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液晶 日の丸連合軍は韓国から王座奪還できるのか

 かつて日本が世界をリードした「液晶」を、韓国に負場割れ薄型テレビを撤退するメーカーが出てきていますが、経産省が後押しして、ソニー、東芝、日立製作所の3社が“日の丸連合”を結成し復活を目指すのだそうです。
 
打倒韓国、液晶“日の丸連合” 前途多難の再生モデル(産経新聞) - goo ニュース

 かつて日本のお家芸だった「液晶」の復活を目指し、ソニー、東芝、日立製作所の3社が“日の丸連合”を結成した。スマートフォン向けなど市場が急拡大する中小型液晶パネル事業を統合。官民ファンドの産業革新機構も出資し、「ジャパンディスプレイ」を来春に立ち上げる。「過剰プレーヤーによる国内予選で疲弊し、韓国や台湾などの海外勢に出し抜かれる」という日本の産業全体が抱える課題を克服する再生モデルとなれるのか。

 ■官主導プロジェクト


 「
中小型は日本メーカーに技術的優位性がある。成長投資の千載一遇のチャンスだ

 新会社設立の立役者となった革新機構の能見公一社長は8月31日に開かれた発表会見で、「世界を代表するディスプレーメーカー」の誕生を宣言した。
 先端技術の事業化や大手企業の国際競争力強化を目的に平成21年に発足した革新機構は、新会社にこれまでの最高額の2千億円を投資。うち1千億円を投じて最先端の生産ラインを新設する。金融機関から調達した資金には政府保証が付く。新会社が立ちゆかなくなれば、国民負担となる“
国家プロジェクト”だ。
 交渉関係者によると、昨年春ごろに機構が統合を持ちかけ、交渉がスタート。日立が何度か離脱するなど難航したが、何とか合意にこぎ着けたという。
 「
技術では優れているのに多数の会社が国内市場を食い合って疲弊し、大型投資に踏み切れなかった
 機構を所管する経済産業省の幹部は、日本の液晶産業が凋落(ちょうらく)した原因をこう指摘する。

 韓国では、アジア通貨危機を契機に政府主導で業界再編を進め、サムスン電子とLG電子の2強に事業を集約。巨額投資による物量作戦で価格競争力を強めてきた。友達光電や奇美電子などの台湾メーカーも、下請けに徹する生産受託方式で台頭。薄型テレビ向けパネルの世界市場では、韓国・台湾勢に完全に主導権を奪われた。

 ■中小型は最後の砦


 「
投資を継続しないとリーディングポジションを維持できない」(東芝の佐々木則夫社長)
 「
国内の競争で消耗していては海外勢に勝てない」(日立の中西宏明社長)
 危機感を強める日本勢にとって、スマホやタブレット型端末向けに市場が拡大する中小型パネルは世界市場で4割近くのシェアを握る“最後の砦(とりで)”だ。「事業再編に動くぎりぎりのタイミング」(経産省幹部)という官の焦りも、3社の背中を押した。
 米ディスプレイサーチによると、3社合算の昨年の中小型パネルの世界シェアは出荷ベースで21・6%。14・8%のシャープを抜き、世界首位に躍り出る。
 ただ、日の丸連合の内情は、とても一枚岩とはいえない。2年越しの交渉にもかかわらず、新会社の社長ら役員人事のほか、3社で計6カ所ある工場のどこに新ラインを設けるかなどの重要課題は白紙状態で決まっていない。
 今後の成長を左右する高精細な有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の開発でも、製品化で先行するソニーは「技術は新会社に移さず、技術協力で対応する」(吉岡浩副社長)とガードを固める。
 3社をまとめる革新機構の役割は大きいが、「高邁(こうまい)な理想を掲げるだけの官製ファンドに主導権争いを抑えつけるのは無理」(民間投資ファンド)と冷ややかな声も聞こえる。
 しかも日の丸連合には、重要なピースが欠けている。中小型パネルで現在、世界首位のシャープだ。


 ■孤高シャープに不安


 革新機構の能見社長は「最初から3社だけで話をしていたわけではない」と、シャープへの統合参加打診をにおわせた。
 だが、シャープは主力拠点である亀山工場(三重県亀山市)で、大型パネルの生産を大幅に縮小し、中小型への生産シフトを強めている。さらに、「iPhone」や「iPad」を擁する米アップルから投資を受け、中小型パネルを大量供給する交渉が進んでいるとされる。
 “液晶のシャープ”の自負もあり、単独での勝ち残りを目指すことにしたが、アップルとのタッグはもろ刃の剣でもある。業界関係者は「
アップルに生殺与奪権を握られ、下請けになり下がるリスクが拭えない」と懸念する。
 「
官が肩入れする3社連合が、日本の液晶産業をリードしてきたシャープをたたきつぶすようなことになれば本末転倒」(アナリスト)
 “液晶ニッポン”復活の前途は多難だ。(古川有希)


 技術では負けていないが、国内の消耗戦で、韓国勢の投資競争に負けたとのことで、スマホやタブレット型端末向けに市場が拡大する中小型パネルの最後の砦を死守・復活を期す戦略だとのことです。

 話を聞いて、日本の復活・巻き返しに官民あげて取り組むとは、素晴らしいと喜んでのですが、どうやら一筋縄ではいかない様子。
 先ず一つは、総論賛成で、3社の連合はなったものの、工場や社長など具体的にはまだなにも決まっていない。
 2つ目は、トップメーカーのシャープが不参加で、独自路線で進もうとしている。3社月山での世界シェアは21.6%になるそうですが、シャープ単独でも14.8%のシェアーがあり、国内での消耗戦が回避されることにはならない状況です。

 どっちも先行きに大きな不安を投げかける問題ですが、目指す方向は正しいと考えますので、すくなくとも一つ目の当然通り抜けなければならない課題は早急に解決し、政府任せではなく民間の活力で解決を目指していただきたいものですね。
 シャープと2社になることは、韓国でもサムスン、LGの2社が並びたっているのですから、日本でも許容可能とも見込めることですし、技術の選択・競争になるメリットはあるでしょう。



 
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by yuji_oga | 2011-09-26 01:17 | 企業改革 | Trackback

東レが電気自動車を開発

b0055292_16215983.jpg 東レがあの炭素繊維を使った電気自動車を、コンセプトカーではありますが創ったのだそうです。
 電気自動車では、従来の自動車メーカーにとどまらず、多くの異産業の企業の参入が話題になっています。ボーイング787を始めとして、航空機への使用で脚光を浴びた東レの炭素繊維ですが、素材使用量が期待できる自動車産業での採用拡大をを目指して、コンセプトカーを開発したのだそうですね。
 
東レ、電気自動車のコンセプトカーを開発---CFRP製のモノコック構造で大幅に軽量化 - 機械・産業機器 - Tech-On!

 東レは、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を多用して大幅に軽量化した電気自動車(EV)のコンセプトカーを開発した。同社は炭素繊維を「戦略的拡大事業」と位置付けており、自動車は素材の使用量が最も期待できる分野。コンセプトカーを通じて、自動車メーカーの採用拡大を狙う。
 開発したのは、2人乗り・オープンタイプのEV「TEEWAVE AR1」。TEEはToray Eco Efficient、AR1はAdvanced Roadstar 1の略で、
環境性・効率性に配慮した自動車の開発という波(WAVE)を、東レが仕掛けていくという意図が込められている。

 車体の基本構造には、CFRPを積極的に使った。部位や用途により、熱硬化性樹脂をマトリックスとするCFRTS(Carbon Fiber Reinforced Thermosets)と、熱可塑性樹脂をマトリックスとするCFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermoplastics)を使い分けている。設計思想としては、中央の乗員スペースは強度や剛性に優れるCFRTS製モノコック構造を採用。その前後スペースは衝突時のエネルギ吸収を担う「クラッシャブル・ゾーン」とし、成形性や成形コストなどに優れるCFRTP製の部品を適用している。
 モノコック構造は、Resin Transfer Molding(RTM)法に大幅な改良を加えた「ハイサイクル一体成形法」で製造した。同成形法では、炭素繊維の織物(クロス)を裁断して細かなパーツとし、それらを張り合わせた上でプレスした「プリフォーム」を作製。型内にプリフォームを置き、型を閉じてからマトリックスとなる熱硬化性樹脂(主にエポキシ樹脂)を注入し、複合材料とする。複雑な構造を一体成形できる特徴があり、今回の
モノコック構造の部品点数はわずか3点である。これは、鋼板で同様のモノコック構造を造った場合の1/20だという。
 CFRTS製のモノコック構造は、単体で優れた強度や剛性を実現できるため、複数の車種で共用化しやすいという。今回のモノコック構造も、2人乗り・オープンタイプに限らず、4人乗りのセダンやワゴンにも流用可能な設計にしている。ハイサイクル一体成形法のサイクルタイムは現状で約10分だが、5分に短縮できるメドが付いているという。複数の車種で共用できるという前提であれば、3分まで縮めれば自動車メーカーに受け入れられるだろうと東レでは見ている。

 TEEWAVE AR1の寸法は、全長3975×全幅1766×全高1154mm。車両重量は、846kg(うち2次電池は220kg)である。CFRTSとCFRTPは合わせて約160kg使用しており、その効果として
鋼板の使用量を550kg減らせたという(2人乗り・オープンタイプでの比較)。2次電池には、リチウムイオン2次電池を採用した。電力消費率は11.6km/kWh、航続距離は185km(JC08モード)である。
 車両の意匠設計や構造設計は、環境対応車の企画・設計などを手掛ける英Gordon Murray Desing社に委託した。同社は、かつてFormula 1の車体設計を行っていたGordon Murray氏が代表を務める会社である。TEEWAVE AR1は公道を走行するための車両登録が可能な仕様となっており、現在英国で登録申請中だ。この申請が通れば、所定の手続きを経ることで、日本の公道での走行も可能になる。


 東レの場合は自ら自動車の製造に進出するというのではありませんが、異業種からの参入がありうる、粗材の鉄が異なる素材に変わるなど電気自動車では大きく産業の組み合わせが変化する、時代の節目にあることは諸兄がご承知の通りです。
 環境対応などの波に乗ろうとする東レの仕掛けが、新しい時代の新しい日本の製造業の道しるべとなり、世界に進出することを願って止みません。



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by yuji_oga | 2011-09-11 16:30 | 気になる話 | Trackback

米国の太陽光パネル大手四社が倒産 中国は世界一へ加速

b0055292_22105747.jpg 2001年の設立から10年足らずで世界の太陽光発電パネル市場のトップに立った、中国のサンテックパワーについては、テレビや雑誌で特集されることが多く、その躍進ぶりは、諸兄がご承知のとおりです。
 発電効率の向上技術開発への投資、政府と一体となった需要の拡大による生産コスト軽減投資がその原動力とされていますね。

 【新エネルギー現地から考える】(4)太陽光発電、わずか4年の逆転劇 日本市場も狙う- MSN産経ニュース

 じつは、中国は再生可能エネルギー向け投資総額で、2009年に米国を上回り、世界首位に立っているのだそうで、再生可能エネルギーの分野でも米国と覇権を争っているのですね。
 ところが、ここへきてオバマ政権が支援していた米国の大手企業が相次いで破綻し、中国勢の独壇場になりかねない雲行きとなってきたのだそうです。
 
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成23(2011)年 9月3日(土曜日)  通巻第3416号  (9月2日発行)
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 米国の太陽光パネル産業は破滅的打撃、すでに大手四社が倒産
  世界一の太陽光発電をめざす中国は欣喜雀躍、世界市場に覇権か

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 太陽光パネル産業の育成は米国のエネルギー省が推奨し、オバマ政権は破天荒の予算をつけた。作業は順調に離陸する筈だった。
 ところが米国の太陽光パネル製造業大手三社が倒産、もしくは会社更生法の申請という、想定外の事態に陥った。
 次世代エネルギーは太陽光? こんな筈ではなかったと歯ぎしりしても遅い。
 米国の太陽光パネル製造業の大頓挫を目撃して、明日にも提灯行列でもやりかねないほどの欣喜雀躍は中国である。世界一の太陽光パネルの製造王国となって世界市場の席巻を開始した。

 詳しく追跡してみよう。
 米国政府は5億2700万ドルを太陽光パネル製造業のソリンドラ社に資金援助した(開発予算の貸し付け)。
 太陽光技術で斯界に評判の高かったソリンドラ社(カリフォルニア州)にオバマ政権は肩入れしたのだ。

 つぶれかけのクライスラーを時の政府はテコ入れし、あるいはGMをテコ入れして再生させたように、ソリンドラ社は、これで立ち直る予定だった。米エネルギー省は全体で24億ドルの次世代エネルギー開発予算を分配しており、その四分の一近くを注ぎ込んだわけだから、このソリンドラ社の倒産は政治問題化する可能性が高い。げんにクリフォード・ステアンズ(フロリダ州、共和党)連邦下院議員は「納税者の貴重なカネを無駄にした」として議会で厳しく追及する構えだ。
 予定は狂い、同社は工場を閉鎖した。オバマ大統領は同社を見学したこともあるが、
倒産理由は「需要がおちこみ、世界的価格競争がはげしくて。。。」
 個人投資家は政府支援のプロジェクトと聞いて安心して、10億ドルを投資した。同社従業員およそ1000名は解雇された。株主らは代表訴訟を起こすだろう。

▲奇抜なデザインと熱吸収の効率がコスト高に繋がった?

 米政府はしきりに弁明する。
 「
競合するドイツと中国の政府補助金が膨大であり、とても開発競争に勝てない」と。

しかし業界筋は言う。「あの会社の太陽光パネルは
デザインが奇抜で、市場への適合性がすくない金食い虫である」。

 共和党の矛先は、同社の社長がオバマ選挙への献金者であり、政治コネの臭いがすると、スキャンダルの側面からも批判を開始した。

 米のスペクトラワット社(NY州)とエバーグリン・ソラー社(マサチュウセッツ州)も、同様な理由により8月に会社更生法の適用を申請した。2010年春には、第四位のBPソラー社(メリーランド州)も倒産している(ヘラルドトリビューン、9月2日付け)。

 ということは
米国における太陽光パネル製造業界は、壊滅状態とは言わないまでも相当の後れを取ったことは事実である。
 他方、
中国は、発電量においても米国の1000万ギガワットに比較しても飛躍的躍進をみせて、11000ギガワット、パネルメーカーは中国政府の膨大は補助金をいれて、開発製造の余念がなく、その質において劣悪な実態はさておき、日米欧の太陽光パネルとコスト競争では圧倒的優位に立つ
 中国の太陽光パネルの三大メーカーはサンテック・パワー、インリ・グリーン・エネルギー社、トリナ・ソラー社である。それぞれは決算で利益を申告している。
 労働力の安さがカバーしての競争力ではなく太陽光パネルはハイテクであり、中国は大量生産により75%のコストダウンに成功したと胸を張るが、
パネル設置者(個人、法人を問わず)に中国政府が補助金をつけて設備の拡大を奨励するうえ、広大な土地は党と地方政府の命令一つで巨大設備の設営が可能である。

▲中国の遣り方は公正とは言えない

 太陽光の電力料金も特別措置を施すなどして国家あげての事業の一つとしている。この点では風力発電への異常な肩入れと似ている。つまり、こうした
政府補助金はWTOルール違反である。
 六月に米国からWTOに提訴された風力発電の補助金問題は、中国が敗訴して補助金をやめるとしたばかり。米国は「中国は不当競争」としてWTOに提訴の構えも崩してない。 
 いずれにしても、酷似するパターンは
海外の技術を習得し、いいとこ取りで技術を上げ政府から膨大な補助金をせしめて競争力をたかめ、その蓄積で輸出商戦に打って出るというポイント。
 つまり新幹線プロジェクトや風力発電の遣り方と同様なのである。


 米太陽電池、3社が相次ぎ破綻 中国の攻勢で  :日本経済新聞

 サンテックパワーは、日本大手のMSKを買収して経営統合をし、日本進出の体制は出来ており、低価格を売りにシェアーを伸ばしつつあるようです。

 サムスンに半導体や液晶のトップの座を奪われたように、巨大設備投資の速い決断力による規模のコストダウン、品質が悪いと侮っていると、過剰品質ではないが使用には十分な品質レベルに追いつかれる(太陽光パネルでは保証機関の長さの勝負)ことで、サンテックパワーの、中国政府と一体となった積極経営には、無策の日本はもとより、オバマ政権の肝いりの米国企業でさえも敗北してしまうのですね。

 中国の人件費の安さ(=人権より国策優先)と、元の為替の自由化といったハンディの改善による、自由競争が望まれるところです。
 中国、米国、韓国に限らず世界中の国で行われている、政府と一体となった世界戦略のもとでの産業の育成と、競争力の増強が望まれますね。


 # 冒頭の写真は、サンテックパワー 施正栄CEO


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by yuji_oga | 2011-09-04 22:19 | 企業改革 | Trackback