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食の自給率

 中国産餃子事件を機に、食の安全保障、支給率の議論が高まっています。
 日本の食料自給率は、39%と言う数字もすっかり覚えてしまいました。
 更に、輸入食品に占める中国産品の比率の高さは、中国なしに日本の食が成り立たなくなりつつある現実を、思い知らせてくれました。
 注目の餃子等の輸入冷凍食品の約6割が中国産で、輸入食品全体では、17%を占めるのだそうです。しいたけの様に、輸入品の100%が中国産というものもあるようです。
 中国産食品って、どのぐらい輸入されてる? - [よくわかる経済]All About
 中国製食品を食べずに生きていけるのか?対策を考えてみる・・・ | 食育プロデュース委員会
 食料自給率 - Wikipedia

 ところが、その中国も2004年に食料の輸入額が輸出額を上回る、食料の純輸入国になってしまっているのです。2006年の人口は、13.1億人で、2000年に比べ、4千万人も増えているのです。日本の総人口が 1億を切り、9千万人になると言われているのですから、数値の大きさには改めて考えさせられます。
 経済成長で豊かになった事による食の内容の変化、工業化による農地の減少といった、輸入依存率の上昇理由は、日本と同じですが、分母の規模が違う分、世界中への影響力の大きさも桁外れです。石油価格がそうであるように、食料品価格の世界的な上昇、資源の争奪競争は今後激しさを増していくことになります。

 「中国食品を食べずに生きられるか?」といった現状の心配は、木炭の様に、中国が輸出を突然停止する事態が増えてくる、「中国食品の輸入が途絶えても生きていけるか」ということに備える必要が出てきた時代になっているのです。
 食糧自給率の向上については、農水省が2005年に「食料・農業・農村基本計画」を策定し、15年度に自給率を45%に上げ、将来的には5割以上にする目標を定めています。しかしながら、昔から唱えられている自給率の向上が進まないのが現実でした。今回の議論の盛り上がりが、熱しやすく冷めやすいマスコミや国民性で冷めることなく継続されることを願います。

 <クローズアップ2008>日本の食料自給率、39% 輸入依存脱却遠く(毎日新聞) - goo ニュース

 イギリスの様な、農家の競争力有無による淘汰や、農業の株式会社化は、参議院選での自民党大敗に繋がったのですが、国家の長期政策のもと導入は避けられません。
 「食料・農業・農村基本計画」で掲げる、「地産地消」(CO2削減でも必須)や、国産品への回帰策に国民の意識の高まりがある今回は、有効な具体的政策を矢継ぎ早に打ち出すことで、効果を上げられると考えます。

 そのひとつが、「耕作放棄地」 への対策でしょう。
 1985年に13.5万ヘクタールだった耕作放棄地は、2005年には、38.5万ヘクタールと、20年で約3倍に増えています。米の自給率がほぼ100%であること(需要減によるもの)が示すように、減反政策によるものですが、草が生え放題で何も作られていない田んぼが増え続けています。(2/21 読売朝刊 食ショック)
 理由は高齢化などによる労働力不足が、45%だそうです。
 また、日本の気候では、米の代わりに同等の労力で同等の成果を得られる農作物が少ないのだそうです。
 小麦は、春から初夏の収穫期に雨に打たれると品質が低下するのだそうで、北海道や二毛作が可能な地域に限られるのだそうです。春先に麦、つゆには水が張られて田植えといった昔の日本の風景が想い出されますが...。品質が日本産より、輸入品の方が上なのだそうですね。
 大豆も種をまく5~7月の雨の影響が大きいなど栽培が難しい上に、価格が1/2という輸入品との競争があります。
 野菜や果物は、米よりも手間がかかり、高齢化の農家が手掛けるのは無理なのだそうです。

 自給率は、「熱量ベース自給率」で語られているのだそうで、「重量ベースの自給率」に「飼料自給率」をかけ算されています。
 タマゴや牛乳は、ほとんどが国内の鶏や乳牛からとれたものですが、自給率は飼料の自給率の影響で、タマゴ=重量(95.4) X 飼料(10.1) = 9.6%となってしまうそうです。同様に「飼料自給率が低いものでは、牛乳= 27.5%、牛肉=11%、鶏肉=7%、豚肉=5%と低くなっているのだそうです。
 逆に魚介類は、日本の漁業者が漁獲したものは全て自給となるのだそうで、遠洋の外国の近海で獲れたり、水揚げして輸出されたものも自給としてカウントされているのだそうです。

 外国の土地で、日本による農業を行って自給率を上げるというのはさておき、耕作放棄地で飼料自給率を高めることなら、着手・効果実現の可能性は高いと考えます。
 世界的な穀物価格の高騰も追い風となり、農水省は、減反して余った田で家畜のエサ(飼料)用の米を育てる農家に、07年度補正予算から補助金を出すそうです。
 80%を輸入に頼り、その80%を中国に依存していて、中国の輸出奨励撤廃・関税賦課で値上がりしている"蕎"も、耕作放棄地を利用した栽培がはじめられつつあるようです。
 高齢者が直接耕作できないものは、株式会社化するなどして、それぞれが可能な役割を果たせば良いし、食品会社も安易な人件費コスト削減で中国等外国に投資するばかりでなく、国内の耕作放棄地の活用に知恵と投資を行うべきです。

 食の自給率向上には、消費者の理解と、生産者の知恵の合致が必要です。
 官民一体となった、改革に着手する機会が到来しています。

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by yuji_oga | 2008-02-24 17:58 | 人口減少 | Trackback

Web 2.0の劣等生、MSとYahoo

 Microsoftが、米Yahoo!に対し,446億ドルでの買収提案したとの発表には驚きましたが、多くの評論記事を読み進むうちに、IT技術の進化の速さと、その対応力での企業の消長の激しさを、改めて思い知りました。

 インターネット草創期に学生の手で世に出された、Netscapeと、Yahooは、インターネットの発展の起動者で、Windows の出現と共に世の中に革命を起こしました。
 Netscapeがひっそり幕を閉じたばかりでしたが、草創の双璧のYahooはネット産業を代表する優良企業とばかり思っていた(=不勉強で時代遅れを思い知りました)のですが、違っていた様です。
 
どうなる、ヤフー! (BusinessWeek):NBonline(日経ビジネス オンライン)


テリー・セメル前CEOの失敗


 大規模なメディア企業で経験を積んできたセメル氏の手腕は、最終的に裏目に出た。ヤフーとその企業文化を新たな方向へと導いたが、結局は失敗し、破滅的な状況に追い込んだ。2004年にはハリウッドに程近いカリフォルニア州サンタモニカに豪華なオフィスを構え、動画に重点を置いたウェブサイトなどの大規模なメディア事業に着手した。だが元幹部は、「サンタモニカのオフィスは、巨大で金のかかるお荷物に過ぎなかった。ほかにやるべきことがあったのに」と振り返る。

 セメル氏がシリコンバレーの技術文化に馴染まなかったことも見逃せない。イノベーションを生み出してきたのは、まさにこの独特の技術文化であり、お偉方がハッパをかければ出てくるようなものではなかったのである。

 有名な話だが、セメル氏は平日の夜はサンフランシスコのホテルのスイートルームに滞在し、週末になると南カリフォルニアの自宅に飛行機で帰ってしまっていた。会社に対して冷淡すぎるし、成長著しいグーグルや新興企業に後れを取らないために絶対必要なテクノロジーに全く関心がないと周囲からは見られていた。元幹部は言う。

 「セメル氏はテクノロジーの重要な部分を理解していない。これまでずっとね」


 「何も変えようとしないし、何も決断しようとしない。口先ばかりで行動が伴わない」という経営が、あっけなく業界の急流に足をすくわれ、驚くべき落差の凋落ぶりです。

 その技術とは、クラウドコンピューティングとか、web 2.0と言われるものです。
 IT用語辞典~Web 2.0特集:Web 2.0とは 意味・解説 - IT用語辞典バイナリ

 ウェブサービスくらいまでは、イメージとして意識していましたが、蜘蛛の巣からクラウド(cloud=雲)へと変遷し、しかもその新しい技術に乗り遅れたMicrosoftが、Googleに独走を許し同様に凋落しているYhooを買収して挽回しようという事なのですね。
 # 「はてなブックマーク」は、先日から試しに使ってみたりしてますが...。(^^;)

 【解説】Google,MS,Yahoo!のWeb企業買収レース,ついに最終コーナーへ:ITpro

 
  Yahoo!買収に打って出る,Microsoftの事情を分析:ITpro

Microsoftの時代遅れはいつものこと

 MicrosoftにはYahoo!のDNAが必要だ。Microsoftは頭の良い才能豊かな社員のいる巨大企業だ。しかし,Microsoftの成功は,すべて似たような時代遅れの経験に基づくものばかりだ。

 Microsoftがインターネットやクラウド・コンピューティングを理解できていないのは明らかである。悲しいことに,これはいつものことだ。 1990年代の半ば,テクノロジ産業がWorld Wide WebやNetscapeに夢中になっている時,当時のMicrosoftのCEOであるBill Gates氏は「The Road Ahead(ビル・ゲイツ未来を語る)」という本を出版した。

 しかし,その本でGates氏は,インターネットについて簡単に言及したのみだった。当時,Microsoftは旧式のオンラインサービスである「Microsoft Network(MSN)」の準備に多忙を極めていた。MSNは,CompuServeやGenieなどで使われていた時代遅れのモデルを流用したもので,インターネットへのリンクは皆無だった。

 それから10年経ち,Microsoftは,クラウド・コンピューティングに関する革新的なテクノロジを差し置いて,まだこの伝統的な製品を改良しようとしている。Microsoftはいまだにインターネットが分かっていないのだ。

 しかし,Yahoo!はインターネットを理解している(理解したのは最近ではあるが)。Yahoo!のエンジニア,経営幹部,社員は, Microsoftに必要な衝撃を与えられるだろう。そうでもしない限り,Microsoftは存続の危機に瀕するまで,このような衝撃とは無縁でいるに違いない(ラスベガスは今すぐに,どちらが勝つかを賭けたほうがいい。もし「古いMicrosoft」なら,すぐに死のカウントダウンを開始してもよい。死のカウントダウンは,間違いなく,1995年のWindows 95とMSNのリリースから始まったと言える)。

<中略>

Windowsとオンライン事業は切り離すべき

 次はなにが起こるだろうか。今後のコンピューティングは移動性の向上が主題となる。これは,有線の新しい機器同様,スマートフォンのようなモバイル機器が,これまでのように単なる電話やノートブック・コンピュータではなくなるということを意味する。

Microsoftの伝統的なプラットフォームは儲けが大きいが,世界は変化している。PCはいつでも身近にある。しかし(机に座ってマウスとキーボードを使う)従来のようなPCの使用は,オフィスで働いていない人々やその他の(熱烈なPCゲームマニアなど)ニッチ・マーケットにとって,どんどん一般的でなくなるだろう。

 いつでもどこでも使える無線接続とハードウエアの小型化のおかげで,コンピューティングはさらに普及し,その機動性も増していく。このテクノロジが使われる形式は問題ではない。Microsoftはこの移行の必要性をもっと危惧し,ユーザーが求めるソリューションを準備するべきだ。Yahoo!の買収提案は,正しい方向へ進む1つのステップだと思う。


 Yahooの設立者兼CEOのJerry Yang氏は2008年2月6日(米国時間),全従業員1万4000人にあてたメールで「米Microsoftによる乗っ取りを回避するため,当社の幹部はあらゆる手段を講じていく」と約束したそうです。
 今後の行方は余談を許しませんが、Microsoftでさえも、「古いMicrosoft」のままなら,すぐに死のカウントダウンを開始してもよいという、変化の激しい業界、世の中となっているのです。 今後の展開に眼が離せませんが、他人事では済まされません。

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by yuji_oga | 2008-02-11 20:00 | IT備忘録 | Trackback