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シャープ 「IGZO」で再生か、切り売りか。

 シャープがEMS大手の鴻海と資本・業務提携をして再建を図ると発表したのは、日本の製造業の姿の一面を象徴する、今年の大きくかつ衝撃的なニュースでした。
 「亀山モデル」ともてはやされていたのはつい数年前の事でしたが、3月の発表以来、身売り交渉に明け暮れることとなりました。再生の命綱は、省電力技術の「IGZO」で、支援に乗り出す話題に上る各社も、この技術の取得が目的で、双方の綱引きが続いています。

 EMS/ODM、この1年――シャープとFoxconnが話題独占、迫り来る中国リスク - 設計・生産とIT - Tech-On!

 3月の発表後、大幅な株価下落を生じ、鴻海との交渉も行き詰まる中、シャープは他の提携先も交渉するする作戦を展開し、12月4日には、米半導体大手クアルコムとモバイル端末用の新型ディスプレーの共同開発で合意したことが発表されました。
 シャープ、「救いの手」の代償:日経ビジネスオンライン

 世界を席巻するサムスンに対抗しようとする鴻海などの台湾勢は、技術を持つ日本企業との提携を考えていて、シャープと鴻海の提携は、台湾勢の狙いの象徴とされていましたが、雲行きの変節には、鴻海との提携の破談の憶測も飛んでいますね。
 鴻海・シャープ、クアルコム出資で広がる破談観測  :日本経済新聞

 ただ、クアルコムの出資額は規模も契約条件も、シャープの資金繰り不安の解消には程遠い内容で、研究開発費を賄う程度とのことで、鴻海の郭台銘董事長は、「次世代型の新製品を開発するためのもので、妥当な動きだ」と評価し、鴻海を含めたパネルから端末製造までの3社の協力にもつながるとして、「成果を期待したい」と冷静にコメントしているのだそうです。

 また、「IGZO」を使った液晶パネルを、アップルのiPad向けに供給し亀山工場の稼働率向上が期待されていましたが、「採算が合わない」などとして11月に取りやめていたのだそうですが、パソコンメーカー各社が、2013年に発売する高機能のパソコンやタブレット端末向けに売り込みを計っているのだそうです。
 シャープ、最新液晶IGZOをソニーに供給 : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 HPやDELLにも交渉しているのだそうですが、ソニー、富士通、台湾のパソコン大手、エイスース向けに供給することは決まったのだとか。

 シャープとすれば、生き残りをかけ、経営主導権は維持し技術の流出も防ぐため、あらゆる手段を講じようとしているのでしょうが、四方八方に手を広げ、当初の資本・業務提携を打ち出した鴻海との関係が社長同士の面談が行われない状況にあるとのことですが、鴻海が出資を完了したSDPは稼働率が向上し効果が上がっているのだそうで、「シャープは態度を硬化させず、鴻海ともう少し連携の道を探るべきだ。」との声も出ているのだそうです。

 鴻海以外の支援先探しにまい進するシャープと、それを冷ややかに眺める鴻海。来年3月末の資本提携交渉の期限が刻々と近付くなか、両社の関係は「日台連携」の象徴になり切れずに終わってしまうのだろうか。と、日経の記事が予測しかねていますが、来年3月に結論が出されるという、両社の提携の行方と、技術はありながら売り上げや利益につなげられない近年の日本の製造業の象徴ともいえるシャープの再生がなるのか、注目されます。

  「IGZO」を活用した、日本企業同士での連携強化で、日本の関連メーカーの再起の道もあればいいのですが。



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  この花の名前は、ビヨウヤナギ

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by yuji_oga | 2012-12-23 23:57 | 企業改革 | Trackback

衆議院選 農業改革議論を深めよ

 衆議院選を後1週間に控え、テレビのワイドショー(自称報道番組と言っている)で盛んに各党の討論や、政策比較の放送がなされています。
 ところが、党数が多すぎて時間が足りない事情は理解しますが、テーマを「脱原発」「増税」「TPP」に絞って〇×で回答を求めて議論しようとすることで、メディアが政策争点を絞り込み、多くの山積する重要課題に対する各政党の姿勢を知る視聴者の権利を制限している結果を招いています。新聞でも傾向は同じです。
 国防のの安全保障、食糧安全保障、エネルギー安全保障、社会の安心保障(医療、年金、子育て)といった、国家を運営する国会&政府の基幹の政策を、各党がどう考えるかは、「脱原発」「増税」「TPP」に絞っては危険です。
 更に、多くの世論調査で、国民の関心は、経済政策が一番て゜次が社会保障(老後、子育て、雇用、医療)です。
 メディアは、自分たちで政策争点を勝手にコントロールするのではなく、国の先行きを託す政党や政治家の重点主張は何かを、候補者側にも、選ぶ国民にも選択肢が広く ( 広く政策を持たない党には国政を託せない ) なる様工夫していただきたい。民主党を政権交代の風をふかせ、国民を惑わせて政権の座に就かせたメディアの責任は大きかった反省がなされず、今回も政策を絞り込み、穴倉に国の方向をおしこめようとしています。
 
 前置きが長くなりました。ここでは、食糧の安全保障に関連して、農業(含 林水畜産業)改革について触れます。


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by yuji_oga | 2012-12-09 21:04 | 食の安全保障 | Trackback