<   2009年 01月 ( 1 )   > この月の画像一覧

世界同時不況から脱するには ITから農業へ

 世界同時不況から脱するにはどうすればよいのか、何がどうなれば右肩上がりに転じられるのか。いろいろな見解が出始めています。
 ひとつは、ダメージの少ない国(インド、日本、中国)や、潜在的成長力のある国(インド、ブラジル、中国他のアジアの一部の国)の内需拡大に乗ることがあげられていますが、一番大きいのは産業革命を引き起こすような新しい技術の出現か、産業構造の変革です。
 新しい技術としては、蒸気、電気、ITがあり人々の暮らしを豊かにすると共に経済の発展を推進してきました。既に円熟してしまい、目を見張る技術が出なくなったITに代わる新技術の出現が望まれるのですが、無い物ねだりをしてもしかたがありません。
 ただ、新技術は、世の中の変化と変化によって生じるニーズの中から生まれてきます。今日の、かつて例をみない、出口がみつからない世界中が同時に暗闇に突入した状況は、世界中の知恵が働くことにもなり、新しいなにかが生まれて変化をするはずです。
 ITの次ぎにくるもの、それはなにかというと、農業に代表される食糧技術だという声があり、yuu2も賛同するのです。

 人が生きていく上で大切で不可欠なのは、衣食住の確保です。
 日本とは異なり、世界全体では人口は増え続けていて、食糧や、エネルギー資源は不足し始めてきています。そして、その入手に国の間でも格差がひろまりつつあります。格差の中から争いや戦争が生まれます。
 そこで、各国の普通の政府は、国防、食糧、エネルギーの3つの安全保障を第一義の政策に掲げ短期・長期の政策を優先立案実行します。(政局に明け暮れているのは3流国ですが、世界のなかにはすくなくありません。我が国がどうかは、このblogのテーマではないので、ここでは触れません。)

 個人でも国でも、不況が進むと改めて衣食住といった基本の確保の困難さを想い出します。
 このうちの「食」については、日本も自給率を上げる必要性を唱える声が高まり、政府も 平成15年=約40%を、27年には45%にする目標を掲げ動き始めています。
 農林水産省/食料自給率の部屋

 米、小麦、トウモロコシ(エネルギーとの奪い合い)他の農産物や、魚の世界的な高騰が昨年注目されました。そして最先端では、「オイル(油)をソイル(土)に」とのサウジアラビア他の中東諸国の動きに、中国や欧州各国も競い合う状況を招いているのだそうです。
 
自給率UPだけで大丈夫? 農地争奪に出遅れる日本 (WEDGE1月号)

 合言葉は「オイル(油)をソイル(土)に」――。今、サウジアラビアをはじめとする中東産油国が、巨額のオイルマネーを元手に世界中の農地を買い漁っている、と聞いたら多くの読者は驚くかもしれない。しかし、中国や欧州各国までもが農地獲得に乗り出している。一方の日本は、農地争奪戦から完全に出遅れ、食料自給率1%向上に血道をあげているが、未来の食を途絶させないためには、「他給率」のアップも同時に考える必要がある。

 世界を驚かせたサウジ政府の自給率0%の決断
 砂漠の中に、円形の小麦畑が整然と並ぶ。中心にあるスプリンクラーから水が撒かれ、広大な畑を潤す。世界最大の産油国であるサウジアラビアは、年間250万㌧の小麦を生産する農業国でもある。石油の探査で見つかった地下水をくみ上げて砂漠を灌漑し、農家から国際価格の数倍の値段で小麦を買い取って、1974年に自給自足を達成した。86年から約10年間は、近隣諸国や旧ソ連に小麦を輸出していた。だが、地下水はまだ砂漠に緑があったころに降った雨が溜まった「化石水」で、一度くみ上げたら終わり。毎年50億㌧以上をくみ上げ続けたことで、石油より早く、今世紀半ばに完全に枯れる恐れが出てきた。

 これを受け、サウジ政府は2008年1月、世界の農業関係者があっと驚く決断をした。「今年から農家からの小麦の買い付けを毎年12・5%ずつ減らし、今後8年で全量を輸入に切り替える」 30年間巨費を投じて100%に引き上げた食料自給率を、0%にするというのである。世界的な食料不足が深刻化し始め、穀物市場では小麦や大豆価格が高騰を始めていた。水が大切なのは分かるが、地下水の枯渇は半世紀も先のことだ。こんな時に、なぜ自給放棄を決断したのか。「原油価格が過去最高値で推移している今こそ、小麦の生産中止を実行する好機だ」

<以下省略>

 オイルの枯渇よりも、水と農地の枯渇を防ぎ国民の生活の確保をする。そのためには国内では確保出来ないので、農地と水に余力のある後進国の農業に適した土地を買収するというのです。
 ただし、日本のご近所さんの様に武力で占有・実効支配したり、気づいたら軍の旧施設跡地を買い占めていたりというのではなく、政府間で協議し、農業振興促進し出来高を分け合うという、オープンな進め方です。
 農業に適した土地もまた、有限な資源で中国や欧州各国も競って買いに奔走しているというのです。
 自給率もさることながら、多給率も上げようというものです。

 政局に夢中の日本の政府や官僚には考えが及ばないので、商社が頼りとなりますが、リスクが大きく、また、過去にどの商社も失敗しているとのことで、1社(三井物産)を除いて及び腰です。官民一体となった中長期の戦略が必要ですが、着手しようとしても、残された適地はなくなっているかもしれないという状況のようです。

 農地が限られているのなら、乱獲で資源が減る魚類なら、新しい技術を導入して生産量を増やすしかありませんし、人が生きていくためには、その技術が不可欠で待望されます。
 縦に何層にも栽培面積が増やせ、天候の影響を受けないビルでの水栽培。糞などで汚れた水でも、短期間に数10キロに成長するピラルクの養殖(高級魚としてではなく、一般家庭の食糧に)、等々小さくスタートされている技術は多いのですが、産業構造が変革し人々の生活が満たされる技術(一発決定的なものは困難で、多様な各地域に適した技術となる?)が出現することを願っています。

 ピラルクー養殖にかける 年末にテレビでも取り上げていましたね。

 食の安全保障(農業改革=規制緩和での企業の参画 他)について、今年は注目していきたいと考えています。
 政府の中にも、おっかなびっくりの牛歩ながら、改革の必要性を認識している人もいるようです。
 
減反政策見直しへ 農相示唆 廃止含め「検討必要」 (12/29 読売朝刊)

 石破農相は28日、都内で記者団に対し、コメの作付面積を抑えて価格維持を図る減反政策を見直す考えを明らかにした。

 コメの生産への政府の関与を弱める方向にかじを切るもので、2007年夏の参院選で自民党が敗北する以前の政策に近い。自民党や農協の出方次第では、難航が予想される。

 石破農相は28日午前、都内で記者団に対し、「農業の持続可能性が失われている原因の一つは生産調整(減反)」と指摘した。さらに、減反をやめた場合のコメ価格への影響を試算したうえ、廃止も含めて「いろいろな角度から早急に検討する必要がある」と述べた。2009年夏までに一定の結論を出したい意向だ。

 減反をやめれば過剰生産でコメの価格が下落し、農水省が育成している大規模農家ほど悪影響を受けることが想定される。このため、段階的な廃止や、所得維持のための安全網(セーフティーネット)の構築を検討する。

 減反は1971年から始まった。30年以上続いてきたが、価格維持の効果が薄くなってきたことなどから、国は07年度から政策を転換した。国の役割は生産量の目安を示すだけで、農家側が実際の生産量を決める仕組みになった。
 しかし、過剰生産に陥って07年産米の価格は一時大きく下落し、農家の反発は夏の参院選での自民党敗北の一因になったとされた。その反動で、自民党の主導により08年産米から再び国や自治体の管理が強まっている。



b0055292_19161762.jpg


↓ よろしかったら、お願いします。

[PR]
by yuji_oga | 2009-01-01 19:17 | 食の安全保障 | Trackback