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進む外資の水資源買収 法整備での規制が急がれる

 中国などの外資による水源地の土地買収が話題になって久しく、テレビの特集で追跡しても購入企業がペーパーカンパニーで実在を確認出来ない場面をみかけていました。北海道や東日本中心であったものが、西日本にも広まってきているのだそうです。
 水資源にとどまらず、自衛隊や米軍基地・港湾施設の隣接地の中国、韓国資本による買収も議論がされていて対策が望まれていますが、ここでは触れません。
 
水源の森外資買収攻勢 北海道など5年で40件620ヘクタール 西日本にも触手 鳥取・日南では保全条例 (3/21 読売朝刊)

 森林など水源となる土地が中国などの外国資本に買収されるケースが北海道など東日本で相次いでいる。海外では渇水や環境汚染で飲料水が不足する国が多く、外資の買収が無制限に行われれば、下流域での水供給への影響が懸念される。西日本の森林にも外資の触手が伸び始めており、水源の森を守る条例を制定する自治体の動きが広がっている。

 「広くても狭くてもいい。森を買いたい。中国資本がついており資金は潤沢だ」
 2月中旬、奈良県宇陀市森林組合に、ジャンパー姿の男2人が突然訪れた。「大阪の企業経営者」と名乗る年配の男らの話を約30分間、テーブルを挟んで聞いた三本木康祐組合長は「
奥深い森を買う目的は水しかない。まともに売買できる相手じゃない」と感じた。「売る山林はない」と断ると男たちは立ち去った。
 同市の森林は1万8330ヘクタール。淀川水系の水源地で、
大半が伐採が制限される「水土保全林」。三本木組合長は「後継者難で山を手放したい組合員もいるが、外資に渡ればトラブルになりかねない」と危惧する。
 林野庁などによると、2006~10年の外資の森林取得は北海道などで計40件、約620ヘクタール。
取得者の住所地は中国(香港)の16件、租税回避地の「英領バージン諸島」の5件など
 国内の山林売買の実勢価格は1ヘクタールあたり数十万~数百万円だが、水源地では大幅に上回る買収額がうわさされることも。外資の買収は、良質な日本の水を海外に持ち出して取引する「水ビジネス」が目的とみられる。
民法上、地下水採取権は土地所有者にあり、自治体などが制限できない恐れもある。
 このため、名水の地・大山山麓の
鳥取県日南町は昨年12月、生活用水以外の地下水採取を許可・届け出制とする条例を制定。同町担当者は「名水の源流を持つ自治体には貴重な水を守る責任がある」と話す。
 
北海道と埼玉県では、森林取得を事前届け出制とする水源地保全の条例が4月に施行される見通しで、長野、群馬両県も条例制定を検討。北海道担当者は「外資の動きがわかれば、自治体が先手を打てる」とする。
 
国は昨年4月、森林法を改正し、森林を新たに所有する際の届け出を義務付けた。水源地保全の施策一元化などを定めた「水循環基本法案(仮称)」の議員提案の準備も進んでいる。
 沖大幹・東京大学生産技術研究所教授(水資源学)の話「外資であれ国内資本であれ、地域の水源に害を与える行為があるならば自治体が規制すべきだ」


 「水循環基本法案」については、中川秀直自民党元幹事長が代表となっている民主、自民両党などの超党派有志による「水制度改革推進議員連盟」が案をまとめ終わり、各党の党内手続きを経て、4月中に議員立法で国会提出、今国会中の成立を目指すことになったのだそうです。
 水資源保護へ 担当相設置も 基本法案が判明 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

 まだ、水循環の維持・回復を国や地方公共団体の責務とする理念を主に定めたものにとどまり、買収防止の具体策は、基本法案成立後に政府などで本格的に検討することを想定したものとの事ですから、更なる法整備が待たれるものの様です。

 有限な資源としては、石化資源にとどまらず、水の他に農地についてもオイルマネーや中国や欧州の資本が世界を物色し買いあさり始めて久しいですね。
 日本では、就農人口の老齢化が進み、政府の無策(個別補償という改革に逆行し小規模化を促進するバラマキの愚作はある)もあいまって耕作放棄地が拡大しています。
 TPPで農業が破壊されるとかどうとかの以前に抱える基本の構造的課題です。
 
 また、TPPでの21分野の協議の進み具合についての政府が情報整理した現状では、工業品や農産物のうち90~95%の品目で関税をただちに撤廃し、残る品目への関税も7年以内に段階的になくすべきだとか、「ただちに撤廃する品目の比率を下げるべきだ」と主張する国もあるなど、コメなどの重要品目で日本の主張を協定に反映できる可能性はまだ大きいとみられ、政府は、関税分野について「本格的な議論を行う状況には至っていない」と分析しているのだそうですね。
 TPP 関税交渉難航 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 いずれにしても、東日本大震災からの復興も含め、農林水産畜産業の法整備を含めた環境保全と高齢化に伴う構造改革(企業参入など民間資本の活力の導入)が求められます。この時、他意ある外資の混入を防がねばなりませんね。



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         千両の実

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by yuji_oga | 2012-03-25 23:51 | 食の安全保障 | Trackback

大手電機メーカー数社の巨額経常赤字決算はホワイトスワン

 日本を代表する、かつて花形であった大手電機メーカーが揃って巨額の赤字決算となり、パナソニックは社長交代も実施しますね。
 こんな状況を、元ソニーの出井氏が論説していました。

 日本企業発ブラック・スワンを待望  クオンタムリープCEO 出井伸之氏:マネーブログ カリスマの直言 :コラム :マネー :日本経済新聞

 視点は2つ。1つは産業構造転換の波。もう1つは技術革新の波とのことです。
 かつて欧米のGE、RCA、フィリップスといった電機業界のメジャーを、スピーディーな技術革新、安定した高い品質やコスト優位性を実現した日本企業が、テレビ事業から駆逐したのですが、今はその日本企業が、韓国企業に駆逐されつつあり、その後ろには中国企業が控えている。
 20世紀型の性質をもった産業は、次々と優位性をもった新興勢力に置き換えられ、既存のプレーヤーは自ら構造転換を実現しなければ淘汰されることになる。新しいことは何一つ無い。まさにホワイト・スワンであるとのこと。
 つまり、日本企業は王座に安閑としていたつけで、必然的に新興の企業に駆逐されようとしているということですね。
 もう一つの要因の技術革新では、アナログ時代には作り込みやファインチューニングなどで優位性を発揮した日本企業の数々のお家芸が、デジタル時代を迎えその必要性が薄れ、多くの企業が参入しやすくなったことを挙げておられます。これも、技術革新の波で必然のこと。
 
 通信業界では、かつての黒電話から現在のスマートフォンへと進化を遂げてきた。勿論、これまで携帯電話やパーソナルコンピューターなどの領域で起きた日本の「ガラパゴス化」から教訓を得なければならない。一方で、緻密な研究開発やイノベーションを通じて、次々と斬新な商品や新しいサービスを世に送り出してきたのも日本の企業である。

 半導体の集積度がどんどんあがり、同時にネットワーク技術も加速度的に進化する昨今、私の目には今日のテレビは通信で例えると、まだ「黒電話」のステージにあるように映る。次世代のネットワーク技術、使用者の利用体験、更にはコンテンツのクリエーションから活用方法をも踏まえて、テレビの生態系をトータルで再設計するような、真のブラック・スワンが日本企業発で提供されることを心から期待したい。


 まだ見えぬ虚像のブラック・スワンに期待せざるを得ないのは残念ですが、日本の製造業が底力を発揮し、現状の負けを負けとしっかり認識し、新しい時代へ向けた構造転換をなしとげていただけることを期待するしかないですね。





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 コトネ・アスター・ラクテウスの実

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by yuji_oga | 2012-03-02 17:45 | 企業改革 | Trackback