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温暖化防止が世界平和への近道

 アフガニスタンで医療活動や、用水路建設を進める日本人医師の中村哲さんが読売テレビのウェークアップに出演して、話しておられました。
 ウェークアップ!ぷらす

 アフガニスタンの人々を苦しめているのは、未曾有の大干ばつ。アフガニスタンの9割が農民で、干ばつのため食べていけない人々は職を求めて都会に出ても仕事はなく、難民化し、日々の食べるものに困っているのだそうです。
 当初は医療活動を続けていた中村医師は、独学で建築を勉強し、用水路建設に取り組み、飲み水の確保や、砂漠化した土地を農地に戻すため、用水路建設に取り組んで、黄金色に輝く麦畑を復活させているのです。

 ケシの栽培が非難されていますが、タリバンにより一時はなくなっていたものが、干ばつに強い農産物ということで復活し、タリバンの過激なテロとなる輩に悪用されるようになってしまっています。 
 タリバンの急先鋒がテロとして世界に進出していますが、干ばつにより農業が出来なくなり、食べ物に窮している現地のひとびとの苦しみの矛先が、外国軍に向けられている(テロ側の戦略)様です。(中村医師は、違う考えを述べておられます。)

 アフガニスタンの人々が最も困っているのは干ばつによる耕作地の消滅で、それが温暖化によって生じた6,000m級の山岳地帯の雪解けによるものなのです。
 日本や中国の国内で、格差が問題となり政権の存続に関わる課題として大きく取り上げられていますが、世界のレベルでもこの格差がテロや紛争を引き起こしています。

 武力での紛争解決が行き詰まっていますが、温暖化防止で人々の暮らしを護ることが世界平和への重要な方策となることから、その推進が急務といえます。
 紛争の種「世界経済」を檻に入れる術を考えるときが来た - ビジネススタイル - nikkei BPnet

 温暖化対策は、燃料電池やエタノールの利用といった新技術があれば解決できるというものではなく、問題の規模を考えれば、対策は多ければ多いほどよいし、様々な対策を実行すべきだと言えます。その可能性を探った好例が、米国プリンストン大学のスティーブン・パカラとロバート・ソコロウが2004年に米国の科学誌『サイエンス』に発表した、地球温暖化を安定させるための15の“くさび”です。
 
bp special ECOマネジメント/ナショナル ジオグラフィック・スペシャル

新技術にばかり頼っていてもCO2削減に成功しない
 ・エネルギー効率の向上
  1.20億台分の車の燃費を現在の2倍の25km/リットルにする
  2.車1台当たりの年間走行距離を半減させ、8000kmにする
  3.冷暖房や電気器具の効率を25%向上
  4.石炭火力発電の発電効率を40%から60%に向上
 ・CO2の回収・貯留
  5.CO2の回収・貯留システム(CCS)を石炭火力発電所800基または天然
   ガス火力発電所1600基に導入
  6.車10億台分の燃料を生産する石炭使用の水素工場に、CCSを導入
  7.1日48億リットルを生産する石炭使用の合成燃料工場に、CCSを導入
 ・低炭素エネルギーへの転換
  8.1400基の大型の石炭火力発電所を、天然ガス火力発電所に転換
  9.原子力発電所の効率を現在の3倍にし、石炭使用の火力発電所を削減
 ・代替エネルギーと自然界への再固定
  10.風力による発電量を25倍に増加
  11.太陽光による発電量を700倍に増加
  12.風力による発電量を50倍に増やし、自動車用燃料電池の水素を生産
  13.世界の耕作地の約6分の1を使ってバイオエタノール燃料の生産を50倍に
  14.森林伐採の全面停止
  15.不耕起農法などの環境保全型農業をすべての農地に拡大し、土壌からのCO2放出を減らす


 全てが間違いなくよしとされるものか、実現の可能性がすくないものはないか、議論の余地はありますが、今は行動が迫られている時期になってきてしまっています。


 
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by yuji_oga | 2007-10-21 20:51 | 地球温暖化
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