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世界各国の少子化対策は移民受入

 大前研一氏の「世界は少子化にどう向き合っているのか」という頁がありました。
 大前研一:世界は少子化にどう向き合っているのか - 企業・経営 - nikkeibp.jp

 シンガポールは、初代首相のリー・クアンユーの時代から、「中国が本格的に目覚めてしまったら、たいへんなことになる」と危機感をもって様々な対策を打ってきていたそうで、スイスを模して、金融機関に対する規制を大幅に緩め、世界中の金融機関やファンドを集めることに成功し、大きな経済発展を遂げました。
 現在の経済成長を続けるためには約400万人の人口を維持しなくてはならず、そのためには年間で5万人の新生児が必要になるのだそうですが、実際には3万8000人しか生まれていない。だからその不足分を移民に求める、という計算で、少子高齢化に対応するため、海外からの移住者を一層受け入れる計画を発表したのだそうです。
 ただし、その内容は独自のもので、入学・入社試験ではありませんが、「頭のいい人だけシンガポールに来てくれ」「ただし子どもを産んで家庭を営むことは考えないでほしい」という条件付きで、世界的には「どうか」と非難される話ですが、当のシンガポール政府は意に介さないのだそうで、いやなら来るな、来るならこの条件、というあくまで国家目標達成のための手段、と割り切っているのだそうです。
 米国等で移民が増えることによって社会問題が生じた前例に対処しようというものです。
 国内の出産についても、「子どもは頭のいい人だけつくってくれ」=大学を卒業した人間に子どもを生んでくれ、と露骨に言い、一時は優遇税制まで設定したのだそうで、世界から顰蹙を浴びせられているとか。

 欧州では、英国が、自国の成長のために外国人を使うという政策を積極的に進めています。
 英国の若者が、医師、会計士、弁護士などのプロフェッショナルの職業を、なかなか選びたがらないとのことで、これを補う政策から、この分野ではインド人が圧倒的に多いのだそうです。
 英国の外国人の中東欧出身労働者の数が42万7000人に達したそうで、少々やりすぎて、中近東の人が多くなるという現実から、社会が複雑にモザイク化し、ロンドンの地下鉄テロ、そして未遂に終わった航空機テロに象徴される難しい社会問題が発生しています。

 スペインの列車爆発事件も、アラブ系の移民の犯罪で、若年労働者の賃金を巡る一連のフランスにおける暴動もアルジェリア・アラブ系の移民の不満が爆発したものと言われています。

 日本では、今年上半期の出生者数が前年同期と比べると1万1618人増え、もし下半期もこの傾向が続けば6年ぶりに出生率が上昇することになると言われています。
 婚姻も同様に、前年同期と比べると1万936件増加しているようです。
 猪口邦子少子化担当相は、景気の回復と婚姻の増により、少子化に歯止めがかかったと、喜んでいます。

 大前氏の見解は、そうではないようです。
 特に出産が増えているのは30~33歳の層で、第二次ベビーブームで生まれた子どもたちが遅れて結婚し、やっと子どもを産み始めたということであり、一時的なものとの見解です。
 
 日本で人口が減少していくことは、もはや避けられないことだ。何しろ増える要因がない。だからこそ、わたしが以前から言っているように、年間39万人という途方もない大きな数字を念頭に入れて手遅れになる前に能力の高い移民を受け入れる万全の準備や体制を整えておくことが唯一の解決策なのだ。そうしなければ、介護者がいない、工場労働者がいない、清掃などに従事してくれる人がいない、人件費が高騰する、という予想通りの結果になる。デモグラフィー(人口統計学)だけは10~20年先が明確に読めるのだから。

 シンガポールにならって、日本で同じ計算をしてみると現在のGDPを維持し、かつ急増する高齢者に現在レベルの介護を提供するためには毎年39万人の若年移民を受け入れないといけないのだそうです。
 安部新総理も、経済成長を重要視していますが、少子高齢化で国内市場が縮小化するなかでは、国内経済の成長はかなり難しく、働き手や、消費の確保には、移民受入の選択肢は避けて通れず、長期的な視野での、移民受入政策の確立が望まれます。
 シンガポールの様な制限は、人権の問題がありますが、例えば日本語が話せるなど一定の条件の下、子孫の暮らしも考えて、計画的な人数での移民受入といった、受け入れる日本社会にも、移民をしてくる人たちにも幸せをもたらすものが必用です。

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by yuji_oga | 2006-09-24 14:57 | 人口減少 | Trackback

携帯クレジットと、電子マネーの端末共通化

 スイカでもエディでもない電子マネーサービスをセブンイレブンが開始するなど、規格が乱立する電子マネーや携帯クレジットですが、読みとり端末を共通化する動きが始動したそうです。(9/13 日経朝刊)

 携帯クレジットや電子マネーは、将来の利用の拡大が見込めることから、多くの企業が参入したため、規格が乱立しています。
 ■携帯クレジット
   ID; NTTドコモ、三井住友カード  (36万人 3万店)
   クイックペイ; JCB、トヨタファイナンス  (7万人 1万店)
   スマートプラス; UFJ、ニコス  (4万人 3,000店)
 ■電子マネー
   スイカ; JR東日本   (1,690万人 6,700店)
   エディ; ビッワレット  (1,920万人 35,000店)

 規格が異なり互換性がないと、読み取る端末を規格の数だけ用意する店側への負荷と、利用者にはどの店でどの規格を使えるかが分かりづらいといった不具合があり、普及の妨げとなっているとの見方がありました。

 12日、トヨタファイナンスは携帯クレジットの異なる二つの規格(IDと、クイックペイ)に対応する共通読みとり端末を、年内に導入するとの発表です。
 更に、来年 1月には携帯クレジットと電子マネーの共通端末も登場するのだそうです。

 端末は、食品スーパーやタクシーなどに設置され、来年 3月末までに 5万台、2008年 3月末までには、25万台を設置する予定なのだそうです。
 ドコモとJR東日本は、スマートプラス、クイックペイなど他陣営にも呼びかけて、一台で全ての規格に対応する共通端末を目指すのだそうです。

 セブンイレブンの、自社の新しいPOSレジスターでも複数の規格に対応できる読みとり端末を搭載するのだそうで、共通端末化の動きは、ようやく本格化される軌道に乗り始めたようです。
 運用面で、本人認証のやり方、利用限度額の違いがあり課題は残っているとはいえ、複雑で躊躇されている携帯クレジットや電子マネーが、身近なものになってきます。

 ETCも、道路通行料だけでなく、駐車場やガソリンスタンド他へ用途拡大が進められていますが、いつでも何処でも、かざすまたはチェックポイントを通過するだけで支払いが済ませられる時代が、もうそこまで来ている様で(9/13,14 日経朝刊)、楽しみです。


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by yuji_oga | 2006-09-17 23:21 | 気になる話 | Trackback(1)

王子のTOB

 三菱商事、日本製紙といった老舗大企業が登場しての日本流のTOBと言うことで注目されていましたが、王子の撤回という結果になりました。

 王子は、企業間をまたいだ過剰設備による業界の弊害(企業の立場での過当競争)をなくすことと自社の軽量コート紙設備の立ち後れ挽回を狙った構想が崩れ、自前での設備投資を決断しました。

 個人的な感情としては、いやがる北越の従業員を無理矢理合併させ、市場占有率を日本製紙に対し水をあけ寡占化する姿勢には抵抗感があり、弱いものへの応援をしてしまっていたのですが、果たして3年、5年後の北越製紙の従業員や、日本の製紙業界にとって、日本の企業の経営(日本流M&A)の今後にこのままで良いのかとも考えてしまっています。

 まず、今回の敵対的TOBの攻防について
 ・敵対的TOBに対する防衛策(ポイズンビル)として、第三者割り当て増資を急遽実施し、三菱が24%強を出資する筆頭株主になりました。
  米国では、特定の株主に発行済み株式の20%以上を割り当てる場合、株主総会での決議が必用とのルールが決まっているそうですが、日本ではあいまいです。
  三菱への割り当てに、王子を含む北越の株主は、誰も第三社割り当ての差し止めを請求していません。このため、北越のこの防止策が司法の判断を得ることがなく通用したこととなりました。日本では、敵対的TOBへの防衛策として、「第三社割り当て増資でなんとかなる」との前例をつくりました。

 ・日本製紙のTOB阻止の動きは、北越製紙の株を買うことで含み損を抱え、このことは株主代表訴訟の対象になりうるのだそうです。本来のやり方は、対抗TOBをかけるべきなのだそうです。(9/8 日経朝刊 製紙攻防)

 ・北越製紙の今後については、日本製紙との連係や、三菱商事の強力な販売力が頼りとなりますが、過剰設備を抱え、石油・パルプの原材料の高騰、市場の縮小化のなかで余談をゆるしません。あのとき、合併していればといったことにならない事を祈っています。

 ほぼ同時に進んだ紳士服のアオキのTOBも敗北に終わりました。
 王子、アオキはいずれも「強引さの排除」と「透明性確保」に心を砕いた日本流TOBのやり方を示しました。アオキの場合は、結果としてM&Aを実現させ、市場注視の中で行われる、オープンな業界再編の流れという新しい時代の企業改革の現象を生み出しました。
 
 欧米風の力ずくではない両者の正攻法でオープンなTOBが、市場が縮小する国内企業の今後の生き残りの手段の一つとして、新しい日本流のM&Aをうみだす過程の実証検証として今後に役立つことを願っています。
 言い出しっぺが損をした結果として、マイナスに作用するのではなく、プラスとして役立って、少子高齢化での世界初の経済現象の中での企業(業界)の進むべき方向を見いだしていかねばならないのです。


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by yuji_oga | 2006-09-10 19:14 | 企業改革 | Trackback

沖縄がIT企業進出先として浮上

 IT関連企業が中国に進出したりソフト開発を、海外委託したりする代わりに、沖縄に進出するケースが増えているのだそうです。(8/28 日経朝刊)

 かつて、コールセンターの沖縄進出が注目されたことがありましたが、現状では、103社中コールセンターは37社で、ソフトウェア開発や情報サービス企業などが66社を占める状況になっているそうです。

 オープンインターフェースという会社では、コスト削減のため、中国の企業にソフトウェア開発を委託したり台湾の子会社を活用していたのだそうですが、習慣の違いや意思疎通の問題からうまくいかなくなり、子会社を閉鎖し、海外委託も中止して、新たな開発拠点として沖縄(那覇市)を選んだとのことです。

 理由は、
 1.東京などに比べて人件費やオフィス賃料が安い
 2.海外と異なり、言葉や習慣の違いなどの問題がない
 3.東京ではIT技術者の確保が難しくなってきているが、大学卒業後、東京で働いて10年くらいでUターンして地元に戻る人が多く、経験豊かで優秀なIT技術者が沖縄にいる。
 ということだそうです。

 ピックニイウス社の設立(名護市)でのシステム開発の人件費試算では、一人当たり月額で、上海=35万円、沖縄=50~55万円、東京=70~80万円だったそうですが、「中国のカントリーリスクや中国拠点と国内拠点を橋渡しするIT技術者の採用など総合的に考えると、海外より沖縄のほうが競争力がある」と判断したのだそうです。

 こうした企業進出に、新規雇用が見込めるとし、沖縄県は東京~沖縄と大阪~沖縄間の大容量高速回線を県の費用で無料開放する助成策を実施しています。

 また、南関東で今後30年以内にマグニチュード 7規模の地震が発生する確率が70%に対し、沖縄周辺では、震度 6弱の地震発生率は 6%に留まるとのことで、地震リスク回避の為にデータセンターを設置したり、沖縄に設備を持つ企業にデータ管理を委託する企業も急増しているのだそうです。

 企業進出の急増に伴う今後の課題は、人材の確保ということです。
 テレビで、沖縄に移住した若者をよく見かける様になりましたが、企業でも沖縄勤務希望者の採用を始めたり、地元大学と提携して採用を確保するなどの動きが出てきているようです。
 沖縄は、とてもいいところなので、仕事が在れば移住する人が増えるのではとおもいます。
 
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by yuji_oga | 2006-09-03 12:26 | IT備忘録 | Trackback(1)