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フィッシュ ウオーズ

 魚介類の価格が世界的な需要増で高騰し、さらには日本への調達も減っているのでそうです。
(10/31, 11/1 日経朝刊)
 
 スーパーは刺し身パックの量を減らし、外食はメニューを変更。
 調達にあたる商社や水産会社は価格交渉で海外勢に押され、経営が悪化する問屋も出てきた。ミナミマグロの漁獲制限も新たに決まり、国境を超えた"フィッシュウオーズ"は魚介類消費大国ニッポンを揺さぶっている。

 回転ずし大手の、「無添藏」(兵庫県伊丹市)では、魚の価格上昇に対応するために、すし以外の比率を高めると、10点以上のうどんのメニューやデザートを増やし、すし以外のメニュー比率は、3割を超えているのだそうです。
 マグロ価格の上昇も2割以上で、すかいらーくの「魚屋路」では、売れ残りを少なくするため、中トロは回転レーンから姿を消し、注文を受けてから握る方式に売り方を変えたのだそうです。
 イトーヨーカ堂は、7月から刺し身盛り合わせを、5品5切れずつから、4切れに減量し価格は下げたものの実質値上げしたのだそうです。

 価格高騰の原因は、欧米でのBSEや鳥インフルエンザによる肉離れ、健康志向の高まりでの魚介類志向の高まり、各国のマグロやサケ等の資源保護の高まりがあげられます。
 
 「その値段では売れません」。水産大手マルハの担当者は10月下旬、タラのすり身の調達でこう通告された。相手の米加工会社幹部は「他国の相場はそちらより 1キログラムあたり10-20セント高い」と強気の姿勢を貫いた。
 かまぼこの原料になるタラなどのすり身は日本が世界最大の需要国。価格も日本主導で決まってきた。しかし欧米で「カニかまぼこ」などの人気が高まり構図は一変した。
 世界消費に占める日本の比率は五年前の65%から52%まで低下。
 日本では強力な小売業が値上げに応じないため、高値を示す外国勢がすり身をさらっていく。

 7月末、アラスカ産紅ザケを満載したコンテナが横浜港から欧州に向かった。
 いったん1,500トンが日本に持ち込まれたが、窓口の阪和興業などが 1ポンド(約450グラム)=1.80ドルでの買い取りを主張したのに対し、生産者側は、 2ドル以上を要求。阪和側は半分を引き取るのが精一杯で、生産者は「それなら他で売る」と残りを欧州に回した。

 日本の水産会社や商社が海外勢に「買い負ける」のは、円安ユーロ高と、もう一つの理由に、食の安全や外観に対する日本独特のこだわりがあげられています。
 食の安全はさておいて、日本の業者は他国が気にしない小さな傷にも注文をつけるため、欧米や中国の需要が伸びる中、「同じ価格なら他国に売る」となってしまうのです。
 価格の高騰や輸入減は日本の企業の業績を直撃し、輸入業者や卸が利ざやを圧縮、マグロ加工業者や問屋が経営危機に陥ったといううわさが乱れ飛んでいるのだそうです。
 日本の商社や、水産加工業者は、海外進出をし、海外で仕入れたり加工して、海外で売りさばく路に進み始めているのだそうです...。

 健康志向や経済成長で、魚を多く食べ始めた欧米や中国に対し、少子高齢化で市場が伸びず、購買力を持てなくなった日本の、買い手として独占的地位が崩れてしまったのです。
 水産関係者の間では危機感が漂い始め、「十年後はトロなど高級品は欧米や中国に行き、日本には二級品しか来ない可能性もある」と!

 傷物をきらい、均一化された品質を追求する日本の流通システムは、魚に限らず農産物でもいえるのですが、もっと消費者の立場に立って欲しいと、常々感じているし、今回の様な、流通の仕組みの欠陥として、海外との競争に不利(コスト高)となります。
 旅行などで産地に行き、直接買えるときは、良品の他に傷ものや形の不揃い品が、半値で買えてしまいます。もちろん味に何の変わりもありません。
 流通の仕組みの中で、均一な品質のものしか流れづらくなっているため、この規格外品が消費者に届かないのです。そして、その分、生産者にもしわ寄せがいきコストアップに繋がっています。
 規格外品も流通する仕組みが望まれます。

 米国やカナダの研究者の報告によると、乱獲や汚染で海の生態系の破壊が加速し、世界の魚やシーフードが2048年までに消滅する可能性があるのだそうです。
 魚が2048年に消える?=乱獲、汚染で生態系が破壊-米加研究者ら(時事通信) - goo ニュース

 日本だけではなく、世界中の人類共通の問題で、ウオーズどころではありませんね。
 各国の資源保護の動きは一段と強化され、減量・価格高騰のスパイラルは、一段と加速されそうです。

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by yuji_oga | 2006-11-03 13:02 | 気になる話 | Trackback(1)