ダイレクト・マーケティング

 消費が飽和状態、さらには人口減による消費減が懸念される中で、マーケティング(売れるための仕組み造り)の重要性が注目されていますが、最近の事例ではトヨタのレクサスのブランド構築による販売展開が印象深いものとしてあげられます。

 レクサス開発のキーワードに、“差別化(イノベーション)”と“迅速な対応力”があげられています。
 “迅速な対応力”とは、お客様が真に意味することを正確に把握し、その要望にスピーディーに対応できる力を言うのだそうですが、お客様とのコミュニケーションは大きく変化し、より重要になっていて、ダイレクト・マーケティングによるコミュニケーションが注目されているのだそうです。

 IBM マーケティングから考える営業改革[売るための仕組み] GTO - Japan
 
 ダイレクト・マーケティングというと、ダイレクト・メールとか広告とか、通信販売が思い浮かびますが、CRM, One to Oneなど、昨今注目される、21世紀に生き残りをかける企業にとっての必須条件とされるものの、最もベースとなる考え方と言われています。

 ダイレクトマーケティングの創始者は、レスター・ワンダーマンで、1958年に米国において世界最初のダイレクトマーケティング専門マーケティング・コミュニケーション会社「ワンダーマン・リコッタ&クライン社」を創業しました。

 成功するダイレクトマーケティングに必要とされる約束事として、「成功する会社が知らねばならない20のルール」と言うのがあります。

 成功する会社が知らねばならない20のルール
 1.インタラクティブマーケティングは戦術ではなく戦略である
 2.主役は製品ではなく、消費者でなければならない
 3.個々の顧客や見込客に対し、一人を対象としてコミュニケーションをとる
 4.「なぜ私に?」に答えること
 5.広告は消費者の認識・態度だけでなく、行動も変えなければならない
 6.次の段階:利益を生む広告
 7.「ブランド体験」を作る
 8.関係を創造する
 9.個々の顧客の生涯価値を知り、投資する
10.「サスペクツ」(不確定見込客)は「プロスペクツ」(見込客)ではない
11.メディアはコンタクト戦略である
12.顧客にアクセスできる体制をとる
13.勇気を出して双方向の対話を始める
14.言葉には出なかった「いつ」を学ぶ
15.広告カリキュラムをつくる
16.ロイヤリティ(忠誠心)を高める意図のもとで顧客を獲得する
17.ロイヤリティは継続的なプログラムである
18.マーケットシェアの獲得ではなく、ロイヤル顧客のシェア拡大が利益を産む
19.あなたの価値は、持っている知識の量によってきまる
20.会社は聞くべきだ


 印象深いのは以下です。
 独り一人の顧客の異なる理性と感性の両方を納得させる、双方向通信のコミュニケーションの重要性。
 顧客にとってブランドは、個々のニーズを満たしてくれる体験として理解し、感じるものでなければならない。販売特約からリース契約、購入、再購入、アフターサービス、コミュニケーションにいたるまですべての面で継続的に深い満足を与えるブランド体験造り。
 偶然(スポット)ではなく、継続的に育てられた買い手と売り手の関係が保てる生涯にわたる忠実な顧客の創造と維持。
 あなたの優良顧客にもっとエネルギーを割きなさい。ほとんどの企業の利益の90%は反復して購入してくれる顧客から成り立っている。一人の顧客を獲得する経費は、一人の既存客を維持する経費の6倍から10倍かかるのである。

 レスター・ワンダーマンの講演が載っている頁が在りますが、以下の講演は興味深く読みました。
 ダイレクトマーケティングのニューフロンティア
 
 その中のポイントは以下です。
 
 我々が将来の挑戦として遭遇せざるを得ない3つの変化
 1. あらゆる売りの場に対応するパーソナルマーケティング
   適切な時に、適切な人に、適切な商品を売る。
   各消費者個人に全般にわたる継続的な満足感を提供するという目標があるが、ターゲ
   ットとなる消費者は区別し、特定化する必要がある。
   
2. 2億6千万に及ぶ(全人口数ぶんの)ブランド
  消費者ニーズの集合体を表すものがブランドの新たな定義。ブランドは我々一人一人の
   独自のニーズや優先順位により定義されたものになる。
  個々の消費者のカが新たに強まった現在、生産側が「要望を聞き提供する」社会が造ら
   れようとしている。
  
3. インタラクティブ(双方向)リレーションシップの構築
  情報に基づく生産革命で、顧客一人一人の注文に応じた製品生産、及び
  サービス提供を大量に行う時代に突入しようとしている。
  
  イタリアのある紳士服会社は、紳士用スーツのサイズ個人情報を世界の
  あらゆるところから電子情報を通じて受け付け、コンピュータ駆動のロ
  ボットを使い生産ラインでその情報通りに顧客個人のサイズに応じたス
  ーツを製造しています。標準サイズは存在していない。
  
  日本のナショナル自転車は11,231,862種類もの自転車を生産しています。
  人間、ロボット、コンピュータを通じ、顧客の体のサイズや好みに応じ
  た自転車を生産しているのです。コストは通常の自転車のコストを10%
  上回るに過ぎません。
  
  モトローラはポケットベルのブラボーの生産用に顧客の注文に応じられ
  る大量生産システムを開発しました。全部で2千9百万種類の製品が生産
  可能で、そのいずれも直ちに生産することができるのです。モトローラ
  社のセールスマンが顧客と共にそのニーズに完全に合ったポケットベル
  をデザインするのです。

将来、我々のビジネスに起こる最も重要な変化は、現在開発が行われており、実験の準備が進んでいる新しいインタラクティブ・テクノロジーにより生じることになるでしょう。インタラクティビティーは発明ではありません。それはポスト産業革命で始まり今も続いている過程であり、消費者のニーズを満たすのに最適な新しい技術として今後も発展を続けていくことになるでしょう。

 日本では、「電通ワンダーマン」という会社が、レスター・ワンダーマンの会社の系列であります。
 電通ワンダーマン:会社情報
 
 機会があれば、セミナーなどで話を聞いてみたいものです。
 
b0055292_2259847.jpg

[PR]
by yuji_oga | 2006-05-03 22:59 | 企業改革 | Trackback(2)
トラックバックURL : https://yujioga.exblog.jp/tb/4556345
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Tracked from 人間関係戦略ノート【人間.. at 2006-05-12 00:57
タイトル : 部下に目標を達成させる方法
部下に目標を達成させる方法について記事を書きました。あなたのブログに訪れる読者さまのお役に立てれば嬉しいです。... more
Tracked from 【情報屋】店主のタワゴト at 2006-05-17 11:52
タイトル : 商売(マーケテイング)とゲームについて
以外と思われるかもしれませんが、私の商売訓練の方法の一つにゲームがありました。... more
<< 松下電器が勝ち組に変わった訳 サムスン、時価総額でインテルを越す >>