術の革新が促されると評価されている様です。これは、キヤノン、トヨタの話ですね。
   企業は女性の人材活用を迫られるとも指摘されていますが、こちらは全企業に適用される話でしょう。

 ●短期的な問題
   「原油高、米国の消費減速、中国の需要の持続性などに懸念がある。だが、まず日本自身が深刻な財政赤字の解消を急がなくては。小さな政府の実現と同時に、税制改革を避けては通れない」とのこと。
   小さな政府は、小泉政権が目指しています。

 ●バブル崩壊後の日本経済の変化について
   企業の政府や官僚機構への依存と期待が薄れ、バブル処理で大量の資金が無駄に使われた時期は終わったとし、例として、ダイエーのように銀行によってゾンビのように生かされ続けていた会社が消え、多くの日本企業がスリムに生まれ変わったと評価されています。

 ●日本とドイツの構造改革の比較
   「ドイツは日本に三年遅れて走っている。日本では企業がまず自己改革を始めた。独企業は改革に着手したばかりだ。税制などの面でキリスト教民主同盟(CDU)のメルケル党首の改革構想は小泉首相よりずっと意欲的だ。だが独国民の意識.がついて行かなかった」とのことです。選挙後の推移に注目ですね。

 人口減、高齢化社会の日本経済に及ぼす影響を、「生産性が向上する効果の方が大きい」とし、この為の日本企業の、新たな生産技術の革新が進むと高く評価されている部分が『日はまた昇る』の根っこですね。
 是非そうなって欲しいものです。
 新製品の発掘も良いですが、足下の確実な「生産技術の革新(イノベーション)」ですね。

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by yuji_oga | 2005-10-09 12:09 | 企業改革 | Trackback

新生VWの経営再建は、リストラ

 VWをポルシェが資本参加し再建するという記事を、連日見かけますが、9/27の日経朝刊で、まとめてありました。
 最初にニュースを読んだときは、企業規模のイメージから、逆の話じゃないかと眼を疑いましたが、中国で独壇場だった市場も競争が激化し、経営が苦しかったのだそうで、販売台数では劣るポルシェも、利益の規模ではVWと同等の勝ち組企業なのだそうで、経営者の人脈、元国営のドイツを代表する車の会社を守るということから、ポルシェが買って出た話なのですね。
 国を愛する起業家の美談と言えますが、今後も茨の道が想定され、注目すべき再建の道です。
 
【日経 9/27 朝刊】VW 大幅リストラへ
ポルシェが筆頭株主

 スポーツ車メーカーの独ポルシェから出資を受けるフォルクスワーゲン(VW)は二十六日にも主力部門の大規模人員削減など経営再建策をまとめる。VWはポルシェの出資で敵対的買収を阻止するとともに、ハイブリッド車の共同開発にも乗り出す見込みだ。

 <中略>
 ポルシェの年聞販売台数は八万八千台と小規模だ。だが、税引き前利益では同五百万台を販売するVWと同水準で、BMWと並ぶ「独自動車業界の勝ち組」だ。
 しかし、スポーツカーに特化しているため、最近人気のミニバンや四輪駆動車に押され販売は伸び悩み気味だ。VWと四輪駆動車「カイエン」を共同開発したが、出資を機に提携関係を拡大、ハイブリッド車開発でも協力する。
 一方、VWは二〇〇一年をピークに北米や中国での競争激化で業績が悪化、〇四年通期の最終利益も前の期を二八%下回った。「アウディ」部門は好調だが、販売の七割を占めるVW部門は四千四百万酵(約六十億円)の営業赤字に転落した。
 このため、国内工場の約十万人の従業員のうち、数千人を削減することで労組と合意を目指す。ダイムラークライスラーで北米クライスラー部門を再生させたベルンハルト取締役を部門トップに起用。労使協調路線を続けてきたVWが「今度こそリストラを徹底する」との見方も出ている。
 VWにとっては敵対的買収を阻止できる効果も大きい。一九六〇年の民営化の時にできたVW法は同社の単独株主の議決権を二割以下に制限している。だが、欧州委員会は同法を違法と提訴、〇七年にも廃止になる可能性がある。同法にかわりポルシェが敵対的買収からの守り役になる。
ポルシェ創業者の孫に当たるVWのピエヒ監査役会長は、〇二年まで務めたVW社長時代にポルシェからの出資受け入れを検討した。同氏はポルシェの監査役も兼務しており、今回のポルシェによる出資についても重要な役割を演じたのは間違いない。
(フランクフルト 後藤未知夫)

資本参加背景に両家のつながり
中西孝樹・UBS証券シニアアナリスト


 ポルシェがVWに出資するのは、買収リスクの高まっていたVWの企業防衛という意味合いが強い。「VW法」で守られていたが、企業防衛策の再構築は不可避だった。資本参加の背景にはポルシェの大株主であるポルシェ家とピエヒ家との密接なつながりもある。
 持ち合いによってVWの買収リスクは少なくなるが、VWの経営に株式市場の声が届きにくくなり、将来は競争力の後退につながる懸念がある。
 トヨタ自動車のようにグループ持ち合いを進める一方で、内部で自浄作用を発揮できるかどうかが今後の注目点だ。

 なんだか、中世の時代に戻った錯覚に陥りそうですが、日本車に八つ当たりの矛先が向いてこないことを祈っています。

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by yuji_oga | 2005-10-02 23:48 | 企業改革 | Trackback