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セシウムの吸収率 牧草がヒマワリの180倍

 福島第一の事故で避難されている方々の帰宅が、徐々にですが始まろうとしています。
 復旧にしろ復興にしろ、大きな課題がある中のひとつに除染があります。広大な農地の除染にはいろいろな方法が試されていますが、植物によるセシュウムの吸収策としてヒマワリが注目されていました。しかし、当初の期待ほどの成果が観られないことから、影を潜めていましたが、研究は進められていて、牧草が効果があることが判明したのだそうです。
 ちょっとがっかりしていたのですが、また、明るい光が見えてきたようです。
 
植物のセシウム吸収率福島で研究 環境中の放射性物質.確実に減少  牧草 ヒマワリの180倍 (4/16 読売朝刊)

 東京電力福島第一原子力発電所事故によって放射性物質がまき散らされた環境を修復しようと、植物学者の有志が植物を利用した浄化法の研究や汚染の実態解明を進めている。事故から1年を経て様々なデータが集まり、放射性物質を効率良く除去できる植物があることや、汚染度が着実に低下している現状がわかってきた。(冨山優介)

 取り組みの柱は、ファイトレメディエーションと呼ばれる方法だ。土壌に染み込んだ放射性物質を植物によって回収することを目指す。日本植物学会長の福田裕穂・東京大教授ら研究者約10人が複数のグループに分かれ、昨年5月から福島県内で調査を行っている。
 福田教授らのグループは、昨年3月11日の事故発生前後に発芽した牧草に着目した。同県内の牧草地で昨年6~10月、3回にわたって牧草を刈り取り、放射性セシウムの含有量を調べたところ、土壌中のセシウムの9%に相当する量を吸収していたことがわかった。
 牧草は、セシウムがたまりやすい深さ5センチまでの地中に根を密に張ることから、発芽の時期に、土壌への吸着より先にセシウムを吸い取った可能性があるという。福田教授は「セシウム吸収に効果があるとされたヒマワリでも0・05%で、極めて吸収性がいい。今後も同じように吸収するかどうか、継続して調べていきたい」と話す。
 福島県立医大の小林大輔助教らのグループは、福島市内の畑でマメ科やイネ科など複数の植物を栽培し、セシウムの減り具合を比較。中でも、中南米原産のアマランサスという植物が、ヒマワリの1.5~5.3倍もの吸収効果を示したという。
 事故から1年たち、環境中の放射性物質が確実に減っていることも確認した。佐々木秀明・いわき明星大准教授らのグループは同県いわき市沿岸で採集した海藻のセシゥム濃度を調べた。昨年5月には1キロ・グラム当たり1万ベクレルを超えていたが、7か月後には同200ベクレルまで下がっていた。
 植物の浄化作用は、同じ種類でも地質によって異なり、年ごとに違う可能性もある。効果を見極めるには長期に及ぶ綿密な調査が必要だ。
 小林助教は「生活の中に放射能がある環境で暮らすことの不安は大変なものだ。しっかりとした調査を行い、住民に正しいデータを届けていきたい」と話している。

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ファイトレメディエーション

植物を使って有害物質を吸収、分解することなどにより、環境を浄化する方法。ギリシャ語で植物を意昧する「ファイト」と、ラテン語で「修復」を意味する「レメディエーション」を組み合わせた用語。公害が社会問題化し始めた1970年代から世界各国で研究が盛んになった。低コストで広範囲を浄化できる利点がある。
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 よくぞくじけず研究を続けていただいていたと、感謝に絶えません。
 「ファイトレメディエーション」という言葉は初めて聞きましたが、1970年代から世界各国で盛んに研究されるようになっていたこともおどろきです。広大な農地を、荒廃するまま放置することなく、低コストで除染できることができるのは、朗報ですね。

 地域や土壌によって植物も異なると、他にもいろいろ研究が進められているのだそうですね。
 研究が、東北の復旧・復興に繋がり、日本の食糧生産拠点である東北での農業が復興されることを願っています。


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 この梅の花の名前は、緑萼

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by yuji_oga | 2012-04-17 00:57 | 気になる話 | Trackback

家電価格“底なし下落”は、買い控えではなく構造変化がもたらす結果

 テレビやパソコンの価格下落が止まりませんね。パナソニック、ソニー、シャープといったついこの前までの花形企業が大幅赤字で社長が交代したり、外資がトップ株主になるなどしています。
 この価格下落は、地デジ化の需要の波や、景気(=所得)の先行き不安による買い控えではなく、構造変化によるものだとの記事がありました。
 一言で言うと、テレビは、国内生産の空洞化、パソコンは技術の進化に対するソフトの進化の停滞だと。
 いずれも、ハードを造ることにのみ専念してきた日本企業に転換をつきつけられる、重たい話ですね。
 
この異常事態は単なる買い控えだけなのか? 家電価格“底なし下落”の知られざる真因|News&Analysis|ダイヤモンド・オンライン

<前略>
 回復しない景気、デフレ下で推し進められる消費税増税。確かに今の経済環境を見れば、消費者の購買意欲が刺激される要因は見当たらない。家電の出荷台数がこうも激減している有様を見る限り、消費者の財布のヒモは容易に緩まず、価格下落が止まらないことは想像に難くなかろう。
 しかし、話はそう単純ではない。
止まらない価格下落の背景には、実は構造的な要因も見え隠れする。家電業界で加速している「空洞化」が国内生産を落ち込ませ、結果として低価格競争を招くという、「負のスパイラル」が始まっている影響もあるのだ。それはどんなものだろうか。

|空洞化を加速させた大震災と超円高 低価格化を招く「負のスパイラル」

 かつて日本の電機産業は、生産から販売まで国内で行なうことにこだわり、グローバル化で遅れをとっていると言われた。だが、最近はそうではない。家電メーカーや関連部品メーカーは、最適地生産を行なうべく、こぞって製造工程の外部委託や海外移転、海外合弁などを加速している。
 それにより、白物家電を中心に国内で生産される製品は減り続け、空洞化が進んだ。日本電機工業会(JEMA)によると、2011年度の重電・白物家電機器の国内生産額の合計は5兆505億円と、対前年度比97.9%へ減少する見通しだ。2012年度も4兆9221億円(同97.5%)と、2年連続の減少を見込む。
 こうしたトレンドに拍車をかけたのが、昨年発生した
東日本大震災と、その後始まった未曾有の円高である。国内工場が被害を受け、部品や完成品を流通させるサプライチェーンが寸断された上、円高によって輸出も厳しくなった家電関連企業は、生産体制の海外移転計画を加速させることとなった。
 現在では体制が建て直され、ほぼ正常な生産状況に戻りつつあるものの、円高傾向が続くなか、各社が生産体制を国内へ戻す動きは鈍い。足もとでは、
海外で安く生産した製品を日本へ輸入する「アウトイン」のトレンドが強まり、国内市場における低価格化傾向が、普及品のみならず高付加価値製品にも波及し始めているという。
 さらに、不況が続く国内市場から重心を移し、
海外で生産した製品を直接海外で販売する「アウトアウト」の動きも拡大している。こうした状況から、彼らが国内市場に対する「期待感」を希薄化させていることがわかる。
 一方、日本企業の目が国内市場からそれた間隙を突いて、日本に攻勢をかけているのが、
米国や韓国をはじめとする海外メーカーだ。グローバル化において日本企業の先を行く彼らは、マネのできないコスト競争力を武器に、日本市場を虎視眈々と狙っている。
 ノートパソコンでは、デル、ヒューレット・パッカードの米国勢と中国のレノボが、日本法人を通じて4万円前後の格安製品を次々に投入している。
 また薄型テレビについては、日本市場への再参入で勢力拡大を狙うサムスン電子やLG電子の脅威が大きい。大規模投資・大規模生産で大量の低価格製品を市場に投入する韓国勢は、日本でもじわじわと存在感を増している。
 日本の家電市場では、
需要減退に加えて、こうした構造的な要因がさらなる低価格競争を招く要因になりつつあるというわけだ。
<中略>

 ちなみに、パソコンの価格下落については、前述の構造要因の他に、独特の理由もある。それは、スペックの進化が鈍化していることだ。端末に搭載されるCPUやメモリが新しくなっても、既存のOSやアプリケーションの性能が大きく向上しない状況では、パソコンの使用にあたってユーザーが体感する処理速度は、あまり変わらなくなった。そのため、昨シーズンに購入した型落ちマシンで満足しているユーザーが多く、買い替え需要が刺激されなくなった。
 ウェブ開発会社の経営者として、家庭用・業務用の双方でパソコンを選ぶ機会の多いある男性は、「Intel Core 2が登場したあたりから、パソコンの性能が上がらなくなったように感じ、処理の遅さが前よりも気にならなくなった。5~6年ほど前を分岐点として、新しいパソコンに買い替えたいと思うことが少なくなった」と語る。
 では、
日本の家電メーカーが現在の苦境から抜け出すためには、どうしたらよいのか。各社はそれぞれ固有の経営課題を抱えているが、海外と国内のどちらに重心を置くにせよ、利幅を確保しながらも海外勢に負けないレベルまでコスト競争力を高めることが至上命題となる。とはいえ、それも含めて事業構造を抜本的に見直すには、相応の時間がかかるだろう。まず早急に考えるべきは、ユーザーの心を少しでも動かすために、「足もと」を見直すことだ。
 
|よりユーザーのニーズを絞り込んだ製品へ 家電価格“底なし下落”の出口は見えるか?

 製品のラインナップについて言えば、すでにユーザーの視点は「安いだけ」の製品から「安くてクオリティもそこそこ高い製品」へと移っている。しかし、今後はそれに加えて、より
消費者のニーズを絞り込んだ製品を投入していく必要がある。
 家電流通の専門誌『IT&家電ビジネス』の川添聡志編集長は、「本来、消費者が家電を購入するかどうかは、過去の値段との比較ではなく、手持ちの予算や必要とする用途に見合うかどうかで決まります。たとえば、ハイスペック化が進むパソコンの価格下落が止まらないのは、機能の具体的な用途がユーザーに見えていないからではないか」と指摘する。
「デジタル放送を鑑賞・録画する機能がパソコンに付いていても、実は一般ユーザーはあまり使っていません。彼らがパソコンに求める用途は、結局メールやブラウジングなどのコミュニケーション・ユースが中心。それだけなら、スマホで事足りるでしょう。以前より価格が安くなったとは言え、メーカーは高機能で高額なパソコンを彼らに買わせる目的と価値を、きちんと提案できていないように感じます」(川添編集長)
 安くて高機能ならよいというわけではない。消費者のニーズに応えるには、どんなユーザーがどんな機能を必要としているかを検討し直し、価格帯ごとに製品ラインナップの組み替えを行なう必要がありそうだ。
 また、それを可能にするためには、
家電メーカーが流通機構との関係をさらに密にすることも必要だ。
「製品の販売を家電量販店に任せてばかりでは、
企業と消費者との感覚のズレは大きくなっていくばかり。顧客に一番近い家電量販店と関係を密にし、消費者心理を常に知っている存在にならなければいけません」(川添編集長)
 大赤字を余儀なくされ、存亡の淵に立たされていると言っても過言ではない家電各社。シャープ、パナソニック、ソニーの3社においては、社長が交代して会社の建て直しにあたる緊急事態となっている。これまで日本がお家芸としてきた電機産業が窮地に立たされているなか、次期リーダーに求められるのは、一刻も早いV字回復に他ならない。
 各社長の交代会見では、「全てのドメインで成長性と収益性を実現する」(パナソニック・津賀一宏次期社長)、「聖域を設けずにやる」(ソニー・平井一夫次期社長)といった不退転の決意が聞かれた。彼らの目に家電価格“底なし下落”の出口は見えているだろうか。


 記事は国内の市場の話に焦点を絞ったものです。
 空洞化で、国内メーカーの「アウトイン」に加え、海外勢もパソコンでは米国勢や中国のレノボ、テレビでは韓国勢の攻勢で更に価格下落競争が続くとのことです。
 それは、国内に限らず世界全体の趨勢でしょう。世界的には日本国内と異なり需要が伸びているのですが、それは主に新興国の中産階級の需要です。なので、オーバースペックではない、低価格品が売れると言うことは諸兄がご承知の通りですし、車など他の産業にも共通する話です。日本のメーカーがこのニーズに気付くのが遅れ韓国、中国のみならず、欧米の企業にすらシェアー争いに敗れているのでしたね。

 TPPやEPA/FTPといった貿易障壁の撤廃は、国家間の協定を待たず、市場原理の必然として進行しているのです。障壁を高く広く築き堅持する国は、鎖国国家として世界から取り残されるのです。
 ですから、生産(サプライチェーン)の最適化を追求するグローバル企業や、たまたま(?)最適条件に居る企業が世界シェアーをとる。そこで敗れた企業が淘汰されるという、単純な原理の話です。
 日本の企業は、携帯電話で有名になった「ガラパゴス」化に気づかず、グローバルな競争から乖離した結果がいま表面化したのですね。
 
 顧客のニーズを探求し対応する。顧客のニーズも、顧客が直言するものもさることながら、顧客も気づいていない潜在するニーズの具現(例=スティーブ・ジョブズ)が求められるのは、今日だれでもいうことですね。
 言うは易く、絵に描いたボタ餅になりがちな解決策です。
 画一汎用品を大量生産=ベルトライン生産方式でコストダウン(典型=フォード)の米国型生産方式に、顧客ニーズに対応するセル生産方式、多品種生産に対応し打ち勝ってきた日本の製造業は、顧客ニーズに対応したことが勝因でした。今、お株を後から追いかけてきた韓国、中国の企業に奪われているのです。
 原点に戻った、自己満足ではない、ものづくりと売り方が求められています。

 記事では白物家電の評価は低いのですが、いまや洗濯機、冷蔵庫、エアコン、炊飯器は日本の家電メーカーの稼ぎ頭で未だ外国勢の追随を許していません。ニーズを掘り起こし技術を駆使した製品造りが出来ているからとされています。
 テレビは家庭生活の情報管理の中心の役割を果たすようになると言われていますね。
 各種家電の集中管理。オンデマンド放送、映画や音楽の情報連携取得と閲覧。アップルが開発に取り組んでいることは衆知のことですが、ソニーも20年くらい前からだったと思いますが、描いていた世界ですね。
 キーボードを接続しないコンピュータ=テレビがどんな役割を果たすのか、未来には限りない夢の世界が、まだまだ沢山あります。



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  この梅の花の名前は、一重寒紅

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by yuji_oga | 2012-04-09 20:53 | 企業改革 | Trackback