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宇宙ゴミを日本の魚網メーカーの網で「宇宙ごみ除去システム」を開発

 使命を終えた人口衛星など「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」が増えてきて、稼働中の衛星との衝突などが危惧されています。
 この「宇宙ゴミ」を、「エレクトロダイナミックテザー」の網を使って大気圏に突入させ燃え尽きさせようと、広島県・福山市の老舗でかつ魚網トップメーカーの「日東製網」とJAXAとが開発を進めているのだそうです。
 
asahi.com(朝日新聞社):宇宙ごみを漁網で一網打尽 広島の老舗とJAXA開発中 - サイエンス

 人工衛星の残骸など、地球の周りに増え続けて問題化している「宇宙ごみ」に、長さ数キロの「網」をつけて大気圏に突入させ、燃やしてしまおうという試みが、広島県の老舗漁網メーカーと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の間で進められている。
 昨年創業100周年を迎えた「日東製網」(福山市)がJAXAと共同開発中の「宇宙ごみ除去システム」。
 まず、金属で編んだ長さ数キロの「導電性テザー」と呼ばれる細長い網を「捕獲衛星」に積み、ロケットで打ち上げる。軌道に乗った後、衛星のロボットアームを使って宇宙ごみに網を取りつけ、アームの先端を切り離す。
 網は地球のまわりを周回することによって電気を帯びる。これが地球の磁場と影響し合って、徐々に高度を下げさせる力となり、大気圏にごみごと再突入して、最終的に燃え尽きるという仕組み。ごみを移動させるのに、燃料が不要というメリットもある。
 日東製網は創業15年後の1925(大正14)年、結び目なしに編み上げる丈夫な無結節網(むけっせつあみ)の製造機を世界で初めて発明した。ひもが交わる部分に結び目がある網よりも切れにくいうえ、漁船の上で折り畳んでも軽く、かさばらないなど画期的な網だった。この網で国内シェアの半分を占めるトップ企業に成長。現在も定置網漁や底引き網漁など漁業に幅広く利用され、マグロ養殖用の網なども海外に輸出している。
 こんな実績もあり、同社は6年ほど前、JAXAから「電流が流せる網を作ってほしい」との依頼を受けて研究を始めた。太い鉄製の針金から、曲げるとすぐに折れてしまう炭素繊維まで数十種類の素材を試した。昨年夏、アルミワイヤとステンレス繊維を組みあわせたテザーの開発にこぎつけた。
 髪の毛ほどの細さの繊維をより合わせた直径約1ミリの銀色のひも3本が、網状に編まれている。両手で持ってみると、あやとりのひものように柔らかくたわむ。宇宙空間を飛び交う小さなごみと衝突して1本が切れても、残り2本で耐え、網の機能が保てる仕組みだ。
 ロケットでの打ち上げ時期は未定だが、同社は2年後の完成を目標にしている。開発を担当する同社技術部化学課の尾崎浩司さん(41)は「ナイロンなどで編む漁網と違い、硬い金属製の網を編むのは難しい。ちぎれて使い物にならない失敗作も作ったが、やっと実用可能なテザーができた」と、宇宙ごみの「一網打尽」に意欲をみせている。(吉田博行)



 網で一網打尽と聞いて、トロール漁船の様に衛星で網を引っ張ったり、定置網の様に回遊するゴミを回収するのかと思ったら、どうやら違うようです。
 テザー(Tether)とは細長い紐のことだそうで、この紐に導電性のワイヤーを用いることで、宇宙空間を満たしているプラズマと電子をやり取りすると、テザーには電流が流れるのだそうです。そして、地球磁場などの磁場とテザーを流れる電流とが相互作用することによって、ローレンツ力が生じるそうです。このローレンツ力で宇宙機の推進制御を行い、加減速ができるそうです。減速させることで下降させ、大気圏に突入させるのです。つまり。網で捕えるのではなく、網が「エレクトロダイナミックテザー」になるのですね。

 この技術は、燃料を地球から持参しなくても宇宙空間で宇宙船や衛星の動きを制御できるとして注目されているのだそうです。

 山極研究室 静岡大学
 
 宇宙のすぐれもの エネルギーを生むテザー衛星:日経サイエンス

 世界に先駆けている日本の宇宙技術のひとつとして、期待されますね。


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by yuji_oga | 2011-01-25 20:37 | 気になる話 | Trackback

グローバルの戦い方とは

 年頭の各紙の今年についての論調は、人口減の日本経済と社会福祉&財政再建、近隣諸国の覇権拡大に伴う国家の主権擁護と外交がキーワードでした。
 近隣諸国が覇権拡大の食指を伸ばしてくるのも、社会福祉の財源不足や世界の主要国の中でも突出した財政赤字を抱えるのも、日本の国力=人口と経済力が減衰の道を辿っているからに他なりません。
 その内の、経済力の回復については、TPPやEPAでの貿易の自由化=グローバルな場での競争力が求められますね。「グローバルの戦い方を知れば勝てるはずだ」という、日本GEの藤森義明社長兼CEOと、日本マクドナルドの原田泳幸会長兼社長兼CEOの日経ビジネスの対談記事がWebでも掲載されていましたので、リンクを貼らせていただくと共に、要点の所見を備忘録がてらメモさせていただきました。

 グローバルの戦い方を知れば勝てるはずだ:日経ビジネスオンライン

 先ず注目されたのは、原田社長の「日本語で考えて、日本語で話せ。英語で考えて、英語で話せ」という言葉です。
 会社の公用語を英語にされた理由です。
 日本語で考えて、英語に直訳したら、全く意味が間違った解釈をされる。謙譲を美徳とする日本流でしゃべると、こいつは自信がないのだと無視されてしまうということです。グローバルの場で、相手に理解してもらうしゃべり方(コミュニケーション、文中ではマーケティングとも表現あり)には、相手の言葉と文化や発想の中に入ってその世界で考えて喋ることが必要ということです。
 普段、日本語で会話しているときは、控えめで優柔不断にさえ思えた若者が、海外経験をして英語でしゃべるようになると、人が変わったように堂々として、テキパキと話せたり実行出来たりするようになるケースは、よく経験しました。
 
原田  2004年に私がマクドナルドに入社した時は、役員で英語を話せる人は誰もいませんでした。今は全員が話します。そういう環境になれば話せるんですよ。もちろん、パーフェクトな英語とは言えません。でも、通訳をつけると、目の前の外国人ではなく、どうしても通訳を向いて話してしまう。それよりも、英語は未熟でも、一生懸命に自分の言葉で身振り手振りを交えて目を見ながら伝えるほうが大事ですよね。

 日本のビジネスパーソンの一番の弱点、それはプレゼンが下手なことです。コミュニケーションできないんですよ、本当に。

 例えば、日本人は「これが課題です」「こんな問題があります」と、バーッと言いますよね。一方、アメリカ人は絶対に「問題です」なんて言いません。“Challenge and opportunity.”ですよ。“What's not working”ではなくて、“What's working”と言って“next opportunity”と続けていく。仕事に対する姿勢が全く違う。日本は、経営者陣も外交も含めて、プレゼンテーションがめちゃくちゃ弱い。もっと強化していかないといけないと思います。

 この意味で、英語の公用語化が企業にとってプレゼン強化の1つの起点となるのであれば、私は大賛成です。藤森さんも指摘されましたが、英語を話す瞬間に態度が変わりますから。


 グローバルな考え方と、日本語的な考え方については以下の説明が解りやすい。
 
「あうんの呼吸では伝わらない」(原田)

 日本には教育的背景もあります。「よーい、ドン」で駆けっこして、手をつないでゴールに入りましょうというのはおかしいんですよ(笑)。競争して勝つというところから、教育していかないと。勝てばいいと言っても人の足を引っ張ってはいけませんが、人以上に頑張ることは教えてないといけないし、勝ったら褒めてあげなければいけない。これと同じで、自分の考えが人と違っていても主体性を持ってきちんと伝える。そして、建設的に議論する。

 コンストラクティブディベートが日本人は苦手ですね。反論しちゃいけないとか。グローバル企業の中では、「あうんの呼吸」なんてあるわけがない。コミュニケーションせずに黙っていたら、相手には伝わりませんから。

 日本マクドナルドにも、課題はまだ残っています。外国人に対してプレゼンする時は、とても慎重になります。スタッフに対して、何度もレビューして、コーチングして、ロールプレイングまでやって、成功するように持っていきます。プレゼンは真剣勝負ですから。そこが結果を出す場だ、と心に決めています。日本人は会議で結果が出ると思っていなくて、会議が目的になっている。アメリカ人にしてみれば、会議がすべてのビジネスや人材を評価する場所なのです。


 会議で決まったことを、翌日になったら忘れて行動している。会議に出席してから考え始める。等々、思い当る...? 昔ならいざ知らず、いまどきそんな人はいないとは思いますが。(微笑)

 リーダーは、大きな方向を示さなければいけない。
 
藤森 外国人が「日本の中でどんな好機があるのか」と尋ねた時、相手は大きな目で見たいと思っているのに、こっちが3%とか2%とか言ったら、もうそこで聞く気をなくされてしまうわけです。次元が違っていて、そのまま会話が終わってしまう。相手が何を期待しているかを考えて応対するのが基本だと思います。

 我々はよく“Entitlement”(エンタイトルメント)と言うんです。これは先ほど原田さんがおっしゃっていた、「最大どこまで取れるのか」を意味します。このことをよく分かっていれば、「Full potential opportunity」を伝えようという発想になりますが、分からないと往々にして自分ができることだけを話してしまいがちです。

司会 以前、原田さんが、業績が低迷していた日本マクドナルドで年間の全店舗売上高6000億円という目標をぶち上げたことを思い出しました。

原田 当時は3950億円ぐらいでした。その時に「6000億円は絶対に行くぞ。なぜかというと、こうこうこういう組み立てだから実現できる」という話をしました。まあ、屁理屈でもウソでいいから、言わなければいけないのです。誰も信じないと思っていましたよ。信じられるはずがないです、そういう経験を誰もしていないのですから。ただ、日本マクドナルドはどこに行くんだということを、みんな聞きたがっているわけです。

 だから、「6000億円、行くぞ」と。こうして、5300億円まで到達しました。私は今「6000億円はゴールじゃない。次のバス停だ。その次のバス停は7000億円だ」という話をしています。でも7000億円という目標に対する、みんなの受け止め方は6000億円とは違います。例えば「店舗開発をこのように改革したら数字はこうなるから、確実に行けると思う」と説明すると、いったんは経験していますから誰もが納得します。リーダーはこういう大きなナビゲーションをしていかなければいけないでしょうね。


 最後に、2011の展望。
 
司会 最後になりますが、2011年への思いを聞かせてください。

藤森 グローバル企業としては新興国のような成長分野に資源を投入するのが当然の経営判断です。でも、それで日本がしぼんでしまってはいけない。これからは成長のないところに、自らで成長を見いだす努力をしていかなければなりません。そのためには、今までとは違った考え方や取り組みが必要になってきます。

 我々は2011年の取り組みとして、「エナジャイズ・ジャパン」という標語を掲げています。全員をエナジャイズ(活気づける)できれば、いろいろなアイデアがわいてくるでしょう。日本がそうなれば、成長の芽も出てきますし、世界の注目を集めることもできるはずです。

原田 日本人は政治も経営も、自ら変革するのは苦手ですが、変化せざるを得ない外的環境にさらされた時はもの凄く強さを発揮します。必ず乗り越えてきているんです。オイルショックも、ドルショックもね。

 私は、2011~2012年にかけて日本は今まで経験したことがない外圧にさらされるだろうと考えています。でも、それをチャンスととらえて、日本らしい強さをさらに構築していく。こういう時代のスターティングポイントになったらいいなと思います。日本人は優秀なのですから、必ずやり遂げると信じています。


 今年は、外圧により日本が大きく歴史に残る変化を遂げねばならない年になるのは全く同感です。
 国家の主権・領土を、どうやって守るのか、TPP, EPAで閉塞化する日本経済を復興できるのか、年末にはどんなことになっているのかが楽しみです。


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by yuji_oga | 2011-01-05 17:38 | 企業改革 | Trackback

伊丹空港跡地への「副首都案」 閣議決定へ

 首都圏で大規模災害が発生しした場合の備えとして、副首都を構築しようという、国家危機管理国際都市(NEMIC)構想を推進するため、2005年 4月に、危機管理都市推進議員連盟が結成されていたのだそうです。
 同議連は、伊丹空港跡地をNEMICの建設対象地域とする案をまとめ、閣議決定まで持っていきたい考えを示したのだそうです。

 副首都構想 - Wikipedia

 
バックアップへ超党派議連構想 伊丹空港跡地に“副首都”案 (1/1 産経)

 首都・東京が大災害やテロなどの危機に陥った場合を想定し、バックアップ機能を集約した「副首都」を整備すべきだとする超党派の「危機管理都市(NEMIC)推進議員連盟」(会長・石井一民主党副代表)は31日、廃止の可能性が取り沙汰されている大阪国際空港(伊丹空港)をNEMICの建設対象地域とする案をまとめた。同議連は、政府が次期通常国会に提出を予定している「総合特区制度法案」の成立を待ち、23年中に、同法に基づく総合特区として「NEMIC建設地域」を閣議決定したい考えだ。

 総合特区制度は地域活性化の自立的な取り組みを支援するもので、総合特区に指定されれば税制、財政、金融上の優遇措置が受けられる見通し。
 同議連によると、想定しているNEMIC全体の敷地面積は約500ヘクタール、居住人口5万人、就業人口は20万人で、整備期間は5年。総建設費は5兆円。建設費の多くは、民間や海外からの投資で賄う計画で、国庫支出は、中央官庁の代替施設建設分の5千億円(初年度1千億円)にとどめる。
 政治、経済の拠点が集中する東京の機能不全は、日本全体を混乱させるとの懸念が以前からあり、「首都機能移転」の議論が続けられてきた。
 同議連は、首都移転ではなく、首都機能をバックアップする新たな「副首都」整備の必要性を訴え、平成17年に超党派の議員が設立した。主要メンバーには、民主党の菅直人首相、鳩山由紀夫前首相、自民党の安倍晋三元首相、谷垣禎一総裁、みんなの党の渡辺喜美代表、国民新党の亀井静香代表らが名を連ねている。

 これまでの議連での検討では、NEMICの整備地域としては、関東圏に次いでインフラが整っている関西圏が望ましいとの考えが強かった。
 関西圏には、伊丹空港、関西国際空港、神戸空港の3空港が集中、伊丹空港の廃止論が出ているため、同空港が廃止された場合を想定して、その跡地にNEMICを整備する案をまとめた。
 NEMICには、中央官庁の代替施設を設置して、政府の情報の保存を進めるほか、国際会議場、商業施設、住宅、医療施設、ホテル、アミューズメント施設などを整備する。
 交通システムにはリニアモーターカーを導入。風力・太陽光発電などクリーンな電力供給を通じた環境に配慮した都市を目指す。


 橋下知事の大阪都構想も、徐々に話題に上る機会が増えてきています。東京一極集中の危機管理と、関西の元気づけには興味深いはなしだと思います。
 石原都知事は、神奈川、埼玉、千葉の関東圏で危機管理対応するとして反対しておられるとのことです。
 
 ここは、跡地利用が可能な状況が整えば、一定のインフラがそろっていて、自然破壊もないと言われる環境面、日本全体の活性化を考えた集中から分散への流れ造くりから、是非検討を進めていただきたい話ですね。

 新春の、数少ない夢のある話題でした。

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by yuji_oga | 2011-01-03 17:18 | 気になる話 | Trackback