財界総理と “2足のわらじ” にこだわる御手洗会長

 キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長は、今月24日に予定される経団連会長への就任後もCEO(最高経営責任者)としての役割を果たすことに並々ならぬ意欲を示したそうで、「(役員が忌憚なく議論を交わす)朝会に出て、社長の相談に乗ったり、注文をつけたりする」ともつけ加えているのだそうです。
 新・御手洗キヤノンの目指す道 - 企業・経営 - nikkeibp.jp

 23日をもって御手洗氏は会長専任となり、内田恒二副社長が社長に昇格するのですが、次期社長にやんわりと注文をつける形で、自らが経営陣をサポートしていく必要性を強調したそうです。
 「内田副社長は開発、生産、販売はベテランであり、(人事や財務などの)管理部門については、これから勉強することがかなりある」という理由だそうです。

 御手洗氏がほかの経営者と違っていたのは、10年もの間、信念を貫き、ぶれることがなかったことで、アウトソーシングだ、執行役員制度だと、流行の経営スタイルに飛びついたりせず、独自技術にこだわってきたところです。
 既に書いてもいましたし、誰でもが知っていることですが、ものづくりの特徴は、以下の通りでした。

 1.1999年に導入した「セル生産方式」の徹底。
ソニーやNECなどセル生産で先行している企業に遅れて取り組みながら、「日本で最もセル生産方式で効果を上げている企業の1つ」(外資系証券アナリスト)と評価されるようになったのは、御手洗氏の全社導入にかける執念ゆえだ。

 2.無人・自動化工場
  デジタルカメラのレンズや部品などを製造する大分キヤノン(大分県国東市)や宇都宮工場(宇都宮市)ではセルを超える「無人・自動化工場」の取り組みが始まっている。
  キヤノン流の自動化工場は、人間が行う作業を忠実に機械(ロボット)に置き換えるもの。大量生産を前提にした従来型のロボット化とは一線を画す。

 3.終身雇用
  「技術は人の中に蓄積される」という言葉に象徴されるが、生産現場では合理主義を貫く一方で「終身雇用は維持する」と公言し実践してきた。
  その一方で年功序列は排し、人事考課で実力主義を徹底する。これが現場の活力を引き出してきた。

 キヤノンには、「グローバル優良企業グループ構想フェーズIII」という2010年までの5カ年計画があるのだそうですが、11年ぶりの社長交代は御手洗・内田コンビで、この目標を必ず実現するとの宣言でもあり、御手洗氏が引き続きキヤノンの経営の中枢を担う決意を固めている理由でもあるのです。
 内田新社長は記者会見で「既存事業のすべてで、世界シェアナンバーワンを実現する」と宣言下のだそうですが、既にモノクロ複写機、レーザービームプリンター、デジタルカメラ、液晶用露光装置ではシェア1位を確保していて、残るのはインクジェットプリンター、半導体露光装置で、SEDなど新規事業の育成も課題です。
 カメラ部門一筋に歩んだ内田氏が、キヤノン技術陣をまとめ上げることができるのか。御手洗後継の成否を占うカギの1つがここにあるのだそうです。

 経団連会長は財界の総理と言われ多忙を極めます。
 少子高齢化時代を迎える国内経済環境、政治では冷え切った関係にあるアジアの経済大国、中国や韓国とのグローバルな経済発展環境の発展への取り組み、CSR(環境、内部統制)など経済界には課題が山積しています。
 これからは、キヤノン一企業だけでなく、日本国の経済全体に力を発揮して頂けることを願っています。

 NIKKEI NET:社説・春秋 ニュース/御手洗氏は理念で経団連を引っ張れ
 5月26日付・読売社説(2) [御手洗経団連]「企業倫理の再構築が課題だ」
 asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-国際面/経団連会長 国際派の真価を見たい

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by yuji_oga | 2006-05-27 23:32 | 企業改革 | Trackback(1)
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Tracked from 安倍総裁日記 at 2006-12-15 09:18
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