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地球温暖化でワインの名産地に変化が

 いま世界の名だたるワイン生産者の間で、「地球温暖化が進むと、伝統的なワインの品質が保てなくなる」という不安が広がっているのだそうです。

 英国や北欧がワイン名産地に躍り出る:ECO JAPAN -成長と共生の未来へ-

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2007年に発表した第4次評価報告書では、「ワイン用のブドウは、気温上昇の影響を受けやすい作物の1つで、温暖化が農業にもたらす影響の指標になる」と指摘しています。
 ブドウは世界で最も多く栽培されている果物の1つだそうで、他の果物と比較して温暖化に脆弱(ぜいじゃく)とは言えないのだそうですが、上質のワインは、ブドウ果汁や果皮に含まれる複雑な味覚成分が発酵によって融合して作られるため、温暖化によるわずかな品質の変化も、ワイン独特のバランスを崩しかねないことから、上質のワインは温暖化の影響を受けやすいのだそうです。

 
ワイン生産は、なぜ温暖化の影響を受けやすいのか。英国や北欧がワイン名産地に躍り出る:ECO JAPAN -成長と共生の未来へ-より抜粋)

  ワインの味わいを作り出すのに重要な要素は、甘み(糖分)、酸味、芳香だ。赤ワインでは、皮に含まれる渋み(タンニン)も加わる。成長期(北半球では4~10月)の平均気温が低すぎると、甘みが低下し、芳香が淡いので安っぽい味になる。逆に、平均気温が高すぎると、甘みが強く、熟しすぎた芳香になる。発酵によるアルコール度数も高めになる。それに対して、酸味が低下するので、パンチがあるだけの粗暴な味わいになってしまう。

 平均気温は適正でも、ブドウの木の芽吹きの時期に霜が降りたり、収穫前に極端に暑い日が訪れることも品質低下の原因になる。

 これらの条件を満たすことが、良質のワインに適した気候というわけだ。そして、その温度範囲はブドウの品種によって異なる。

 例えば、ドイツなど寒冷な地域で白ワイン用に栽培されているリースリングは、平均気温が13~18℃の範囲が最適なため、寒冷な地域で広く栽培できる(上の右図)。それに対してロマネ・コンティなど高級赤ワインなどに使われるピノ・ノワールは14~16℃と最適気温幅が狭く、気候変動の影響を受けやすい。フランス南部では、温暖化が少し進んだだけでピノ・ノワールを栽培できなくなる可能性がある。


 フランスのブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村で作られ、毎年6,000本程度しか出荷されない希少ワインのロマネ・コンティ(日本では通常1本40万円以上)が、ニューヨークの競売で、傑作と言われる1985年産ものが、1ダースで23万7000ドル(約2200万円)という市場最高値を就けたのだそうですが、フランス、ドイツの名産地はもとより、オーストラリアや私が愛飲しているカリフォルニアなどの産地でも、対応に苦慮しているのだそうです。

 対応策には、こまめな散水などの栽培管理や交配による品種改良があるのだそうですが、品質の維持や再現には未知数のところがあるのだそうです。
 そこで注目されているのが、これまで寒冷地であるため生産に適さなかった地域での新規参入なのです。
 フランス、ドイツの上質ワインに使用されるリースリングやピノ・ノワールなどの品種が、英国や北欧で栽培されるようになったり、オーストラリアからニュージランドに産地が移動したりが、50年後には現実のものとなると言われているそうです。

 日本でも、山梨や北海道のワインの品質は格段の向上を遂げていますが、新たに世界に名をなす名産地になり、優良輸出産業に変身できる可能性があるということですね。
 頑張れ、日本の農業! 


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by yuji_oga | 2009-11-28 17:48 | 地球温暖化 | Trackback