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北極の氷減少 予測の2~3倍のペースに

 北極海の氷が減少していることは、既に誰でもが知っていることですが、2005年夏に比べ、昨年9月には、117万平方キロメートル減少し、約530万平方キロメートルから、約413万平方キロメートルになっていることが、フランスの国立科学研究所から発表されました。

 
北極の氷 日本3つ分消えた 2年間で 海氷の減少 予測の2~3倍 (2/24 読売夕刊)

パリ=林路郎】フランスの国立科学研究所(パリ)は23日、北極海の海氷面積が昨年9月の段階で約413万平方キロ・メートルとなり、2005年夏(約530万平方キロ・メートル)と比べると、わずか2年余りで、117万平方キロ・メートルも減少したとする調査結果を発表した。

 減少した面積はフランス国土の2倍以上、日本の国土の3倍以上に当たる。同研究所は、減少ペースが従来予測の2~3倍に速まったとし、「今年夏にはさらに100万平方キロ・メートルが失われる恐れもある」と警告した。
 調査は、北極海での温暖化の影響を調べてきた欧州科学者チーム「ダモクレス」が、調査船を使って行った。調査団長のジャンクロード・ギャスカール研究部長は記者会見で、「将来の減少を予測する手段として国際的に使われている現在の計算方法を見直す必要がある」とも語った。

 減少が極端に進んだ原因として、調査団のメンバーは、北極圏で最近、大気汚染による靄(もや)が増え、温室効果をもたらしたため、一帯の気温が上昇していると指摘。これは、ロシアやスカンジナビア諸国など北極海沿岸の国々が原油やガスの採掘を活発化させていることと密接な関係があり、北極海での資源開発が、海氷の減少の重要な一因と分析した。

 また、調査船は約5000キロ・メートルの行程を1年4か月かけて航行したが、これは予定期間の半分以下だった。海氷の平均の厚さが1・5メートル前後にまで薄くなっていたことから、速く航行できたためで、調査団は「海氷の減少の深刻さを如実に物語る」としている。


 日本3つ分とか、フランス国土の2倍以上というのも凄い面積だと思いますが、22%も減っているのですね。
 「今年の夏にはさらに100万平方キロメートルが失われる恐れ」と言うことは、2年で22%だったものが、1年で24%減という倍の速度になっています...。

 「yuu2雑記帳 : 北極の氷 過去最小を記録」に書いたIPCCの海氷面積の数字とは異なりますが、減少ペースが速まっていることは同じ指摘です。

 フランス国立科学研究所の数値では、昨年9月で、約413万のものが、今年夏には、100万減って、約313万になるというのですから、100万づつ減っていけば2011年には"0"になる単純計算も出来ます。そう単純には行かない(いってもらっては困る)のでしょうが、指折り数えられる範囲で、北極海が氷の平原ではなく、海になる日が近づいているようです。

 原因は、氷が薄くなり動きやすくなったことから、海水温度が上がり氷の減少に拍車がかかるのと、氷が動いて北極海から流出してしまうという物理的な減少が言われていました。

 今回の調査では、新たに「靄(もや)」を取り上げています。
 ロシアやスカンジナビア諸国など、北極海沿岸の国々が原油やガスの採掘を活発化させている事などによる、大気汚染によるもので、靄(もや)が増えることで温室効果をもたらしていると言うのです。
 採掘された石油やガスは勿論ですが、その採掘による大気汚染も元凶となっている...!
 北極海の航行が可能となれば、北極海の資源発掘が可能になると、米国、カナダも含め、沿岸各国での資源争奪戦が始まろうとしていますが、どこかボタンの掛け違いがあるように思うのは、私だけなのでしょうか?

 読売の同じ紙面に、エール・コロンビア両大学の環境問題専門家がダボス会議で発表した世界149カ国の環境問題への対応状況ランキングが載っていました。1位がスイスで、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドがつづいているとされています...?
 日本は、21位とのことで、フランス(10位)、カナダ(12位)、ドイツ(13位)、英国(14位)に、大きく差をつけられています。

 環境対策技術では先進国とされている日本ですが、排出量が増え続けているところが、国際評価を下げている様です。
 水没するツバルなど島嶼国への技術支援を打ち出していますが、実行が急がれます。


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by yuji_oga | 2008-01-27 19:13 | 地球温暖化 | Trackback

トヨタがハイブリッドで「ルマン」挑戦

 トヨタが「ルマン24時間」に、ハイブリッド技術のマシンで挑戦するのだそうです。
 
ハイブリッドで「ルマン」挑戦 トヨタ 2010年にも (1/19 読売夕刊)

 トヨタが世界3大レースの一つ「ルマン24時間」(フランス)に、ハイブリッド技術のマシンで挑戦する方針であることが、明らかになった。2010年の出場が有力で、同社初の優勝を狙う。

 市販車プリウスなどで世界をリードするトヨタは、06年からハイブリッドレース車の試作を開始。昨年はスポーツ車のスープラにハイブリッド技術を搭載し、「十勝24時間レース」(北海道)で圧勝した。
 現在、モータースポーツ部とハイブリッド担当のHVシステム開発部で数十人の合同チームを作り、マシン開発を進めている。ルマンでは完全な競技用車両での参加となるため、「現状では重量が重すぎ、エネルギー回収効率もまだまだ」と挑戦への改良点も多い。

 トヨタはルマンでは1999年に2位に入賞したのを最後に、F1世界選手権(2002年から参戦)に集中するために挑戦を打ち切った。ルマンは新技術を使ったマシンの出場に寛容で、過去に初歩的なハイブリッド車が米チームから参加(予選落ち)している。06、07年は共にアウディのターボディーゼル車が優勝した。
 トヨタ関係者は「アウディは新世代ディーゼルの優秀性をルマンで証明した。トヨタは、ハイブリッドでそれをやりたい」と話す。欧州では、ディーゼルが環境にやさしいと評価が高く、乗用車販売台数でも半数以上を占める。トヨタは人気レースを通じ、日米に比べてハイブリッドの存在感の薄い欧州での同技術のイメージアップを図る考え。
 現行のルマンのルールでは、同じ量ならガソリンより5%程度熱量を多く出せるディーゼルが有利。トヨタは、ガソリンの不利な5%分をハイブリッドのエネルギー回収で補う。蓄電形式は、市販車と同様の電池に加え、エネルギー出し入れの迅速なキャパシタ(コンデンサー)を併用する方式が有力。関係者は「出場初年に勝利を目指す」と自信を示す。同社首脳は「F1の成績など、挑戦への不確定部分もある」としながらも、「ルマンがターゲット」と認めている。


 ハイブリッド車が初V 十勝24時間レーストヨタ・スープラ組 : モータースポーツ : @CARS : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 十勝24時間レースでのフープラは、スタートから後続をぐんぐん引き離す独走で、1周2分強のコースで2位以下の日産フェアレディZやポルシェを10秒近く上回るペースで走り続けたのだそうで、24時間での周回数は616周。2位との差は19周もある完璧(かんぺき)な勝利だったのでした。
 ハイブリッドカーの実力が、底まで達したのかと驚きますが、レース界に残した意味の大きさは計り知れない。世界的レースのルマン24時間へのハイブリッド車での挑戦という夢も膨らんできたとしていたものが、実現へ一歩近づつ近づいている様ですね。

 東海大で、元日産のルマン24時間チームを引っ張ってきた林義正教授(69)が率いる動力機械工学科のグループがルマンに挑戦する話もあるようです。

 環境問題を抜きには語れないこれからの自動車。その日本の技術を示す意味で、ルマンなどの大きな大会での優勝は大きな活があります。
 「出場初年に優勝を目指す」との意気込みですが、実現を期待しています。
 ルマンもルールを勝手に変えないでいてくれることを願っています。

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by yuji_oga | 2008-01-20 23:58 | 地球温暖化 | Trackback(6)

日本の造船事業、生き残りの最後のチャンス

 1890年に三菱長崎造船所が建造した貨客船で始まったと言われる、120年余の歴史を誇る日本の造船業界は、1956年にイギリスを抜いて建造量で世界一になっていましたが、石油危機と円高の二度の造船不況で競争力が落ち、トップ3の座は韓国勢に譲っている状況です。
 中国勢も造船事業の強化を国策に掲げ、06年の建造量(約7,000万総トン)を、10年に 3倍弱(約2,000万トン)にまで増やす見通しとのことで、日本の造船業界の後退が予測されていました。

 JEFホールディングスとIHIは造船事業の統合交渉に入り、国内最大の造船会社の誕生を目指すとともに、日本の造船業界の生き残りに挑むのだそうです。
 しかし、統合が実現しても、世界的に観れば、8位の規模でしかないのです。
 
世界の造船大手の売上高 (1/12 読売朝刊)

1.現代重工業     (韓国)   10,429 億円/年
2.サムスン重工業   (韓国)   7,102
3.大宇造船海洋    (韓国)   6,693
4.アーカー・ヤーズ  (ノルウェー)  4,686
5.フィンカンチェリ  (イタリア)   3,590
6.現代尾浦造船    (韓国)     2.907
7.ティッセン・クルップ(独)      2,852
(8.ユニバーサル造船+
  IHIマリンユナイテッド(日本)   2,796 )

9.現代三湖重工業   (韓国)     2,763
10.今治造船      (日本)     2,748
11.三井造船     (日本)     2,748
12.三菱重工業    (日本)    2,471


 業界再編は最近実施されてはいるのですが、世界の流れに遅れていました。
 
国際競争 生き残りへ  JFE・IHI造船統合 韓国の独走に危機感 (1/12 読売朝刊)

再編の流れ
<中略>
 最近の業界再編は、造船専業で最大手の今治造船が中小の造船所を傘下に収める形で進んできたきた。重工各社の造船部門の統合は、2002年に旧NKK(現・JFE)と日立造船の造船部門が統合したユニバーサル造船と、同年にIHIの造船部門と住友重機械工業の海上自衛隊向けの艦艇部門が統合して誕生したIHIマリンユナイテッドに留まっていた。

韓国勢がトップ3
  この間、韓国は90年代前半から国を挙げて造船事業の育成に取り組み、06年の建造量は約1,900万総トンと日本の約1,800万総トンを上回る。
  中国も造船業の強化を国策に掲げ、06年の建造量の実績である約700万総トンを、10年に3倍弱の約2,000万総トンにまで増やす見通しだ。


  世界的に売上高の上位10社のうち5社を韓国企業が占め、1位から3位まで韓国企業が独占している。日本勢では、IHIとJFEの統合が実現すれば、ようやく8位に入り、今治造船きは10位だ。


 01年に基本合意した川崎重工とIHIの統合交渉は、両社の主導権の主張が折り合いませんでした。今回の交渉は始まったばかりですが、売上規模が同等の両社のどちらが主導権を握るのかが焦点となります。
 中国・インドの成長で海運業界の活性化により、受注は好調で新たな設備投資の必要性が生まれているのだそうで、統合による資金力強化での新会社の更なる成長が期待されています。

 それでも、規模での韓国、中国勢との競争は容易ではなく、日本勢は付加価値の高い船に対応できる設計技術を高める事が必要とされています。
 半導体のエルピーダの様な、日本製造業の再隆盛の再現を願っています。


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by yuji_oga | 2008-01-14 01:23 | 企業改革 | Trackback

御手洗会長は、日本経済には危機感を感じていると。

 不透明感の漂う日本経済の、今年の展望について、御手洗経団連会長が産経新聞のインタビューに答えておられる記事がありました。
 「日本経済には危機感を感じている」とのことです。

 
【今年に賭ける】御手洗冨士夫・日本経団連会長 伸び悩む成長率に危機感 (1/5 産経)

 --昨年の世界経済を振り返ると

 「ひと言でいえば、激動の年だった。米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題があり、米国発の金融不安が世界の株式市場に影響した。一方で、地球規模で見れば、中国など新興国における年10%前後の経済成長が全体の景気を牽引(けんいん)し、世界では年平均5%強の高度成長が続いた。ただ、需要拡大で原油価格が高騰し、経済にもじわじわ影響を与えつつある。また、日本経済には危機感を感じている」

 --危機感とは

 「日本経済の停滞感だ。当初平成19年度は実質2・0%、名目2・2%の見通しだった経済成長率が、実質1・3%、名目0・8%に下方修正された。経団連会長に就任以来、18カ国をまわり、各国の首相や経済閣僚、経済人と意見を交換したが、みな自国の競争力強化に狂奔している。世界の成長が加速する一方、日本の20年度の成長率は実質2・0%に留まり、このままでは国際競争から取り残されるという危機感が強い」

 --国内では政治の混乱が心配される

 「社会保険庁の年金記録問題が国民に不安を与え、参院の第一党が衆院と異なる『ねじれ現象』が起き、政治が停滞した。テロ特措法にからむ給油問題や、防衛省汚職など重い問題が多く、今年ほど国民主体、国益本意の政治が真剣に求められる年はない。EPA(経済連携協定)の進展や、研究開発税制拡充など成果もあったが、さらに進める必要がある」

 --経団連が今年、重点的に取り組む課題は

 「先延ばしになった税財制の抜本改革、特に消費税の税率引き上げは待ったなしだ。21年度には基礎年金の国庫負担割合が3分の1から2分の1になり、税財政の一体改革は避けて通れない。社会保障問題も未納率が40%を超え、人口減少下でシステム自体が立ち行かなくなった。経団連では全額税方式も踏まえ、広い選択肢から議論すべきだと提言している」

 「そのうえで今後10年間に日本の国民所得水準を世界トップにしたい。日本の経済規模は過去10年来伸び悩んでおり、主要国で最高水準の国民所得実現に向け、あらゆる政策手段を訴えたい」

 --初夏のG8洞爺湖サミットを控え、環境への対応も大きな課題だ

 「経団連でも4月16、17の両日、東京で『G8ビジネスサミット』を行う。環境問題とイノベーション(技術革新)、アジア経済圏の問題と3テーマで議論する。環境問題は、中長期的な枠組みづくりの提言をまとめ、洞爺湖サミットの議論の一助にしてもらいたい」

 --温暖化防止に日本が世界に訴えるべき点は

 「全員参加の仕組みが最優先だ。その上でCO2削減と環境問題はイノベーション、技術でしか解決できない問題だと強調したい。欧州などが進める排出権取引は、直接的、抜本的な削減策にならない。日本は環境の最先進国として、世界が協力して革新的なイノベーションを生み出す主導権を取る必要がある」(内田博文)


 危機感は、日本経済の停滞感から来るとのこと。
 停滞感の生まれる一つは、世界の各国首脳が自国の競争力強化に狂奔しているが、日本の現状では、国際競争から取り残されるという危機感が強くある。
 政治は、ねじれ現象で停滞し、国益や国民生活に関わる重要政策が実施されない。
 人口減少のうえ年金未納が40%を超えて社会保障システムが崩壊の危機。

 それでも、今後10年間に日本の国民所得水準を世界トップにしたい。主要国で最高水準の国民所得実現に向け、あらゆる政策手段を訴えたいとのこと。

 その鍵は、環境の最先進国として、世界が協力して革新的なイノベーションを生み出す主導権を取る事だと。
 低炭素化の新技術が、大きなビジネスチャンスになり、その主導権を技術の日本が今年とれるか! 洞爺湖サミットは、大きな意義をもつサミットになりそうですね。


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by yuji_oga | 2008-01-05 21:59 | 企業改革 | Trackback(1)

政府と三菱重工が、「CCS」技術を使った油田採掘事業を、産油国に売り込む

 地球温暖化の緩和策として、CO2を回収し、深い地中や海中に隔離・貯留する方法(CCS= Carbon Capture and Storage)が注目されています。CO2が発生しても、大気中に拡散させないで、埋め込んでしまうという方法ですね。
 2005年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書では、「大気中の温室効果ガス(GHG)濃度を安定化させるための主要な対策の一つ」と位置付けられ、2兆tに上るCO2が隔離できる(世界全体の2003年のCO2排出量が212億t)という大きな効果があり、注目されています。
 bp special ECOマネジメント/温暖化対策の切り札になるか? 開発進むCCSの可能性

 発電所などで大量に発生するCO2を、適正な地層に貯留する方法と、採取した天然ガスなどに不純物として含まれるCO2をガス田に戻す方法等があるようです。

 政府は、CCSの技術をもつ三菱重工と連携して、この技術を使った油田採掘事業を、産油国に売り込むのだそうです。
 資源ナショナリズムの台頭で、資源保有国の力が強くなり、「日の丸油田」の契約継続が危ぶまれる今日、日本の新技術でCO2拡散防止と、日本の資源確保の両立がかなうという、明るい話ですね。

 
発電所のCO2回収、地中に送り石油増産 政府・三菱重工連携 産油国へ売り込み (1/4 産経)

 政府は、発電所の排出ガスなどから二酸化炭素(CO2)を分離、回収して地中に埋める「CCS」技術を使った油田採掘事業を、産油国に売り込む。同技術を持つ三菱重工業と連動した措置。第1弾として甘利明経済産業相が、4日から訪問するアラブ首長国連邦(UAE)にプロジェクトの受注を働きかける。三菱重工の受注が成功すれば世界初のCCS事業化となる。

 CCSは地球温暖化対策の“切り札”と期待され、欧米企業も本格実施に向けて技術開発を進めている。このため、官民連動の活動で、世界的な受注合戦を有利に展開する方針だ。
 政府は2050年にCO2などの温室効果ガス排出量を現状の半分に削減する目標達成に向け、発電所の排出CO2の約9割を地中に貯留させられるCCSを中核技術に据えている。
 一方、三菱重工は排出ガスからCO2を分離、回収する技術を保有。すでに石油化学プラントの排出ガスからCO2を回収し、尿素肥料の原料とする事業を立ち上げており、マレーシアやインド、バーレーンで技術供与などの契約を結んだ実績がある。
 回収したCO2を地中に埋める技術については、CO2を油田に送り込んで石油の増産に結びつける技術を持つ国際石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルと提携して、事業化の準備を進めてきた。

 ただ、環境対策としてのCCSは、収益事業となる尿素肥料プラントでのCO2回収と異なり、その導入に「経済的な動機付けがなかった」(経産省)。CO21トンの分離、回収には5000~1万円の運営費がかかり、1日1万トンのガスを排出する発電所での事業化にはコストがかかりすぎるからだ。
 しかし、昨年来の原油価格高騰で、「石油会社がCCS導入を検討し始めた」(友国天雄・三菱重工部長代理)。さらに、三菱重工は油田にCO21トンを貯留することで3~5バレルの増産効果があると試算、CCSが採算に見合うと判断してUAEやサウジアラビアなどで受注活動を活発化させていた。
 米政府が電力会社など12企業を巻き込んで、12年に国内でCCSを実用化するプロジェクトを10億ドル(約1130億円)を投じて進めるなど、国際的な動きも活発化している。

 
 温暖化を緩和するには、大きく三つの方法が唱えられています。
 一つは、化石燃料を消費してCO2が発生しても、大気中に拡散させないという方法で、CCSはこれですね。
 二つ目は、化石燃料を使ってもCO2を発生させないという方法です。
 化石燃料を事前に処理して水素と炭素を分離し、水素分だけを燃焼させ、炭素は固体材料として活用するといった方法などがあります。
 三つ目は化石燃料に頼らないという、最も本質的なものです。

 CCSは、発生をコントロールするのではなく、発生したものをどう処理するかという対症療法的な方法であり、これに頼りきることは出来ません。
 しかし、温暖化の進捗は著しく、効果的対処の実行が急がれています。
 コストの課題がありますが、大きな効果が早期に実現可能なCCSの技術が、世界の動きの中で、日本の実績が先進グループで示すことができる事を願っています。


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by yuji_oga | 2008-01-04 19:28 | 地球温暖化 | Trackback

「米国のテレビドラマのような生活を人々が過ごす余裕はこの社会に残っていない」

 今年のこのblogのスタートは、地球温暖化問題からとしました。
 今年は洞爺湖サミットがあり、日経は元旦の社説で、底の見えぬ不安は経済を萎縮させ政治を迷走させるが、気候変動、地球温暖化は、回避の道筋が科学的に確定すれば、不安ではなく、解決可能な命題となるとし、京都議定書から10年、制度設計に背を向けてきた日本は、特殊な国というレッテルをはられつつあり、洞爺湖サミットが不安だとしながらも、日本の洞爺湖サミットの議長国としての役割を果たすことを期待しています。

 産経が、来日中の、IPCCの議長、ラジェンドラ・パチャウリ氏との会見記事を載せていました。
 「米国のテレビドラマのような生活を人々が過ごす余裕はこの社会に残っていない」と警告し、一刻も早く消費型社会から脱却し環境に配慮するよう促したのだそうです。

 
【地球をどうしますか 環境2008】IPCCパチャウリ議長に聞く (1/1 産経)


「世界に余裕はない 方向変えなければ…」


 2007年のノーベル平和賞をゴア前米副大統領と共同受賞した、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長、ラジェンドラ・パチャウリ氏は訪日中の産経新聞との会見で、「米国のテレビドラマのような生活を人々が過ごす余裕はこの社会に残っていない」と警告し、一刻も早く消費型社会から脱却し環境に配慮するよう促した。また、温室効果ガス削減の選択肢として日本の新幹線を絶賛し、途上国への技術供与による日本の貢献にも期待をにじませた。一問一答は次の通り。(杉浦美香、犬塚陽介)

 --インドネシア・バリでの先般の気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)の評価はどうか

 「期待通りにロードマップ(行程表)が採択され、(温室効果ガスの)削減目標も議論された。今後の交渉の枠組みが築かれ、全体的にはうまくいった。(数値目標に)言及されなかったが、(今回の)討論は今後の議論の基盤となろう」

 --交渉の行方は?

 「米大統領選のように非常に重要な政治的変化を念頭に置くべきだ。個人的意見ながら、次期米大統領は次回の(COPなどの)会合に出席し、米国の関与を印象付けるべきだと思う」

 --ゴア氏は今会議の開催地のバリで、ブッシュ米政権の環境問題への対応を痛烈に批判したが

 「やはり、『ゴア氏は政治家』ということを思いださなければならない(笑い)。すべての彼の発言には政治的な意味合いがないわけではない」

 --議長は以前、環境の観点から新幹線技術の重要性を説いていたが

 「2都市の中心部を飛行機よりも速く結ぶ素晴らしい技術だ。もし米国に新幹線があれば、多くの人々は運転をやめて、飛行機での移動を選ばないだろう。どの国にも『輸送の効率化』という大変革が必要となる。特に収入が乏しく、公共交通機関に頼る途上国にとっては重要な技術だ」

 --議長は、二酸化炭素(CO2)の排出量に応じてコストを負担しなければならない『低炭素社会』を提唱してもいる。

 「極めて重要だ。炭素排出量が多い燃料を、排出量が少ない燃料よりも高価に設定するといった政策の導入が必要だ」

 --CO2排出に価格を設定することは物価の上昇につながり、国際競争力の阻害要因になるとの議論が日本では根強い

 「脅威であるだけでなく、好機でもあることを思い起こすべきだろう。もし日本が低炭素技術を開発できれば、世界の市場が相手になる。他国に新幹線を導入するための低金利の計画を提供することも可能だろう。こうした施策は子供たちの未来のためでもある。しっかりした説明があれば国民は理解するだろう」

 --社会全体の消費抑制への協力ということか

 「その通りだ。北米のテレビドラマのような生活を追求するのは大きな間違いだ。この世界にはもはやそれだけの余裕はない。われわれは方向を変えなければならない」

 --だが、国際社会が一体であるわけではない

 「この問題から政治は切り離せないが、正しい方向に変化を求める世論があれば、政治は追随する。だから、世論の関心を高めることが必要だ」

 --「変化を願う前に自らが変化せよ」という(議長が尊敬する)マハトマ・ガンジーの言葉がある。それに近づけるか

 「変わらなければならない。変化をもたらそうと望むなら、われわれ自らが始める必要がある。行動しようではないか」

 
 日経が危惧する日本の態度が、『低炭素社会』への取り組みですね。
 京都議定書では、単なる規制ではなく、企業が省エネに努力し新技術を開発し、新しいシステムを取り入れて排出を削減した分、競争力が高まり、利益を得られる仕組みとして、排出権取引など経済的な手法を定めていました。
 
 この制度設計では残念ながら欧州が断然先行していて、日本は日本経団連と経済産業省の反対で排出権取引の制度化が遅れているのだそうです。

 排出権取引には、いくつかの方式があり、排出枠の初期配分については、過去の排出量を基準にするEUのグランドファザリング方式のほか、企業の初期負担は大きいが公平性は担保しやすいオークション方式、業界の標準的な技術の到達点を基準とするベンチマーク方式などがあるのだそうです。
 日本では、京都大学のク゜ループが、直接排出量の 6割を占める鉄鋼などの産業分野と電力などのエネルギー転換分野に、キャップ・アンド・トレード方式を導入し、運輸やオフィスには別の方式を適用するという、日本の実情に合わせた制度設計が提案されているのだそうです。
 ところが、政府に動きがなく、冒頭に書いた日経の「日本は、特殊な国というレッテルをはられつつある」という危惧になるのです。

 パチャウリ議長は、日本には新幹線があるじゃないかと、子供を諭すように教えてくれているのですね。
 低炭素化の新技術を開発すれば、世界中にビジネスチャンスがある。新幹線が良い例だ。脅威ではあるが、好機でもあると思考転換を進めているのです。

 官の動きのていたいにもかかわらず、民の動きは始まっているようにおもいます。
 みなさんが認識されているとおり、低炭素化の新技術は、地球温暖化に役立つのが目的ですが、同時に久しぶりの大きな新需要を喚起する、革命的な技術となる素地が出来生きている。その幕開けが、2008年となるし、その記念すべき年に洞爺湖サミットで日本が議長国を勤めることは、他の多くの外交課題も含め、低下した日本の威信を取り戻し高める機会になるということですね。

 減るどころか、まだ増え続けている日本。
 地下資源価格の高騰は、新技術の導入には追い風となると、前向きに考えるしかなく、技術立国日本のチャンスとしての成果を挙げていきたいものです。


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by yuji_oga | 2008-01-02 23:17 | 地球温暖化 | Trackback