まさかの環境大国・独の有名企業・VWが、そんなことを!

 EUと言えば、環境問題では世界の先端を走り、日米は鼻面を引き回されてきました。そのリーダーはドイツ。ところが、そのドイツの、グローバル企業のVWが、信じられない詐欺。世界中が驚きました。
 2008年以降に出荷された1100万台に及ぶディーゼル車で、実際の走行時には排ガスが環境基準を上回る規制物質を含むのに、検査時のみはそれが下回って表示されるような不正ソフトを搭載したというのですね。わざわざ故意にソフトを仕組んだのですから、企業の経営姿勢が問われます。そして、繰り返しますが、ドイツのVWがやらかしたとは!
 そんなソフトを仕組むのも一つの技術でしょうが、当然指向が間違っています。VWに乗っているユーザーは、そんな会社の車に乗っていることが、不安であると同時に恥ずかしくなっていることでしょう。

 それはそれとして、米国が摘発したところに注目している、興味深い記事があります。
 米国がドイツ経済の顔に正面からバケツの水をぶっかけているというのです。




 

環境大国ドイツ赤っ恥、フォルクスワーゲンの環境不正 米国による弾劾は1社、1国のみならず欧州全体に影響必至 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2015.9.25(金) 伊東 乾



<前略>

■「米国発」の示すもの

 今回の告発は、もちろん犯罪的な偽装があったために、それが必然の訴追を受けているわけですが、
米国がドイツ経済の顔に正面からバケツの水をぶっかけていることにも注意しておく必要があるように思います。

 例えばウクライナ情勢の緊迫化に伴う和平の模索にあって、ロシアとウクライナ両国の調停にあたったのはドイツ+フランスすなわちEUの中核2国であって「世界の警察官」であったはずの米国は姿を現しませんでした。

 中東にあっても、あるいは私たちの住む東アジアでも、米国はかつての一国超大国時代・・・おおまかに2008年前後に収束してしまった「パックス・アメリカーナ」状況とは大きく異なる振る舞いとならざるを得なくなってしまった。

 右傾化した暴言の続く共和党のドナルド・トランプ氏のような人物が持て囃される程度に内情が変化している米国の姿勢転化とともに、先日来日本の国会で起きている出来事も過不足なく冷静に見つめる必要があると思います。

 そんな中で
米国からドイツ車不正の正面から弾劾は、一種の経済戦と言うべき様相を示すと見る必要場あるかもしれません。



 フォルクスワーゲンの不正、その尻尾を掴んでから容疑事実の首根っこを押さえるまで、米捜査当局がどれくらいの時間をかけ、どのように入念につぶしていったのか、今後進んだ報道があると思います。

 一定の腹をくくらねばできないことであるのは間違いなく、
単に1社の不正に対するリコールとしてのみ見ることは、こうした観点からもできないように思います。



■マーストリヒト体制へのボディーブロー

 私が今回の報道に接して最初に感じたのは、
特定のメーカー1社とかドイツ車、あるいはドイツというだけでなく、「ユーロ」への打撃という側面です。

 大げさと思われる方もあると思いますが、現在地球上に存在する2つの広域通貨「ユーロ」と「ドル」という観点からすれば「ドル」から「ユーロ」へのパンチであることは間違いなく、ボディーブローのような形でこれが利いてくるのは避けられないかと思います。

 中東から欧州を目指す難民のEU全体で12万人規模で受け入れなど、世界の火消しとしての欧州の役割が期待されるなか、欧州経済全体に加え
ユーロという通貨自体を支えてきたドイツで、基幹を牽引する「国民的企業」から、このようにグローバルな不正が明らかになったことの持つ意味、類似のリスク、効果波及の食い止めなど、真剣に考え取り組まねばならぬ問題が山のように浮かびます。



 国家規模でのギリシャ経済の粉飾が白日のもとに晒された後、ユーロ圏中央の野放図な融資が批判の対象となりましたが、その
ユーロ圏のど真ん中自体がこのような形で実はその場を凌いでいた事実、そこから垣間見える病の根は決して浅くありません



 日本にとって全く他山の石でない事態の推移を、注意して見守るべきだと思います。


 恐れるべし米国。腐っても鯛というのか、いまだ衰えぬ情報分析大国というのか、底力の大きさを感じさせられます。
 それにしても、VWは何故そんなソフトを装着したのでしょう?環境基準に適合させるコストカットになり、価格競争力を高めた等、諸説流布されています。いずれ真相が究明されることでしょうが、技術立国・ドイツの信用を傷つけただけでなく、悪意のある詐欺企業の国として失墜した名誉の取り返しには、国全体が取り組まねばならなくなりました。

 そういう日本も、お金の心配は要らないと、前猪瀬都知事が胸をはって招致したオリンピックが、お金で紛糾し、エンブレムデザインでは盗作疑惑でグローバルな追及を受けていて、国家的信頼を失墜していますので、人様のことをとやかくは言えません。
 戦後70年、世界の技術をリードし経済発展をけん引してきた日独が、同時期に国家的信頼を瓦解させる事態に直面しています。
 成熟が進んで腐敗の過程にさしかかっている気配がします。過去の偉業に胡坐をかいて、進歩が停滞したどころか、安直な取り組みが横行し、退歩が始まっている様です。

 企業も官も、汗をかく初心に立ち戻る必要がありますね。



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  この花の名前は、マドンナリリー


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by yuji_oga | 2015-09-28 01:59 | 企業改革 | Trackback
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