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ガソリン販売量が前年比で減少

 経済産業省の発表(11/28)では、11月および、1~11月のガソリン販売量が前年比で下回っていて、今年 1 年間でも第 1次石油危機の最中だった1974年以来、32年ぶりに前年実績を下回ることが確実となったのだそうです。 (12/29 読売朝刊)
 ガソリン販売量  
  11月     前年比2.5%減   483万kl
  1~11月  前年比1.1%減 5,535万kl
  2006年   前年比2 %減 の予測

 前年割れの原因は以下が上げられています。
 1.原油高に伴うガソリン価格の上昇で買い控えが進んだ
   9月に湾岸危機以降の最高値を更新し、同月は前年同月比で、5.3%減となった。

 2.燃費の良い車への人気が高まり、消費量の減少に拍車がかかった
   燃料消費量が普通自動車平均の 6割程度で済むといわれ人気となった軽自動車の普及が大きく、普通車の販売台数が、前年比5.3%減に対し、軽自動車は4.5%増えたのだそうです。
 
 温暖化ガスを抑制するために、政府は自動車メーカーに対し、2015年度までに乗用車で04年度実績比23.5%の燃費改善を求める新たな基準を導入する方針だ。
 <中略>

 中長期的にもガソリン販売量の反転は予想しにくい。
 石油元売りは、ガソリンの販売減を見越して、新製品に力を入れ始めた。最大手の新日本石油は、北海道の室蘭製油所で化学樹脂原料の生産を計画している。
 アジアを中心に需要が高まっている石油化学原料の増産体制を目指し、製油所設備の改良計画は各社、目白押しだ。

 ただ、設備改良に伴う業界の総投資額(2010年度まで)は、3,500億円に達すると言われており、企業負担は軽くない。
規模拡大で局面打開を図るための業界再編が起こる可能性が強まりそうだ。  (12/29 読売朝刊)

 欧州で08年から、各社に新車の二酸化炭素排出量を1995年比で平均25%減らす環境規制が始まるため、排出量の少ない少ない小型車の生産販売に各メーカーが力を入れている話を書いていましたが、日本国内では更に高齢化と人口減が重なり、需要が加速度的に減ることが想定されます。

 当然これを見越して、業界各社が対策(新製品開発)をとっているとのことですが、各社同じ対策で石油化学原料の増産体制構築の設備投資とのこと。
 もともとが装置産業の元売り各社ですが、更に規模拡大で局面打開とのことで、ここでも一流大企業のM&Aが発生するのでしょうか?

 今年は、製紙、紳士服など国内需要減に対応するための業界内でのM&Aが始まった年でした。来年以降、ますます現実化する人口減=国内需要減への各企業や業界の取り組みが顕在化してきます。
 どの様な知恵が出てくるのか興味深いのですが、ひとごとではなく自分でも考えて答えを見つけ出さねばなりません...。

 
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by yuji_oga | 2006-12-31 18:30 | 企業改革 | Trackback

日本の人口が 1億人を切る

 社会保障制度など国の施策の基礎データとなる新しい将来推計人口が公表されました。
 昨年から始まった我が国の人口減は、50年後には1億人を大きく割り込んで、8,993万人となるという、衝撃的数字です。(昨年は、1億2777万人ですから、30%減
 8月の日経のシミュレーションとほぼ同じ結果です。
 先進国の中で、トップの人口減現象を邁進している我が国ですが、希望的観測の出生率ではなく、現状維持の出生率で計算した結果だそうです。
 
人口減への警鐘を重く受け止めよ (12/22 日経社説)

 社会保障制度など国の施策の基礎データとなる新しい将来推計人口が公表された。このところの急激な未婚化、晩婚化が響いて2055年の総人口は中位推計で現在の3割減の約9000万人、合計特殊出生率は超少子化状態の今と同じ1.26だ。

 放置すれば年金、医療、介護制度などのほころびは目にみえており、労働力不足も技術革新だけではしのげなくなる。推計を最高レベルの警報と重く受け止め、少子化対策と諸制度の再設計を加速する時だ。
 推計結果の打撃をまず受けるのは現役時の所得の50%給付を約束する公的年金制度だろう。これまでも甘い推計のため5年ごとに大きく修正された年金制度だが、前回推計の出生率1.39が前提では「100年安心」の触れ込みも空文同然だ。

<中略>

 新推計が描く50年後の日本の風景は異様というほかない。15歳未満の割合は総人口の8.4%の750万人。前の推計から300万人も減った。対する65歳以上の比率は40.5%。医療や介護への影響も計り知れず、こちらも制度の大胆な組み替えは避けて通れまい。
 生産年齢人口も全体の半分程度に減るから、日本経済に陰りが出るのは必至だ。楽観的な前回推計による試算でさえ働き手の減少ぶりは惨たんたるもので、雇用や少子化対策が進まない場合、今より2000万人以上減る。新推計の厳しいシナリオでは、1人当たりの生産性を上げただけでは成長は難しいだろう。

 これほどの深刻さにもかかわらず、少子化対策への強い覚悟は官民ともに感じられない。児童手当の乳幼児加算を来年度予算案に盛り込む過程でも棚上げ論、縮小論が相次ぎ、政府内の議論は迷走した。産業界も企業内保育所の設置から不妊治療休暇まで人目を引く育児支援には一部、着手し出したが、働き方の見直しなど抜本策には消極的だ。

 政府は近く、結婚・出産への障害が除かれた場合の仮の人口試算も公表する。一定の参考にはなるが、期待値を前提に年金財政などの議論が進み、制度改革が遅れては困る。子どもを産みやすいしくみと、人口減に耐え得るしくみのどちらが欠けても明日の日本は立ちゆかない。いますぐ両面作戦へのトップギアに切り替えるべきだ。

 他の各紙も一斉に社説や記事で、危機感と早急な対策の必要性を唱えています。
 【主張】将来人口推計 子供は宝ではなかったか|主張|論説|Sankei WEB
 12月21日付・読売社説(2) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 新人口推計 少子化の深刻さが浮き彫りに
 MSN-Mainichi INTERACTIVE 社説 人口減少社会 未来へ知恵を出し合おう
 asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-社説 人口推計 今から本気で考えよう

 深刻な影響を受けるものとして、各紙とも一番に上げているのが社会保障制度、中でも年金制度の崩壊を上げています。1人の受給者を、1.3人で支えることは、子供の養育費に懸念があり出産にとまどっている状況からは、不可能と言って良いでしょう。
 人口減は、団塊世代という戦争の影響の得意な年代層がいなくなれば、普通の状態で安定休息する。日本の適正人口は、8,000万なのか、何人なのかという意見も耳にしますが、少子化の歯止めがかからない限り、現象のスパイラルは加速されるばかりとなります。
 合計特殊出生率を、現状維持とした今回の計算でも甘いとする意見もあります。

 もう一つの大きな影響は、働き手の減少と消費の減少による、国内経済の縮小です。
 世界の人口は増えているのですから、企業は海外へ進出することで生き延びて行けますが、国内では働く人の人数も働くところも減ってしまいます。
 ここでも、市場が縮小するのだから、ロボット化など合理化を進めれば、人手不足は回避出来るとする考えがありますが、それでは、国内市場の縮小化を加速させることはあっても、活性化による豊かな暮らしは望めず、増えない収入に合わせたデフレ生活を強いられてしまいます。

 華僑やユダヤの商人、はたまたジプシーの様な暮らしが出来ないで、国内で働き、国内で生活をする多くの日本人を、政府がまもる気があるのなら、早く手を打たないと国が滅んでしまいます。
 出産・育児への支援(休暇、職場復帰、育児と仕事の両立のための保育園など、子供を産んで育てる夫婦が安心して子供を産もうという気持ちになれる環境)、高齢者の雇用促進による労働力の確保と、消費の確保といったところがあげられますが、大きく改革される政策は出されていません。(定年延長も、年金制度の救済で、支給年齢を上げたことに対応する色彩のもので、労働力不足を補うというレベルまで踏み込んだものとは見えません。)

 このblogでも書いていました、移民の受入で国内の労働力と消費の維持拡大を図る国もあり、日本でも検討が必要な時が来ていると言えます。
 
 30年、50年後に、私は生きていませんが、減少の悪化が顕著になる30年後といえば、今の30台の人たちが60台になる時代で、実際に遭遇するのですね。
 日本の国の財政は、今でも夕張市より悪いのですが、海外に生活拠点を構えるか、座して国と共に滅亡するの道を進むか、声を大にして改革の政策を訴えて実現させるか...。

 答えは決まっていますね。急がないと、残された時間は少ない!


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by yuji_oga | 2006-12-24 17:33 | 人口減少 | Trackback(1)

JTはグローバルM&Aで利益拡大

 わたしもたばこを吸わなくなって2年を経過しようとしていますが、高齢化・人口減に加え、健康志向による需要減を背負うJTは、国内のたばこ市場以外への活路を求め、海外たばこ市場への進出を進めています。
 M&Aで食品、医薬事業の強化に取り組んで来ましたが、収益比較の指標であるEBITDAでは、多角化事業は06年3月期に336億円で全体の8%に留まっているのだそうです。
 国内のたばこ事業のEBITDAは、約3,000億円ですが、08年度もこの水準を目標としていて、今後の成長は難しいと見るべきでしょう。

 今回、英国たばこ大手ガラハーの買収手続きを進めることを発表しましたが、1999年に米国のRJRナビスコの米国外のたばこ事業を買収したり、海外市場に進出し収益力を高めてきており、新興国市場を中心に伸びている世界のたばこ市場への進出で、将来の成長力を手に入れようとしていて、独自ブランドにこだわらず、既存ブランドを買い取ることでスピーディなシェア拡大を実現し、世界一位を目指すのだそうです。(12/15, 16 日経朝刊)
 経営者未来塾 ~次代に伝えたいこと

世界のたばこ販売本数シェア (2005年、%)

1 フィリップ・モリス(米国)            17.9
2 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国)  12.2
  日本たばこ+ガラハー            10.9
3 日本たばこ産業                7.8
4 インヘリアル(英国)               3.2
5 ガラハー(英国)                3.1
6 アルタディス(スペイン)            2.4

                   (12/15 日経朝刊)


 米格付け会社のS&Pと、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、格付投資情報センターは、15日に、JTの買収金の借り入れによる財務悪化を懸念して、格付けを引き下げ方向で見直すと発表しています。
 実質2兆円の巨額資金を投じて完全買収するという思い切った経営判断をJTが下せる背景には、約9,400億円で買収したRJRナビスコの米国外事業を軌道に乗せた自信があるからとのことです。
 当時は「買収額が高すぎる」などと株式市場での評価は散々だったそうですが、買収した海外事業は安定的に利益を拡大し、EBITDAでは44%増の940億円で、国内の停滞を保管し、借り入れた6,000億円は完済し、さらに1兆円の手元資金を積み上げたのだそうです。

 日本企業による海外企業の大型買収が相次いでいます。
 バブル期を想い出し、その二の舞が懸念されますが、当時は事業の多角化を目的とした買収が多かったのに対し、最近では本業の海外展開を強化するためのM&Aが目立つと言われています。
 欧米でも本業のM&Aが主流で、米国では買収業者の株価が多角化を伴う企業買収では下落、同じ業界での買収では上昇する傾向があるのだそうで、相乗効果を見込みやすい本業に関連するM&Aが、今後も国際競争力を高める戦略として広まっていくことが考えられます。
 日本企業の場合、少子高齢化でシュリンクする国内市場から、BRICSなど人口が拡大し高度成長の見込める市場を中心に、海外への展開は企業の存亡にかかわる重大事項と言えます。

 BRICSのなかでも、民主主義の価値観を共有し、同じアジアに位置するインドは、シン首相が来日し今後の両国の連携強化に応えてくれていますが、中国、米国の進出に対する遅れを取り戻すべく、政府も支援をして頂きたいものです。

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by yuji_oga | 2006-12-17 00:31 | 企業改革 | Trackback

インドの乗用車生産が、世界ベスト10入りの見通し

 インドの乗用車生産が、2010年にも現在の約二倍の年3百万台に達し、カナダ、英国を抜いて世界10位以内に入る見通しとなったのだそうです。(12/7 日経夕刊)

 つい2.3年前まで、インドではバイクの普及が盛んと聞いていましたが、小型乗用車の需要が拡大している様です。
 インドでの乗用車生産の最大手はスズキで、四割のシェアを持ち、年産60万台を、100万台の能力に投資・増強するのだそうです。2位が韓国・現代自動車、3位・GM、4位・ホンダと続き各社共工場を増強し、生産能力を高める計画で、さらに、ルノー(含日産)、フォルクスワーゲンが新規に現地生産を開始するのだそうです。
 
主要メーカーのインド投資計画 (12/7 日経夕刊)
(かっこ内は増産前の台数)
メーカー名    年産能力   投資額(億円)
スズキ  100万台 (60万台) 650億円
現代自   60万台 (30万台) 620億円
GM     22万 5千台( 8万5千台)350億円
ホンダ    15万台 ( 5万台)700億円
ルノー・マヒンドラ合弁30~50万台未定
VW       11万台 630億円
  
 各社とも主力は小型乗用車で、インド国内だけではなく欧州向けの輸出も視野に入れた増産計画で、インドも「世界の小型車工場」を目指す構想を描いているのだそうです。

 欧州では08年から、各社に新車の二酸化炭素排出量を1995年比で平均25%減らす環境規制が始まるため、排出量の少ない少ない小型車を販売することで、一台当たりの(CO2の)排出量を引き下げられるため、各社がインドからの小型車供給を検討して居るのだそうです。
05年の国別乗用車生産台数
[単位は万台、カッコ内はトラックなどを含む自動車総生産]

1.日 本  902  (1,080)
2.ドイツ  535  ( 576)
3.米 国  432  (1,198)
4.韓 国  336  ( 370)
5.フランス 311  ( 355)
6.中 国  308  ( 571)
7.スペイン 210  ( 275)
8.ブラジル 201  ( 253)
9.英 国  160  ( 180)
10.カナダ  136  ( 269)
11.インド  126  ( 163)

 * 12/7 日経夕刊

 スズキは新工場で、08年後半から生産する小型車15万台を欧州に輸出すると表明。インドからの輸出台数は従来の4倍の20万台規模に膨らむのだそうです。

 ただし、輸出には港湾施設内の大規模駐車場など輸出インフラが必用ですが、整備が遅れているため、各社の工場新設地のニューデリー、西部マハラシュトラ州、南部タミルナド州の三大拠点に対応する港湾都市の、西部ムンバイ、南部チェンナイ、東部コルタカの三都市に年間50万台をさばける輸出拠点の整備を、業界から政府に要請し、スズキの鈴木修会長も政府要人に面談する等していて、政府も対応姿勢を示しているそうです。

 インドの乗用車の生産量が、早くもカナダや英国を抜くというのも驚きですが、その主役がスズキと言うのもまたびっくりです。
 バイクで早くから進出していた、スズキ、ホンダが強い地盤を持っているということでしょうか。
 米国でのトヨタといい、日本の自動車メーカーの、グローバルな活躍は、日本の製造業の健在ぶりを示していて、嬉しくなりますね。


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by yuji_oga | 2006-12-10 01:48 | 気になる話 | Trackback(2)